「ヒアルロン酸を注入してみたけれど、自分のクマには合わなかった」「注入直後はよくなったように見えるのに、原因によっては根本的な改善につながらないことがある」──このような経験をお持ちの方は少なくありません。
目の下のクマは、単に色味の問題ではなく、皮膚の薄さ・コラーゲンの減少・血流の低下など、複数の原因が重なって生じる症状です。ヒアルロン酸注入は物理的にボリュームを補うことでくぼみや影を改善する有効な治療法ですが、クマの原因が皮膚の質にある場合は、注入だけでは十分な改善が得られないケースもあります。
こうした課題に対して注目されているのが、PRP治療(多血小板血漿:Platelet Rich Plasma)です。PRP治療は、ご自身の血液から血小板を高濃度に抽出し、気になる部位に注入する治療法で、自己血液由来の成分を用いることから再生医療の一つとして位置づけられています。注入された血小板から放出される成長因子が、真皮(表皮の下にある層で、コラーゲンやエラスチンが存在する肌の土台)の線維芽細胞(コラーゲンやエラスチンを作り出す、肌のハリを支える細胞)を活性化し、コラーゲンやエラスチンの産生を促すと考えられています。
そこで本記事では、PRP治療が目の下のクマに対してどのような効果が期待できるのか、その皮膚科学的メカニズムから施術の流れ、ヒアルロン酸との違い、リスク・副作用まで詳しく解説します。
【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹
目の下のクマの種類とPRP治療が効果を発揮する仕組み

目の下のクマに対してPRP治療がどのように作用するかを理解するには、まずクマの種類と原因を整理することが重要です。クマの原因によってPRP治療の効果が期待できる範囲は異なります。
クマの種類と原因──PRP治療の適応を見極める
目の下のクマは、大きく以下の3種類に分類されます。
| クマの種類 | 主な原因 | 見分け方 | PRP治療との相性 |
|---|---|---|---|
| 青クマ(透けクマ) | 皮膚の薄さ、血流低下により血管が透けて見える | 皮膚を引っ張ると薄くなる | 皮膚の厚みを増すことで改善が期待できる |
| 茶クマ | メラニン色素の沈着、摩擦や紫外線によるダメージ | 皮膚を引っ張っても色味が変わらない | ターンオーバーへの影響を通じた改善の可能性があるが、色素沈着の程度や原因により個人差が大きい |
| 黒クマ(影クマ) | 眼窩脂肪の突出やたるみによる影 | 上を向くと目立たなくなる | 軽度のくぼみには効果が期待できるが、脂肪突出が原因の場合は別治療が適応 |
特にPRP治療が効果を発揮しやすいと考えられているのは、皮膚の薄さやコラーゲン不足が原因となる青クマ・透けクマです。加齢に伴い目の下の皮膚は菲薄化(薄くなること)し、真皮層のコラーゲン密度が低下します。その結果、皮膚の下の血管や筋肉が透けて見え、クマとして認識されます。
なお、黒クマの原因が眼窩脂肪の突出や重度のたるみである場合、PRP治療だけでの改善は難しいことがあります。目の下のクマの原因と治療法の詳細はこちらをご参照ください。
PRP治療がクマ改善に働きかける皮膚科学的メカニズム
PRP治療は、ご自身の血液から抽出した血小板を高濃度に含む血漿を目の下に注入する治療法です。注入されたPRPからは、複数の成長因子が放出されます。
主な成長因子とその役割は以下のとおりです。
| 成長因子 | 正式名称 | 主な役割 |
|---|---|---|
| PDGF | 血小板由来成長因子 | 線維芽細胞の増殖や組織修復に関与するとされる |
| TGF-β | トランスフォーミング成長因子β | コラーゲンやエラスチンの産生促進に関与するとされる |
| VEGF | 血管内皮増殖因子 | 新しい血管の形成を促し、血流改善に寄与するとされる |
| EGF | 上皮成長因子 | 表皮細胞の再生を促し、肌のターンオーバーに関与するとされる |
これらの成長因子が真皮層の線維芽細胞に働きかけることで、コラーゲンやエラスチンの産生が促進されると考えられています。その結果、目の下の皮膚にハリや厚みが戻り、血管の透けが軽減されることで、クマの改善が期待できます。
ヒアルロン酸注入が「物理的にボリュームを補う」のに対し、PRP治療は「皮膚の再生力そのものを引き出す」再生医療であるという点が根本的な違いです。肌の土台である真皮層を内側から整えることで、自然な仕上がりが得られやすいという特徴があります。
当院では、遠心分離機(血液を高速回転にかけて成分ごとに分離する装置)を用いて血小板を高濃度に含むPRPの抽出を行っています。少量の採血から効率的にPRPを抽出できる体制を整えており、患者様の負担軽減に配慮した施術を提供しています。
ヒアルロン酸注入とPRP治療の違い──目の下のクマ治療における比較

