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切開リフトとハイフはどっちがいい?効果・持続期間・ダウンタイムの違いと選び方を美容外科医が解説

明るいラウンジの窓際のソファに座って微笑む女性
目次

ハイフ(HIFU)を定期的に受け続けているけれど、以前ほど引き締まりを感じにくくなってきた。

糸リフトを何度か重ねてきたものの、半年から1年ほどで元の状態に近づいてしまう。

当院のカウンセリングでは、そうした経験を重ねた方から「このまま同じ施術を続けていてよいのだろうか」というご相談をうかがうことがあります。

なぜ、施術によって効果の感じ方や持続の仕方に差が出るのでしょうか。

理由の一つは、ハイフと切開リフトが優劣で比べられる治療ではなく、たるみへの働きかけの仕組みそのものが異なるためです。

ハイフは超音波の熱エネルギーを組織に届けて引き締めを促す治療であり、切開リフトはSMAS(表在性筋腱膜系:顔の皮下に広がる線維性・筋性の支持組織。表情筋や首の広頸筋などと連続しており、厚みや位置関係は顔の部位によって異なります)などの支持組織を、外科的に移動して固定する手術です。

つまり「引き締める」治療と「移動させて固定する」手術という違いがあり、どちらが自分に合うかは、たるみの進行度、皮膚の余り方、生活の設計、そして許容できるダウンタイムによって変わります。

切らない治療で十分な方もいれば、切開リフトを検討したほうが目的に近い方もいます。

そこで本記事では、切開リフトとハイフのどちらを選ぶべきか迷っている方に向けて、両者が作用する層の違い、効果の大きさと持続期間、ダウンタイムと通院の負担、長期的な費用の考え方、そして併用の可否や順番までを、医学的な根拠と公的機関の情報にもとづいて順を追って整理します。

【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹

切開リフトとハイフは何が違うのか|作用する層と仕組み

診察室でタブレットを手に説明する男性医師

どちらを選ぶかを考える前に、両者が顔のどの層に、どのような仕組みで働きかけているのかを理解しておく必要があります。

この違いを押さえておくと、効果の大きさや持続期間の差、ダウンタイムの差が、なぜ生じるのかが自然に理解できます。

顔のたるみを生む皮膚・皮下脂肪・SMASの三層構造

顔のたるみは、皮膚だけがゆるんで起こるわけではありません。

表面から順に、皮膚(表皮・真皮)、皮下脂肪層、そしてSMASという層が重なり合っており、加齢とともにそれぞれが変化していきます。

真皮ではコラーゲンやエラスチンが減少して弾力が低下し、皮下脂肪は区画ごとに容量と位置が変化して下垂します。

さらに、これらの軟部組織を骨や深部につなぎとめているリガメント(支持靭帯:皮膚やSMASなどの軟部組織を骨や深部の組織につなぎとめている線維性の組織)の支えも弱まり、頬のもたつきやほうれい線、口角の下のもたつきが目立つようになります。

加齢に伴う骨格の変化(体積の減少など)も、輪郭の印象に関わります。

つまり、たるみには複数の層と要因が関係しています。

どの層に主な原因があるかによって、必要な治療の種類も変わってくるのです。

ハイフ(HIFU):超音波の熱エネルギーで引き締めを促す仕組み

ハイフ(HIFU:高密度焦点式超音波)は、超音波を一点に集束させ、皮膚表面を切らずに、狙った深さの組織に熱を加える治療です。

機器によっては1.5mm、3.0mm、4.5mmといった深度の設定があり、浅い層では真皮、深い層では皮下脂肪やSMAS付近に熱を届ける設計とされています。

熱が加わった組織では、その場でコラーゲン線維の収縮が起こり、その後3ヶ月から6ヶ月ほどかけて新しいコラーゲンの生成(創傷治癒反応)が進むと説明されています。

この二つの作用によって、肌の引き締まりやハリの改善、フェイスラインのリフトアップが期待される治療です。

ここで押さえておきたいのは、ハイフはSMASに熱を加えて縮ませる治療であり、SMASを剥離して別の位置へ移動させ、固定する治療ではないという点です。

到達する深さや熱の加わり方は機種や出力設定によって異なるため、「ハイフ=SMASに届かない」と一律に言えるものではありません。

一方で、組織を物理的に移動させて余った皮膚を処理する工程は含まれないため、皮膚の余りが明らかな状態に対しては変化を感じにくい場合があります。

切開リフト(フェイスリフト):SMASを移動して固定する仕組み

切開リフトは、局所麻酔などを用いたうえで、こめかみから耳の周囲、生え際に沿った目立ちにくい位置を選んで皮膚を切開し、皮膚と皮下組織を剥離したうえで、SMAS(筋膜の層)などの支持組織を引き上げて固定し、余った皮膚を処理する外科手術です。

