ヒアルロン酸注射やボトックス注射、レーザー治療を繰り返してきたものの、「結局、肌質そのものは変わらない」「注入を繰り返すことに疑問を感じる」と考える方が増えています。そうした背景から注目を集めているのが、自己血液を用いた再生医療「PRP治療」です。
ただし、PRPは比較的新しい医療分野であるため、「自分の血液を使うから安全」という説明だけでは不安を払拭しきれない方も多いはずです。実際、PRPは厚生労働省が定める「再生医療等安全性確保法」の対象となる医療であり、安全性を考えるうえで知っておくべきポイントがいくつもあります。
そこで本記事では、PRP再生医療の仕組みから、安全性が高いと言われる理由、起こりうるリスクや副作用、そして安心して治療を受けるためのクリニック選びの基準までを医師の視点で解説します。
【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹
PRP再生医療とは何か

PRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)治療は、ご自身の血液から血小板を多く含む成分を取り出し、気になる部位に注入する治療法です。血小板はもともと、ケガや炎症が起きた際に組織の修復を促す細胞であり、その働きを美容医療に応用したのがPRP療法です。
ヒアルロン酸やボトックスなど従来の注入治療が「形を作る」「動きを止める」ことを目的としているのに対し、PRPは肌や組織が本来持っている回復力を引き出すことを目指す再生医療です。両者は目的も作用機序も異なるため、対立するものではなく、患者さまの状態に応じて使い分け・併用が検討されます。
血小板と成長因子のはたらき
多血小板血漿(PRP)に含まれる血小板には、PDGF(血小板由来成長因子:細胞の増殖や修復を促すタンパク質)、TGF-β(コラーゲン産生を促す因子)、VEGF(血管新生を促す因子)、EGF(上皮細胞の成長を促す因子)などの成長因子が豊富に含まれています。
これらの成長因子が真皮(表皮の下にある層で、コラーゲンやエラスチンが存在する肌の土台)に作用し、線維芽細胞(コラーゲンやエラスチンを作り出す細胞)を活性化させます。その結果、コラーゲン・エラスチンの産生が促され、ハリやなめらかさの改善が期待できる仕組みです。
加齢に伴い、真皮のコラーゲン量は減少し、線維芽細胞の活動も低下していきます。さらに毛細血管の機能低下により、皮膚への栄養供給も滞りがちになります。PRP療法は、こうした皮膚の老化プロセスに対して、外から成分を補うのではなく、組織が本来持つ修復のスイッチを入れ直すというアプローチをとります。これが「再生医療」と呼ばれるゆえんです。
PRPが「再生医療」と分類される理由
PRP治療が再生医療と呼ばれるのは、人工物で形を補うのではなく、ご自身の組織が持つ回復力を活用する治療だからです。日本では再生医療等安全性確保法に基づき、PRP療法を実施するには、認定再生医療等委員会の審査意見を受けたうえで、再生医療等提供計画を厚生労働大臣へ提出する必要があります。
そのため、誰もが自由に提供できる治療ではなく、所定の手続きを経た医療機関のみが行える点も、PRP再生医療の特徴と言えます。
PRP再生医療の安全性が高いと言われる理由

PRPは「再生医療の中でも比較的安全性が高いとされる治療」と紹介されることが多い治療です。その背景には、自己血液由来であることや、法的な安全管理体制など、複数の要素があります。
自己血液由来であることのメリット
PRP注射で使用するのは、患者さまご自身の血液から抽出した成分です。他人由来の細胞や人工物を使用しないため、異物反応やアレルギー反応のリスクは構造的に低くなります。
ヒアルロン酸製剤も近年は安全性の高いものが普及していますが、まれにアレルギー反応や血管塞栓などのリスクが指摘されています。PRPは自己血液由来の成分を用いるため、異物反応やアレルギー反応のリスクは比較的低いと考えられます。一方で、注入を伴う医療行為である以上、内出血・腫れ・感染・血管トラブルなどのリスクがゼロになるわけではありません。
厳格な品質管理が求められる再生医療
PRPは再生医療等安全性確保法の対象となるため、採血・遠心分離(血液を高速回転にかけて成分ごとに分離する技術)・抽出・注入までの工程が厳格に管理されます。PRP療法を提供する医療機関には、該当する種別に応じた認定再生医療等委員会の審査意見を受けたうえでの再生医療等提供計画の提出が求められ、定期的な実績報告も必要です。
また、PRPの調製過程では患者さまごとに専用の器具・容器を使用し、他者の血液成分と混ざらないよう徹底した衛生管理が行われます。再生医療等安全性確保法は、こうした手続きを通じて安全性の担保を制度的に支えています。
抽出技術による品質の差
ただし、「自己血液だから絶対安全」というわけではありません。採血量に対する血小板の濃度(PRPの品質)は、使用する遠心分離機や抽出技術によって大きく異なります。
当院では遠心分離機を用いることで血小板回収率97パーセント以上と高く、通常の2倍もの血小板を含んだ血漿(PRP)をつくることができます。17ccの採血から2ccのPRPを抽出するため、血液検査程度の負担で施術が可能です。詳細は当院のPRP治療ページからご確認いただけます。
PRP再生医療のリスク・副作用

