「鏡を見るたびに頬のたるみが気になる」「ほうれい線が深くなって、実年齢より老けて見られると感じる方もいらっしゃいます」——そんなお悩みを抱えている方は少なくありません。スキンケアや注入治療を試したものの、いまひとつ実感が得られなかった、という声もよく耳にします。
顔の深い層にある組織「SMAS(スマス)」へのアプローチがたるみ改善において重要とされており、注目されているのがSMASフェイスリフトという手術方法です。
そこで本記事では、SMASフェイスリフトがどのような効果をもたらすのか、そのメカニズムや持続期間、ダウンタイム、向いている方・向いていない方まで、患者さまの疑問を網羅的に解説します。
【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹
そもそもSMASとは?顔のたるみに関係する組織の仕組み

「SMASフェイスリフト」という言葉はよく耳にするけれど、SMASとは何なのかよくわからない、という方は多いかもしれません。たるみの仕組みを正しく理解することは、施術を検討するうえでとても重要です。
顔の構造と「層」の仕組み
顔の皮膚は、外側から順に「皮膚」「皮下脂肪」「SMAS層」「表情筋」「骨」という複数の層で構成されています。このうち**SMAS(Superficial Musculo-Aponeurotic System)**とは、表在性筋膜(ひょうざいせいきんまく)とも呼ばれる薄い膜状の組織で、顔の表情筋と皮膚をつなぎ合わせる役割を担っています。
日本語では「スマス」と呼ばれることが多く、1974年にフランスの形成外科医ミッツ(Mitz)とペイロニー(Peyronie)によってその存在が学術的に報告されました(参考:Mitz & Peyronie, 1974, Plastic and Reconstructive Surgery)。それ以降、SMASへのアプローチがフェイスリフト手術において重要視されるようになりました。
顔にはさらに、リガメント(靭帯)と呼ばれる繊維状の組織も存在します。リガメントは骨とSMASをつなぎ止め、皮膚や脂肪を本来の位置に保定する役割を持っています。加齢にともないリガメントが緩むことで、頬の脂肪が下垂し、ほうれい線やマリオネットラインが形成されやすくなります。
たるみとSMAS層の関係
たるみは、皮膚・脂肪・SMAS・骨格など複数の要因が組み合わさって生じると考えられており、その一因としてSMAS層の緩みが挙げられます。
年齢を重ねると、SMAS層の弾力が低下し、重力によって少しずつ下垂していきます。皮膚はSMAS層に連動しているため、SMAS層が変化すると、それに連動する形で皮膚にもたるみが生じやすくなります。
SMAS層にアプローチするフェイスリフトでは、こうした深い層の変化に直接働きかけることができるため、皮膚表面だけを引き上げる施術と比べてアプローチの深さが異なります。
SMASフェイスリフトの効果とメカニズム

SMASフェイスリフトは、顔の深い層にあるSMAS層を直接剥離・引き上げることで、たるみの改善が期待できる手術です(効果には個人差があります)。皮膚を切除して縫合するだけの施術とは、アプローチの深さが異なります。
皮膚だけを引き上げる施術との違い
SMAS層にアプローチしない施術(皮膚のみを引き上げる方法)の場合、皮膚に過度な張力がかかるため、引きつれた不自然な表情になるリスクがあります。また、皮膚は弾力が比較的低く、早期に元の状態へ戻りやすいという特性があります。
一方、SMASフェイスリフトではSMAS層を剥離し、安定した位置で固定します。そのため皮膚に余分なテンション(引っ張り)をかけることなく、自然な表情を維持しながらのリフトアップが期待できます。顔の深い層を土台として引き上げることで、フェイスラインの輪郭の変化や、ほうれい線・マリオネットラインの改善につながりやすいとされています。
具体的にどんな変化が期待できるか
SMASフェイスリフトによって期待できる主な変化を整理すると、次のような点が挙げられます。ただし、効果の出方には個人差があり、たるみの程度・年齢・皮膚の状態・骨格などによって仕上がりは異なります。詳細は医師のカウンセリングでご確認ください。
フェイスラインの引き締まりという点では、たるんで下垂していた頬や顎まわりの組織が引き上げられ、輪郭の変化が期待できます。ほうれい線の改善については、頬の脂肪が組織ごと引き上げられることで、深くなったほうれい線が浅くなりやすくなる傾向があります。マリオネットラインへのアプローチについては、切開幅の大きいプランを選択した場合、口元からマリオネットラインにかけてのたるみにも対応できます。そして全体的な若々しい印象の変化として、顔全体の組織が正しい位置に近づくことで、印象の変化が期待できます。
SMASフェイスリフトの効果はどのくらい持続するか