必要に応じてリガメントの処理も行いながら、顔の土台にあたる層ごと位置を変える点が、機器治療との決定的な違いになります。

熱で縮ませるのではなく、外科的に移動させて縫合・固定するため、皮膚の余りが多い状態にも対応しやすく、変化が比較的長く維持されやすいとされています。

ただし、皮膚を剥離する手術である以上、体への負担やリスクは機器治療より大きくなります。

効果の程度や経過には個人差があり、結果を保証するものではありません。

切開リフトの術式や当院の考え方については、FTB式SMASフェイスリフトの施術ページでもご案内しています。

なお、顔の解剖やフェイスリフトの一般的な作用機序については、日本形成外科学会日本美容外科学会(JSAPS)が公開している一般向けの学術情報も、基礎知識を得るうえで参考になります。

「引き締める」と「移動させる」という発想の違い

ハイフと切開リフトの違いを一言で整理すると、ハイフは今ある組織をその場で引き締める治療、切開リフトは組織そのものを別の位置へ移動して固定する手術だといえます。

この違いは、どちらが優れているかという話ではありません。

たるみが軽度で、皮膚の余りがまだ目立たない段階であれば、引き締めるという働きかけで十分に目的を果たせることがあります。

反対に、皮膚が明らかに余り、頬やフェイスラインの下垂が進んでいる状態では、引き締めるだけでは位置の変化に限界が出やすくなります。

糸リフトも含めた三つの治療の位置づけを整理すると、次のようになります。

項目ハイフ糸リフト切開リフト
主な働きかけ熱による組織の引き締めとコラーゲン生成体内で溶ける糸などで組織を支持して引き上げるSMASなどを剥離・移動して固定する
作用する層真皮から皮下脂肪、機種によりSMAS付近皮下脂肪層を中心に、術式によりSMAS浅層付近までSMAS層と皮膚(余剰皮膚の処理を含む)
メスの使用なしなし(針で挿入)あり(切開と縫合)
皮膚の余りへの対応切除は行わない切除は行わない余った皮膚を処理できる
ダウンタイム比較的短い比較的短い腫れや内出血が数週間程度
効果の持続の目安数ヶ月から1年程度とされる報告が中心1年から2年程度が目安とされることが多い数年単位とされることが多い

糸リフトと切開リフトの違いをより詳しく知りたい方は、糸リフトと切開リフトの違いを解剖学的視点から解説した記事もあわせてご覧ください。

効果の大きさと持続期間を比較する

モニターの横に立って話す眼鏡をかけた男性医師

「どっちが効果があるのか」という問いは、多くの方が最初に知りたい点です。

ただし、効果の大きさは数値で語りにくい領域でもあるため、ここでは研究で報告されている範囲と、両者の時間軸の違いという二つの観点から整理します。

ハイフの効果はどの程度と報告されているか

ハイフ(マイクロフォーカス超音波)の効果については、複数の臨床研究をまとめたシステマティックレビューが公表されています。

そのレビューでは、眉の位置が0.47mmから1.7mm程度引き上がった、顎下の面積が26平方ミリメートルから45平方ミリメートル程度減少したといった測定値が報告されています。