目の下のクマ治療でヒアルロン酸注入を検討される方は多くいらっしゃいます。ここでは、ヒアルロン酸注入とPRP治療の作用メカニズムや効果持続期間の違いを整理します。
作用メカニズムの違い
ヒアルロン酸注入とPRP治療は、クマ改善へのアプローチが根本的に異なります。
| 比較項目 | ヒアルロン酸注入 | PRP治療(再生医療) |
|---|---|---|
| 作用の仕組み | ヒアルロン酸(ゲル状の充填剤)を注入し、物理的にボリュームを補う | 自己血液由来の成長因子でコラーゲン産生を促進し、皮膚の質の改善を目指す |
| 使用する素材 | 合成ヒアルロン酸(体外由来) | 自己血液から抽出した血小板(自己由来) |
| 効果の現れ方 | 注入直後から変化を実感しやすい | 数週間〜1〜3か月かけて徐々に変化が現れる |
| 仕上がりの特徴 | ボリュームアップによる改善 | 皮膚の質そのものの変化による自然な仕上がりを目指す |
| アレルギーリスク | 低いが、まれに異物反応の可能性がある | 自己血液由来のため、異物反応やアレルギーリスクが低い |
ヒアルロン酸は即効性がある一方で、体内で吸収されるため定期的な再注入が必要です。PRP治療は効果が現れるまでに時間がかかりますが、皮膚そのものの再生を促す再生医療であるため、効果の持続期間が比較的長い傾向にあるとされています。
ただし、ヒアルロン酸注入にも適応がある症例は多く、どちらの治療が適しているかは、クマの種類や皮膚の状態によって異なります。当院の注入治療メニューはこちらからご確認いただけます。
効果の持続期間とコストの比較
長期的な視点で両治療を比較した場合の一般的な傾向を以下にまとめます。
| 比較項目 | ヒアルロン酸注入 | PRP治療 |
|---|---|---|
| 1回あたりの施術 | 一般的な相場として数万円〜 | 一般的な相場としてヒアルロン酸よりやや高額 |
| 効果持続期間 | 6〜12か月程度 | 1〜数年程度(個人差が大きい) |
| 再施術の頻度 | 効果維持のため定期的な再注入が必要 | 再施術の頻度が少ない傾向(個人差あり) |
| ダウンタイム累計 | 施術回数分のダウンタイムが発生 | 施術回数が少ない場合、累計負担が軽い傾向 |
| 付加価値 | ボリューム補充 | 皮膚の質そのものの変化を目指す再生医療 |
※上記は一般的な傾向をまとめたものであり、効果の持続期間や必要な施術回数には個人差があります。実際の費用や回数は、肌の状態・年齢・生活習慣などにより大きく異なりますので、具体的な費用はクリニックにお問い合わせください。
PRP治療は再施術の頻度が少ない傾向にあるとされますが、実際の回数や費用は個人の状態により異なります。あくまで一つの目安としてご参照ください。
PRP治療の施術の流れと痛み・ダウンタイム

PRP治療の施術がどのように進むのか、痛みやダウンタイムの目安とあわせて解説します。
採血からPRP注入までの施術ステップ
PRP治療は以下の流れで行われます。
| ステップ | 内容 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| カウンセリング | 医師がクマの状態を診察し、PRP治療の適応を判断。注入量・注入部位を決定 | 個別に異なる |
| 採血 | 腕から少量の血液を採取 | 数分 |
| PRP抽出 | 遠心分離機で血液を成分分離し、血小板を高濃度に含むPRPを抽出 | 約15〜20分 |
| 注入 | 目の下の皮膚に、部位の厚みや動きに合わせた深さ・量でPRPを注入 | 約15〜30分 |
| 施術後の確認 | 注入部位の確認、アフターケアの説明 | 数分 |
当院では、カウンセリングから施術、アフターケアまで院長が一貫して担当しています。カウンセラー主導ではなく、医師が直接お悩みの背景まで伺い、必要以上の治療は勧めません。豊富な注入治療実績に基づき、部位ごとに皮膚の厚みや動きを考慮した注入方法を最適化しています。院長の経歴・実績の詳細はこちらからご確認いただけます。
痛みとダウンタイムの目安
PRP治療のダウンタイムは比較的軽度ですが、以下のような症状が生じる可能性があります。
施術時の痛みについては、注入時にチクッとした痛みを感じることがありますが、麻酔クリームや局所麻酔を使用することで軽減が可能です。
ダウンタイムの目安としては、内出血が出る場合があり、数日〜1週間程度で消退します。注入部位の腫れや赤みも生じることがありますが、数日で落ち着くのが一般的です。メイクは翌日から可能な場合が多いですが、医師の指示に従ってください。
※ダウンタイムの程度には個人差があります。
PRP治療の効果が現れるまでの期間と持続性