「安全性が高い」とされるPRP再生医療ですが、医療行為である以上、リスクや副作用がゼロというわけではありません。事前に正しく知っておくことで、不安を必要以上に大きくせず、適切な判断ができます。
一般的に起こりうる副作用
注入後には、以下のような症状が一時的に現れることがあります。
| 症状 | 概要 | 経過の目安 |
|---|---|---|
| 腫れ・赤み | 注入部位の軽度の腫れや赤み | 多くは数日~1週間程度 |
| 内出血 | 注入針による皮下の出血 | 1~2週間程度で吸収 |
| 硬さ | 一時的なしこり感 | 時間とともに自然に馴染む |
多少の個人差はありますが、症状の多くは2週間程度で落ち着きます。目の下など皮膚の薄い箇所はやや長引く可能性があります。極稀に拒絶反応やアレルギー、感染症などが発生する場合があり、その際は速やかに担当医師の診察を受ける必要があります。また、極めて稀に血管塞栓など重篤な有害事象が報告されることもあるため、施術後に強い症状や異変を感じた際は早めにご連絡ください。
「膨らみすぎ」リスクへの考え方
PRP治療で過去に問題視されたことの一つが「膨らみすぎ」です。これは、bFGF(線維芽細胞増殖因子)などの成長因子製剤を後から添加したPRPで報告されることがあった現象です。当院では、自己血液由来の成分のみを使用する純粋なPRP療法を行い、bFGF等の添加は行いません。
また、一度に大量注入を行わず、部位ごとに皮膚の厚みや動きを考慮して注入量と深さを調整することで、不自然な膨らみを起こしにくい設計を行っています。
PRP治療を受けられない方
血液疾患のある方、悪性腫瘍の治療中の方、妊娠・授乳中の方、抗血小板薬・抗凝固薬を内服中の方などは、PRP再生医療の対象とならない場合があります。また、注入予定部位に活動性の感染や強い炎症がある患者さまも、症状が落ち着くまでは施術を見合わせます。
このほか、喫煙習慣のある方、コントロール不良の糖尿病をお持ちの方、免疫抑制剤を使用中の方などは、組織の修復力に影響が及ぶ可能性があるため、適応の慎重な判断が必要です。基礎疾患の有無や服用中の薬は、必ずカウンセリング時にお伝えください。安全性を最優先に、適応の有無を医師が個別に判断します。
安全性を高めるためのクリニック選びのポイント

PRPは再生医療として法的な管理下にある治療ですが、実際の安全性や仕上がりは、クリニック側の体制や医師の判断に大きく左右されます。受診先を選ぶ際には、以下の点を確認することをおすすめします。
医師が診察・施術まで一貫して担当しているか
PRP治療は、注入する部位・深さ・量によって結果と安全性が変わります。カウンセラーがプランを決め、医師が施術のみ担当する流れでは、治療の適応判断が十分に行われないリスクがあります。
当院ではカウンセリングから施術、アフターケアまで院長が一貫して担当します。お悩みの背景まで丁寧に伺い、必要以上の治療は勧めません。再生医療は、効果が出るまでに時間がかかる治療です。そのぶん、施術前の見極めがとても重要になります。
PRPの抽出品質と注入設計
血小板を多く含むPRPを抽出するには、適切な遠心分離機と技術が必要です。また、注入時には部位ごとの皮膚の厚みや動きを踏まえた量・深度の調整が欠かせません。「どこに打っても同じ」では、再生医療PRPの本来の効果は引き出せません。
厚生労働省への届出があるか
繰り返しになりますが、PRP療法は再生医療等安全性確保法に基づく所定の手続きを経た医療機関で提供される治療です。受診を検討する際は、医療機関のホームページや厚生労働省の再生医療提供機関データベースで、提供計画の提出状況を確認しましょう。
ヒアルロン酸との比較で考えるPRP再生医療の位置づけ