こうした数値は、たるみが軽度から中等度の方を対象とした研究に基づくものであり、決して小さな変化ではありません。

一方で、単位がミリメートル単位である点からもわかるとおり、外科手術に相当する位置の変化を期待する治療ではないことも読み取れます。

同じレビューでは、皮膚のたるみが強い場合やBMIが30を超える場合には効果が得られにくくなる傾向があり、相対的に適応から外れやすいことも指摘されています。

「ハイフを受けたのに変化を感じない」という悩みの背景には、施術者の技術や出力設定だけでなく、そもそも適応の範囲を超えていたというケースがあるわけです。

ハイフで効果を感じにくい原因については、ハイフは効果ない?効果を感じにくい原因を解説した記事で詳しく整理しています。

効果が現れるまでの時間差

もう一つ見落とされやすいのが、効果が現れるタイミングの違いです。

ハイフは、施術直後にも熱による組織の収縮が起こりますが、はっきりとした変化として実感されるのは、コラーゲンの生成が進む3ヶ月から6ヶ月後にかけてという説明が一般的です。

つまり、受けてすぐに結果を判断できる治療ではありません。

一方、切開リフトは手術の時点で組織の位置を変えているため、方向性としての変化は術直後から生じます。

ただし、術後は腫れや内出血、つっぱり感が生じるため、仕上がりを落ち着いて評価できるのは数ヶ月先になります。

「早く変化を感じられるのはどちらか」という問いへの答えは、判断する時期によって変わるということです。

切開リフトの持続期間の考え方

切開リフトは、支持組織の位置を変えて固定するため、数年単位で変化が維持されやすいとされています。

ただし、手術を受けても加齢そのものが止まるわけではありません。

術後も皮膚の弾力低下や脂肪の変化は進行するため、将来的に追加の治療を希望される可能性はあります。

また、持続期間には個人差が大きく、皮膚の状態、生活習慣、喫煙の有無、体重の変動などが関わります。

永久に維持されるものではないという前提を共有したうえで検討することが大切です。

比較項目ハイフ切開リフト
効果を実感しやすい時期施術後3ヶ月から6ヶ月ごろ腫れが引く術後1ヶ月から3ヶ月ごろ
持続の目安数ヶ月から1年程度とされる報告が中心数年単位とされることが多い
再施術の頻度の目安半年から1年ごとに繰り返す方が多い傾向頻繁な再施術は前提としない
皮膚の余りへの対応切除は行わない余った皮膚を処理できる
適応が外れやすいケースたるみが強い場合、BMIが高い場合たるみが軽度で皮膚の余りが少ない場合

いずれも一般的な目安であり、実際の経過には個人差があります。

ダウンタイム・痛み・通院回数の違い

リビングのテーブルで手帳を開いて予定を確認する女性

効果と同じくらい判断を左右するのが、施術後の生活への影響です。

ここでは、両者のダウンタイムと通院負担を整理します。

ハイフのダウンタイムと術後の症状

ハイフは切開を伴わないため、施術当日から通常の生活に戻れることが多い治療です。

施術中は骨に響くような痛みや熱感を覚えることがあり、術後は赤みやむくみ、軽い腫れ、押したときの痛みが数日続くことがあります。

一方で、出力や照射部位によっては、やけど、神経の障害によるしびれや顔の動かしにくさ、脂肪の減少による頬のこけといった副作用が報告されています。

特に深い層への照射を短い期間で繰り返すことは避けるべきとされており、次回までにどの程度の間隔を空けるかは、使用する機器、照射する深度と出力、施術部位、前回の反応などを踏まえて医師が判断します。

「手軽だからリスクがない」という理解は正確ではありません。

切開リフトのダウンタイムの経過

切開リフトは外科手術であるため、術後には腫れ、内出血、つっぱり感、しびれや知覚の一時的な変化などが生じます。

一般的な経過の目安は次のとおりですが、症状の程度と回復のスピードには個人差があります。

時期主な経過の目安
術直後から3日腫れのピーク。痛み止めで対応できる程度とされる
3日から2週間内出血が黄色く変化しながら徐々に軽減
2週間から4週間腫れが引き、より自然な状態へ近づく
1ヶ月から3ヶ月つっぱり感や違和感が徐々に和らぐ
半年ごろ傷跡が落ち着き、仕上がりが完成に近づく