PRP治療は即効性のある治療ではなく、体内でコラーゲンが生成される過程を経て効果が現れる再生医療です。効果発現までの経過を理解しておくことが重要です。
施術後の経過タイムライン
| 時期 | 体内で起きていると考えられること | 外見上の変化 |
|---|---|---|
| 施術直後〜数日 | 注入部位に軽度の腫れ・内出血が生じることがある | 腫れにより一時的にふっくら見えることがあるが、これは最終的な効果ではない |
| 2〜4週間後 | 成長因子の働きにより線維芽細胞が活性化し、コラーゲン・エラスチンの産生が始まるとされる | 肌の質感にわずかな変化を感じ始める方がいる |
| 1〜3か月後 | コラーゲンの産生が進み、真皮層の厚みやハリが増していくと考えられている | 目の下のクマが目立ちにくくなったと感じる方がいる。ただし変化の実感には個人差がある |
| 3〜6か月後 | コラーゲンリモデリング(再構築)が進行し、効果が安定に向かうとされる | 自然な仕上がりが完成に近づく |
効果発現までに時間がかかる理由は、PRP治療が「外から何かを足す」治療ではなく、「自分自身の細胞がコラーゲンを作り出す」再生医療であるためです。即効性ではなく、時間をかけて自然に変化していく点がPRP治療の特徴です。
効果の持続期間と再施術の目安
PRP治療によって産生されたコラーゲンは自己組織の一部として定着するため、ヒアルロン酸のように一定期間で体内に吸収される性質のものではありません。効果の持続期間は1〜数年程度と報告されることもありますが、年齢・肌質・生活習慣などにより個人差が大きい領域です。
加齢に伴う皮膚の老化は継続するため、経年変化により徐々に効果が薄れていくことはあります。再施術を検討する場合は、医師と相談のうえ適切なタイミングを判断することが重要です。
※効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。
PRP治療のリスク・副作用と「膨らみすぎ」への対策

PRP治療は自己血液由来の成分を使用するため異物反応やアレルギーのリスクは低いとされていますが、施術に伴うリスクや副作用は存在します。事前に正確な情報を把握しておくことが大切です。
知っておくべきリスクと副作用
PRP治療で起こりうる主なリスク・副作用には以下があります。
内出血は最も一般的な副作用で、注射針による血管損傷が原因です。通常は数日〜1週間程度で消退します。注入部位の腫れ・赤みも数日間生じることがあります。
まれに、注入部位にしこりが形成されるケースが報告されています。これはPRPの注入量や注入層が適切でない場合に起こりやすいとされています。また、感染のリスクもゼロではないため、施術後の衛生管理が重要です。
さらに、目の下は血管が密集する部位であるため、頻度は低いものの、注入手技に起因する血管閉塞などの重篤な合併症(皮膚障害等)が生じる可能性もあります。こうしたリスクを回避するためにも、注入治療の経験が豊富な医師のもとで施術を受けることが重要です。
PRP治療で特に注意すべき点として、bFGF(線維芽細胞増殖因子)を添加したPRP治療では、過剰な組織増生のリスクが指摘されています。当院では自己血液由来の成分のみを使用する純粋なPRP治療を行っており、外部からの成長因子添加は行っていません。
「膨らみすぎ」を防ぐための当院の取り組み
PRP治療に対する不安で多いのが「膨らみすぎないか」という点です。当院では以下の方針で膨らみすぎのリスクを低減しています。
一度に大量のPRPを注入するのではなく、部位ごとに適切な量と深さを調整して施術を行っています。目の下は皮膚が薄く繊細な部位であるため、注入量と注入層の見極めが特に重要です。一日の施術件数を限定し、一人ひとりの施術に十分な時間を確保することで、丁寧な注入を実現しています。
PRP治療が向いている人と禁忌事項