PRP再生医療を検討される方の多くは、すでにヒアルロン酸やボトックス注射を経験されています。両者の違いを整理すると、PRPの位置づけがより明確になります。
| 項目 | ヒアルロン酸 | PRP再生医療 |
|---|---|---|
| 作用 | 形・ボリュームを補う | 肌や組織の回復力を引き出す |
| 主成分 | 製剤(人工的に合成) | 自己血液由来の血小板成分 |
| 効果発現 | 直後 | 数週間~1~3か月 |
| 効果持続 | 6か月~1年程度(目安) | 数年程度を目安(個人差あり) |
| 仕上がり | 即時的・物理的 | 緩やか・自然 |
コスト面の長期的な視点
ヒアルロン酸は1回あたりの費用が比較的わかりやすい一方、効果持続が半年~1年程度のため、定期的な注入が必要です。仮に5年間継続する場合、複数回の追加注入と通院、そのつどのダウンタイムが累計で発生することになります。
PRP再生医療は1回あたりの費用が高めになる傾向はあるものの、持続期間が数年程度と長いため、長期的な総コストや通院回数では異なる結果になることもあります。さらにPRPは、ボリュームを補う治療ではなく、肌や組織の状態改善を目指す治療であるため、必要に応じて複数回の治療が検討されることもあります。
ただし、PRPもヒアルロン酸も自由診療(保険適用外)であり、料金は医療機関によって異なります。費用面は必ず受診先で個別にご確認ください。
適応の使い分け
「ヒアルロン酸が悪く、PRPが優れている」という単純な話ではありません。ボリュームをはっきり補いたい部位にはヒアルロン酸、肌質の改善や自然な変化を求める場合にはPRPと、目的に応じて選択するのが基本です。詳しくは当院の注入治療メニューはこちらから各治療の特徴をご確認いただけます。
当院のPRP再生医療における安全性への取り組み

最後に、PRP治療を福岡・天神エリアで検討されている方に向けて、当院の取り組みを紹介します。
安全性を最優先にした注入設計
PRPは再生医療の一種であるため、当院では「効果」だけでなく「安全性」を最優先に考えています。治療の適応・注入量・注入層を慎重に見極め、過度な変化やトラブルを避ける設計を行っています。再生医療だからこそ、慎重な判断を大切にしています。
部位別の最適化
目の下、ほうれい線、ニキビ跡、首のシワなど、部位ごとに皮膚の厚みや動きは異なります。当院では再生医療としてのPRPを、部位別に注入方法を変えて施術しています。「どこに打っても同じ」治療は行いません。目の下のクマについては原因によって適切な治療が異なるため、目の下のクマの原因と治療法の詳細はこちらもあわせてご覧ください。
他治療との組み合わせも可能
PRP治療は再生医療として「土台を整える」役割を担います。糸リフトや切開リフト、インモード、モーフィウス8など、当院が得意とする治療と組み合わせることで、より立体的で持続性のある結果を目指すことが可能です。たるみが進行している場合は糸リフトとの併用も選択肢のひとつですし、より根本的な改善にはSMASフェイスリフトもご検討ください。
まとめ

PRP再生医療は、自己血液を用いるという特性から、構造的にアレルギーや異物反応のリスクが低い治療です。ヒアルロン酸注射やボトックス注射と異なり、外から成分を補うのではなく、肌や組織が本来持つ修復力を引き出すという考え方に立っています。さらに、再生医療等安全性確保法のもとで管理されているため、医療体制としての安全管理も一定水準が担保されています。
一方で、医療行為である以上、腫れ・内出血・硬さといった一般的な副作用や、「膨らみすぎ」「効果の個人差」といった懸念も存在します。これらのリスクは、抽出技術・注入設計・医師の判断によって大きく左右されます。「PRP療法は安全」という言葉だけで判断するのではなく、その安全性が何によって支えられているのかを理解したうえで受診先を選ぶことが、結果的に患者さまご自身を守ることにつながります。
「安全性が高い再生医療」を実際に安全に受けるためには、自己血液由来であるという表面的な事実だけでなく、医療機関の体制と医師の経験を踏まえて選択することが欠かせません。検討中の方は、PRP治療の詳細ページで施術の流れと料金をご確認のうえ、まずはカウンセリングで現在のお悩みをご相談ください。
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記事執筆:福岡天神美容クリニック 院長 小林 直樹
小顔・輪郭専門医として、ダウンタイムを最小限に抑えた施術に注力。糸リフト、脂肪吸引、切開リフトなどで「腫れにくさ」「自然な仕上がり」を追求してきました。
これまでに顔の脂肪吸引だけで累計4,500件以上、総症例数は1万件超を経験。2024年には年間脂肪吸引症例数 日本一を獲得するなど、豊富な実績に裏打ちされた確かな技術を持ちます。
また、二重整形やくまとり、眉下切開、たれ目形成などの目元治療、ヒアルロン酸・ボトックス注入などの若返り治療も得意分野。丁寧なカウンセリングと万全のアフターフォローで、患者様一人ひとりに寄り添った美容医療を提供しています。
「安心して任せられる美容医療」を信条に、理想の美しさと満足をお届けいたします。
【所属学会】
・日本美容外科学会(JSAS)
・アラガンボトックス認定医
・ジュビダームビスタ認定医
※PRP治療は自由診療(保険適用外)です。施術部位・必要量・通院回数により総額が異なります。 ※当院での具体的な料金、および同一のお悩みに関する再診時に費用が発生する可能性については、上記の当院PRP治療ページの料金欄、または診察時にご確認ください。 ※効果の出方や持続期間には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。 ※リスク・副作用については本文中に記載のとおりです。