デスクワークであれば1週間前後、人と対面する機会が多い仕事であれば2週間前後を目安に復帰を検討される方が多い傾向です。

ダウンタイムの詳細は、切開リフトのダウンタイムを解説した記事で時期ごとに整理しています。

通院回数と時間の使い方という視点

ダウンタイムを比べると、一見ハイフのほうが負担が小さく見えます。

しかし、時間の使い方という観点では別の見え方もできます。

ハイフは1回あたりの拘束時間が短い代わりに、効果を維持するには半年から1年ごとの再施術が前提になりやすい治療です。

10年という単位で見れば、予約、来院、施術、術後の経過という一連のサイクルを10回以上繰り返す計算になります。

一方の切開リフトは、手術当日と、術後1週間・1ヶ月・2ヶ月を目安とした経過観察の来院が必要ですが、頻繁な再施術を前提とはしていません。

まとまった休みを一度確保できるかどうか、それとも短い通院をこまめに続けられるかどうか、というライフスタイルの違いが判断材料になります。

費用の考え方|1回あたりではなく長期で比べる

ラウンジでノートに書きながら考えている女性の横顔

費用は多くの方にとって現実的な判断材料ですが、1回あたりの金額だけを比べると実態を見誤ることがあります。

ここでは、金額そのものではなく比較の方法を整理します。

1回あたりの費用と再施術の頻度をセットで考える

一般に、ハイフは1回あたりの費用が切開リフトより抑えられる傾向にあります。

ただし、効果が薄れるたびに繰り返す治療であるため、その都度の費用、来院の手間、術後の経過が積み重なっていきます。

切開リフトは初回の負担が大きい一方で、再施術の頻度を抑えやすい傾向があります。

どちらが経済的かは、何年という時間軸で考えるか、どの程度の変化を求めるかによって変わるため、一律に判断することはできません。

長期のコストを比べるときの考え方

費用を比較する際は、次の四つを同じ表に並べてみると、判断の材料が整理しやすくなります。

比較の観点確認したいこと
1回あたりの費用施術範囲、麻酔代や薬代が含まれるか
再施術の頻度効果を維持するために何年ごとに必要か
想定する期間5年か、10年か、それ以上か
時間の負担通院回数、ダウンタイム、休みの取りやすさ

この四つを並べたうえで、金額だけでなく、ご自身が使える時間と休みの取りやすさを含めて考えると、納得のいく判断につながりやすくなります。

費用だけで決められない理由

一方で、費用の比較だけで治療を決めることはおすすめできません。

たるみが強く進行している状態でハイフを繰り返しても、期待した変化が得られず、結果的に費用と時間だけが積み重なることがあります。

逆に、たるみがまだ軽度な段階で手術を選ぶことが、必ずしも最善とは限りません。

まずは医師の診察を受けて、ご自身のたるみの主な原因がどの層にあるのかを確認することが、費用の比較よりも先に必要な工程です。

後悔を避けるうえでも、金額の比較は診断のあとに行うほうが確実です。

切開リフトの費用の考え方については、切開リフトの費用相場を解説した記事でも整理しています。

当院のFTB式SMASフェイスリフトの費用

切開リフトもハイフも、公的医療保険が適用されない自由診療です。

当院のFTB式SMASフェイスリフトは、切開する範囲によってロング(耳珠軟骨まで)とエクストラロング(耳下まで)の2種類があり、いずれもFTBリフト2本が含まれます。

2026年8月時点の費用は次のとおりです。

施術範囲定価モニター価格
ロング(耳珠軟骨まで)800,000円(税込880,000円)500,000円(税込550,000円)
エクストラロング(耳下まで)1,200,000円(税込1,320,000円)800,000円(税込880,000円)
FTBリフト1本追加ごと60,000円(税込66,000円)40,000円(税込44,000円)