PRP治療が適している方
PRP治療は、以下のような方に適した治療です。目の下の皮膚が薄くなり、血管が透けて見える青クマ・透けクマに悩んでいる方。ヒアルロン酸注入を繰り返してきたが、根本的な肌質改善を求めている方。異物を注入することに抵抗があり、自己血液由来の治療を希望する方。自然な変化を望み、即効性より持続性を重視する方。
一方で、PRP治療には禁忌事項(施術を受けられない条件)があります。血液疾患や血小板機能障害のある方、抗凝固薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方、施術部位に感染症がある方などは、PRP治療を受けることができません。持病や服用中の薬がある場合は、必ず事前にご相談ください。
クマの原因によっては他の治療が適する場合もある
目の下のクマの原因が眼窩脂肪の突出による黒クマ(影クマ)の場合、PRP治療だけでは十分な改善が得られないことがあります。こうした場合は、脱脂術などの外科的治療や他のアプローチが適応になります。
また、たるみが進行している場合には、たるみ改善には糸リフトとの併用も選択肢のひとつです。PRP治療で皮膚の土台を再生しつつ、糸リフトやインモードなどの引き締め治療を組み合わせることで、より立体的な仕上がりが期待できます。引き締め効果をプラスしたい方にはモフィウス8との併用もご検討ください。
目の下のクマへのPRP治療に関するよくある質問

PRP治療でクマは完全になくなりますか?
PRP治療は皮膚の質を改善しクマを目立ちにくくする再生医療ですが、クマの原因や程度によって改善の度合いには個人差があります。特に眼窩脂肪の突出が原因の黒クマには、PRP治療だけでは限界がある場合があります。効果を保証するものではありません。
PRP治療は何回受ける必要がありますか?
1〜2回の施術で変化を感じる方もいらっしゃいますが、実感の程度や時期には個人差があります。肌の状態や希望される仕上がりによっても異なりますので、医師と相談のうえ適切な施術回数を決定します。
ヒアルロン酸注入とPRP治療はどちらを選ぶべきですか?
即効性を重視する場合はヒアルロン酸注入、皮膚の質そのものの改善を目指し長期的な変化を希望する場合はPRP治療が選択肢となります。クマの種類や状態によって最適な治療は異なりますので、医師の診察を受けたうえで判断されることをおすすめします。
PRP治療にダウンタイムはありますか?
内出血や腫れが数日〜1週間程度生じることがあります。メイクは翌日から可能な場合が多いですが、施術後の経過には個人差があります。
PRP治療は安全ですか?
PRP治療は自己血液由来の成分のみを使用する再生医療であり、異物反応やアレルギーのリスクが低いことが特徴です。ただし、内出血・腫れ・しこりなどのリスクはゼロではなく、目の下への注入では血管閉塞などの重篤な合併症がまれに生じる可能性もあります。安全性を確保するためには、PRP治療の経験が豊富な医師のもとで施術を受けることが重要です。PRP療法は日本再生医療学会においても研究が進められている分野です。
まとめ

PRP治療は、自己血液から抽出した血小板の成長因子を活用し、真皮層のコラーゲン産生を促進する再生医療です。目の下のクマに対しては、皮膚の厚みやハリを回復させることで、特に青クマ・透けクマの改善が期待できます。
ヒアルロン酸注入のように外部から物質を補充するのではなく、自分自身の再生力を引き出す治療であるため、自然な仕上がりと比較的長い持続が期待されるという特徴があります。一方で、効果が現れるまでに数週間〜数か月を要すること、効果の程度や持続期間には個人差が大きいこと、クマの原因によっては他の治療が適する場合もあることを理解したうえで検討することが大切です。
福岡天神美容クリニックでは、院長がカウンセリングから施術、アフターケアまで一貫して担当し、部位ごとに注入方法を最適化したPRP治療をご提供しています。目の下のクマでお悩みの方は、まずは医師による診察で適切な治療法をご確認ください。
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記事執筆:福岡天神美容クリニック 院長 小林 直樹
小顔・輪郭専門医として、ダウンタイムを最小限に抑えた施術に注力。糸リフト、脂肪吸引、切開リフトなどで「腫れにくさ」「自然な仕上がり」を追求してきました。
これまでに顔の脂肪吸引だけで累計4,500件以上、総症例数は1万件超を経験。2024年には年間脂肪吸引症例数 日本一を獲得するなど、豊富な実績に裏打ちされた確かな技術を持ちます。
また、二重整形やくまとり、眉下切開、たれ目形成などの目元治療、ヒアルロン酸・ボトックス注入などの若返り治療も得意分野。丁寧なカウンセリングと万全のアフターフォローで、患者様一人ひとりに寄り添った美容医療を提供しています。
「安心して任せられる美容医療」を信条に、理想の美しさと満足をお届けいたします。
【所属学会】
・日本美容外科学会(JSAS)
・アラガンボトックス認定医
・ジュビダームビスタ認定医
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応や効果には個人差があります。詳しくは医師にご相談ください。