施術時間は60分から80分、通院回数は抜糸を行わないため手術当日の1回ですが、術後の経過を確認するための来院は別途必要です。

FTBリフトを追加する場合や、脂肪吸引など他の施術を併用する場合は、費用が加算されます。

モニター価格には適用条件がありますので、詳細は診察時にご確認ください。

料金は改定される場合があります。

最新の費用と、施術範囲ごとに含まれる内容については、FTB式SMASフェイスリフトの施術ページおよび診察時にご確認ください。

どちらが向いているか|たるみの進行度で判断する

鏡の前に立つ女性とその横で話す男性医師

ここまでの内容を踏まえて、どのような状態の方にどちらが検討されやすいのかを整理します。

あくまで一般的な傾向であり、実際の適応は診察のうえで医師が判断します。

ハイフが向いていると考えられるケース

たるみが軽度から中等度で、皮膚の余りがまだ目立たない段階の方には、ハイフが選択肢になりやすい傾向があります。

肌のハリの低下が主な悩みで、フェイスラインの輪郭を少し整えたいという目的であれば、切らない治療で目的に近づける場合があります。

また、まとまった休みを取ることが難しい方、傷跡を作りたくない方、手術に強い抵抗がある方にとっては、現実的な選択肢になります。

なお、目元まわりのように皮膚が薄く、眼球に近い部位への照射については、使用する機器や照射する深度によって適応と安全性が大きく異なります。

この部位を希望される場合は、医師の診察と適切な照射設計が前提になるため、施術を受ける前に医師へ相談してください。

切開リフトが検討されやすいケース

皮膚の余りが明らかで、頬やフェイスラインの下垂がはっきりしている方、ハイフや糸リフトを繰り返しても変化を感じにくくなってきた方は、切開リフトが検討の対象になります。

また、こまめな通院を続けることが負担になっている方、変化を数年単位で維持したい方にとっても、選択肢として挙がりやすい治療です。

切開リフトが向いている方の判断基準は、切開リフトが向いている人について解説した記事でより詳しく整理しています。

たるみが強い場合に機器治療の効果が出にくい理由

たるみが強く進行した状態でハイフの効果を感じにくくなるのは、施術が不十分だからとは限りません。

熱による引き締めは、あくまで今ある組織の性質を変える働きかけであり、余った皮膚の量そのものを減らす工程を含まないためです。

前述のシステマティックレビューでも、皮膚のたるみが強い場合は効果が得られにくく、相対的な適応外とされる旨が示されています。

この点を知らずに回数を重ねると、費用と時間を費やしたうえで満足に至らないという結果になりかねません。

診察前に自分で整理しておきたい確認事項

診断はあくまで医師が行うものですが、カウンセリングの前にご自身の状況を整理しておくと、相談がスムーズになります。

次のような点をメモしておくと役立ちます。

確認したい項目整理しておくとよいこと
これまでの施術歴ハイフ、糸リフト、注入治療などの種類と時期、回数
効果の感じ方どの時期に、どの部位で変化を感じにくくなったか
気になる部位頬、フェイスライン、ほうれい線、口角の下など
許容できる休み何日程度まで休みを取れるか
優先したいこと変化の大きさ、傷跡、費用、通院の手間のうち何を重視するか

「切る」「切らない」の判断で見落とされがちな視点

窓辺のソファに座り外を眺める女性

効果や費用の比較だけでは決めきれないという方に向けて、判断の際に見落とされやすい三つの視点を挙げます。

やり直しのしやすさには差がある

ハイフは切らない治療であるため、受けた後に「合わなかった」と感じた場合でも、その後の選択肢は比較的広く残ります。

一方、切開リフトは皮膚を切開して剥離する手術であり、受ける前の状態に完全に戻すことはできません。

この非対称性は、判断を急がないほうがよい理由の一つです。

一方で、たるみが進行してから手術を検討する場合、皮膚の状態や剥離の範囲によっては、術後の経過が変わる可能性もあります。

「急いで決めない」ことと「先送りにし続ける」ことは同じではないという点は、意識しておく価値があります。

生活の設計から逆算するという考え方

どちらの治療にも共通するのは、一度受けて終わりではないという点です。

ハイフを選ぶなら、半年から1年ごとの再施術を生活のサイクルに組み込めるかどうか。

切開リフトを選ぶなら、術後の腫れが目立つ時期に人前に出る予定を避けられるかどうか。

仕事の繁忙期、家族の予定、旅行やイベントの時期まで含めて考えると、どちらが現実的かが見えてくることがあります。

施術後の気持ちの変化と長期のメンテナンス

意外に語られにくいのが、施術後の心理的な経過です。

切開リフトの術後は、腫れやつっぱり感がある時期に「本当に元に戻るのだろうか」と不安になる方がいらっしゃいます。

これは経過の一部として想定される反応ですが、事前に知っているかどうかで受け止め方は変わります。

また、術後も肌の質やハリの維持には、生活習慣、紫外線対策、体重の安定といった日常の積み重ねが関わります。

手術か機器治療かという二択で終わらせず、その後をどう維持していくかまで含めて計画することが、満足度につながりやすくなります。

ハイフと切開リフトは併用できるのか|順番と間隔

卓上カレンダーを指しながら説明する眼鏡の男性医師

「どっちか」ではなく「どう組み合わせるか」という考え方もあります。

ここでは、併用に関してよくある疑問を整理します。

ハイフを受けた後に切開リフトは受けられるのか

ハイフを受けた経験があるからといって、切開リフトが受けられなくなるわけではありません。

ハイフ後の組織の変化が、将来のフェイスリフト手術に影響するのではないかという懸念は、以前から一部の医師のあいだで語られてきました。

この点については、2025年にマイクロフォーカス超音波の有害事象を検討したシステマティックレビューが公表されています。

19件の研究(506例)と、機器の不具合や有害事象を集めた公的データベースの記録を検討した結果、手術への悪影響を裏づける科学的な根拠は文献上確認されておらず、報告は主に検証されていない伝聞にとどまるとされました。

手術への影響が報告された事例は1件でした。

つまり現時点では、ハイフの既往が切開リフトを難しくすると断定できる状況ではありません。

一方で、これまでの施術歴は手術計画を立てるうえで重要な情報です。

受けたハイフの機種、照射した部位と深度、回数、直近の施術時期は、カウンセリングで正確にお伝えください。

糸リフトを受けた経験がある場合も同様で、留置されている糸の種類と本数、時期を伝えていただくことで、手術計画を立てやすくなります。

切開リフト後にハイフを受ける場合の考え方

切開リフト後、傷や組織の状態が落ち着いてから、肌質の維持を目的にハイフや他の治療を組み合わせるという選択肢もあります。

ただし、術後どのくらいの期間を空けるべきかは、傷の治り方や剥離の範囲によって異なるため、自己判断は避け、必ず執刀した医師に確認してください。

併用する際の間隔と組み合わせ

ハイフ自体も、深い層への照射を短い間隔で繰り返すことは推奨されていません。

次回施術までに空けるべき期間は、使用する機器、照射する深度と出力、施術部位、前回の反応などによって変わるため、医師の判断に従ってください。

また、たるみ以外の悩みが混在している場合、ヒアルロン酸注入によるボリュームの補正、ボトックス注射による表情の癖への働きかけ、脂肪吸引による輪郭の調整など、目的に応じた組み合わせが検討されることもあります。

何をどの順番で行うかは、たるみの原因と優先順位によって変わるため、単独の施術ごとに判断するのではなく、全体の計画として医師と相談することをおすすめします。

それぞれのリスク・副作用と受けられない方

診察室で正面を向いて話す男性医師

治療を比較するうえで、リスクの理解は欠かせません。

切らない治療にもリスクはあり、外科手術には相応の合併症の可能性があります。

ハイフで報告されているリスク

ハイフで比較的多く見られるのは、赤み、腫れ、施術中の痛みや熱感、押したときの痛みで、多くは数時間から数日で軽減するとされています。

一方で、頻度は高くないものの、やけど、水疱、色素沈着、神経の障害によるしびれや顔の動かしにくさ、皮下脂肪の減少による頬のこけといった副作用も報告されています。

目のごく近くへの照射では、眼への影響が問題になる可能性も指摘されています。

医療機関で受けることの意味と法的な位置づけ

ここは、多くの比較記事で触れられていない重要な点です。

国民生活センターは、エステサロン等でのハイフ機器による施術について、顔面の熱傷や神経の損傷といった危害の相談が寄せられていることを公表しています。

さらに厚生労働省は、令和6年6月7日付の通知において、医師免許を有しない者が高密度焦点式超音波を用いた施術を行うことは医師法に違反するという整理を示しました。

医療機関において、医師の指示のもとで看護師が診療の補助として行うことは問題ないとされています。

つまりハイフは、手軽に受けられる印象がある一方で、本来は医師の管理下で行われるべき医行為として位置づけられている治療です。

ハイフと切開リフトを比較する際は、「切るか切らないか」だけでなく、「どのような体制で受けるか」も判断材料に含めることをおすすめします。

切開リフトのリスクと合併症

切開リフトでは、術後に腫れ、内出血、痛み、つっぱり感、しびれや知覚の一時的な変化、左右差などが生じることがあります。

これらの多くは時間の経過とともに軽減していく傾向があります。

一方で、頻度は高くないものの、血腫(皮膚の下に血液が溜まる状態)、漿液腫(皮下に組織液が溜まる状態)、感染、出血、創傷治癒不良、肥厚性瘢痕やケロイド、皮膚の血行障害、脱毛や生え際の変化、耳の周囲の形の変化、顔面神経への影響による表情の動かしにくさといった合併症が起こる可能性もあります。

顔面神経はSMASより深い層を走行するため、SMASの操作にあたっては解剖の理解が求められます。

麻酔に伴うリスクや、再手術が必要になる可能性もゼロではありません。

切開リフトのデメリットとリスクの全体像については、切開リフトのデメリットとリスクをまとめた記事で詳しく整理しています。

施術を受けられない方・慎重な判断が必要な方

妊娠中や授乳中の方、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を服用中の方、糖尿病などで血糖のコントロールが不十分な方、出血傾向のある方、施術部位に感染症や皮膚のトラブルがある方、ケロイドや肥厚性瘢痕の既往がある方などは、施術の可否や術前後の管理が変わる場合があります。

喫煙は術後の傷の治りに影響することが知られているため、該当する方は事前に医師へご相談ください。

なお、抗凝固薬や抗血小板薬を自己判断で中止すると、重大な健康被害につながる可能性があります。

休薬の可否は、処方した主治医と施術を担当する医師が相談のうえで判断しますので、自己判断で中止しないでください。

福岡天神美容クリニックの考え方

カウンセリングルームで向かい合って話す男性医師と女性

たるみ治療は、どの機器を使うか、どの術式を選ぶかという以前に、その方のたるみの原因がどの層にあるのかを正確に見極めることから始まります。

当院がカウンセリングの体制を重視しているのは、そのためです。

診察から執刀、アフターケアまで院長が担当します

当院ではカウンセラーが営業を行う制度を設けず、院長の小林直樹医師が、診察とカウンセリングから執刀、術後のアフターケアまでを一貫して担当します。

顔の骨格や脂肪のつき方、皮膚の余り方、これまでの施術歴をふまえたうえで、切開リフトが適しているのか、別の選択肢を検討したほうがよいのかを説明します。

これまで顔の脂肪吸引の症例数だけでも累計4,000症例以上を手がけ、美容医療全体の経験症例数は1万件を超えています(院長個人の累計・当院調べ。切開リフト単独の件数ではありません)。

小顔・輪郭形成やリフトアップの手術を中心に診療しており、一日の手術件数を限定し、一人ひとりの状態に合わせて丁寧に対応する方針です。

FTB式SMASフェイスリフトの設計

当院でご案内しているFTB式SMASフェイスリフトは、抜糸のいらないSMAS切開リフトと、体内に吸収される糸を用いるFTBリフトを組み合わせたセットメニューです。

FTBリフトを併用し、固定バンドとドレーンを使用せず、抜糸も行わない術式を採用しています。

固定バンドやドレーンを使用しないことは、術後の圧迫感や通院の負担を抑えやすい設計ではありますが、腫れや血腫といった合併症を防ぐことを保証するものではありません。

術後の腫れや内出血の程度、経過には個人差があります。

また、糸を併用する術式であるため、皮膚のくぼみやひきつれ、糸の触知、糸の周囲の感染など、糸リフト特有のリスクが生じる可能性もあります。

カウンセリングで確認しておきたいこと

切開リフトとハイフのどちらを選ぶかで迷っている段階でも、診察を受けていただくことに意味があります。

カウンセリングでは、次のような点を遠慮なく確認してください。

自分のたるみの主な原因はどの層にあるのか、今の状態でハイフを続けた場合に期待できる変化はどの程度か、切開リフトを選んだ場合の切開の範囲と傷跡の位置、想定されるダウンタイムと仕事復帰の目安、術後の経過観察のスケジュール、そして万一のときの連絡と対応の体制。

これらを聞いたうえで、その場で決めずに持ち帰って検討していただいて構いません。

ご相談やご予約については、FTB式SMASフェイスリフトの施術ページからご確認いただけます。

切開リフトとハイフに関するよくある質問

受付カウンターで女性に応対するクリニックのスタッフ

最後に、切開リフトとハイフの選択について寄せられることの多い質問にお答えします。

Q1. 効果が大きいのはどちらですか?

たるみの進行度によって答えが変わります。

皮膚の余りが明らかな状態では、余った皮膚を処理できる切開リフトのほうが変化を実感しやすい傾向があります。

一方、たるみが軽度でハリの低下が主な悩みであれば、ハイフでも目的に近づける場合があります。

感じ方には個人差があります。

Q2. まずハイフを試してから切開リフトを検討してもよいですか?

その順番で検討される方は少なくありません。

ただし、たるみの進行度によっては、ハイフを重ねても期待する変化に届かず、費用と時間が積み重なることがあります。

試す前に一度診察を受け、ご自身の状態でどの程度の変化が見込めるのかを確認しておくと、判断の材料が増えます。

Q3. ハイフを何度も受けていますが、切開リフトは受けられますか?

ハイフの経験があること自体が手術を妨げるわけではありません。

ただし、熱が加わった組織の状態を考慮するため、これまでに受けた機種、深度、回数、直近の時期をカウンセリングで正確にお伝えください。

糸リフトの既往がある場合も同様です。

Q4. 切開リフトを受けた後に、ハイフを受けても大丈夫ですか?

傷や組織の状態が落ち着いた後であれば、肌質の維持を目的に組み合わせることが検討される場合があります。

適切な時期は剥離の範囲や治り方によって異なるため、必ず執刀した医師に確認してください。

Q5. 傷跡はどの程度残りますか?

切開リフトでは、こめかみから耳の周囲、生え際に沿った目立ちにくい位置を選んで切開します。

時間の経過とともに傷跡は落ち着いていく傾向がありますが、完全に見えなくなるわけではなく、残り方には個人差があります。

Q6. ハイフはエステサロンでも受けられますが、違いはありますか?

厚生労働省は、医師免許を有しない者が高密度焦点式超音波を用いた施術を行うことは医師法に違反するという整理を示しています。

医療機関では、医師または医師の指示を受けた看護師が施術を行い、副作用が生じた際にも医師が対応できる体制があります。

Q7. どちらを選ぶか、その場で決めなければいけませんか?

その必要はありません。

切開リフトは受ける前の状態に完全に戻すことができない手術ですので、説明を聞いたうえで持ち帰り、納得したうえで判断することをおすすめします。

まとめ

明るいクリニックの廊下を歩く女性

切開リフトとハイフは、優劣で比べる治療ではなく、たるみへの働きかけの仕組みそのものが異なります。

ハイフは超音波の熱で組織の引き締めとコラーゲンの生成を促す治療であり、切開リフトはSMASなどの支持組織を外科的に移動して固定し、余った皮膚を処理する手術です。

そのため、たるみが軽度で皮膚の余りが目立たない段階ではハイフが選択肢になりやすく、皮膚の余りが明らかで下垂が進んだ状態では切開リフトが検討されやすいという傾向があります。

ハイフを繰り返しても変化を感じにくくなってきた場合、施術の質だけでなく、適応の範囲を超えている可能性も考えられます。

判断にあたっては、1回あたりの費用ではなく、再施術の頻度を含めた長期の負担で比べること、ダウンタイムだけでなく通院に使う時間の累計で比べること、そして切開を伴う手術は元に戻せないという性質を踏まえて、急がずに検討することが大切です。

ハイフも医師の管理下で行われるべき医行為であり、どこで誰に受けるかも判断材料に含めてください。

どちらが自分に合うかは、たるみの原因がどの層にあるかによって変わります。

まずは医師の診察を受け、ご自身の状態と選択肢を確認したうえで検討することをおすすめします。

なお、切開リフトもハイフも公的医療保険が適用されない自由診療であり、施術の効果や経過には個人差があります。

リスクや副作用を十分に理解したうえでご検討ください。

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