「フェイスリフトをしても、すぐに元に戻ってしまうのでは?」という疑問を持つ方は少なくありません。SMASフェイスリフトの持続性について正確に理解することは、施術を検討するうえでとても重要です。
糸リフトと比較した特徴
糸リフト(スレッドリフト)は、溶ける素材の糸を皮下に挿入して皮膚を引き上げる方法です。身体への侵襲が少なく気軽に受けられる一方、糸が溶けるにつれて効果が薄れていくため、一般的に持続期間は1〜2年程度とされています。
一方、SMASフェイスリフトはSMAS層を直接剥離・固定するため、施術の効果が組織レベルで持続しやすいとされています。皮膚だけを縫合するのではなく、顔の深い層そのものにアプローチするため、比較的後戻りしにくい傾向があるとされています。一般的に、SMAS層にアプローチするフェイスリフトは長期的な変化の持続が報告されていますが、どの程度持続するかは年齢・皮膚の状態・術式・生活習慣などにより個人差が大きく、一概には言えません。
もちろん、加齢による変化は施術後も続きます。ただし、SMASフェイスリフトを受けることで変化のペースが緩やかになる傾向があると言われており、フェイスラインの戻りが比較的遅いのが特徴とされています。
効果の持続に影響する要因
効果の持続期間には、個人の年齢・皮膚の弾力・たるみの進行度・生活習慣などが影響します。日常的な紫外線対策、保湿ケア、体重の大きな増減を避けることが、施術後の状態を良好に保つために有効とされています。また、必要に応じてハイフ(HIFU)などのメンテナンス治療を組み合わせることで、より長期にわたって状態を維持しやすくなります。
フェイスリフトの種類とSMASアプローチの比較

たるみ治療には様々な方法があります。それぞれの特徴を正しく把握することで、自分に合った選択がしやすくなります。
代表的な施術の特徴を比較すると以下のとおりです。
| 施術方法 | アプローチ層 | 持続期間の目安 | ダウンタイムの目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| SMAS法フェイスリフト | 皮膚+SMAS層 | 数年〜10年前後※ | 大まかな回復:1〜2週間目安/仕上がりの完成:2〜6ヶ月 | SMAS層へのアプローチ、比較的後戻りしにくい傾向 |
| 皮膚切除術 | 皮膚のみ | 数年 | 1〜2週間程度 | 皮膚を直接切除・縫合する方法 |
| MACSリフト | 皮膚+SMAS一部 | 数年 | 1〜2週間程度 | 比較的低侵襲なSMAS処理 |
| 糸リフト(スレッドリフト) | 皮下組織 | 1〜2年程度 | 数日〜1週間 | 切開不要、気軽に受けやすい |
| HIFU(ハイフ) | 皮下〜SMAS層 | 6ヶ月〜1年程度 | ほぼなし | 熱エネルギーで引き締め、切開不要 |
※ 国内外の報告では7〜10年以上の変化持続を示すデータもありますが、年齢・皮膚の状態・術式・生活習慣などにより個人差が大きく、一概には言えません。
※ 効果の持続期間・回復日数には個人差があります。施術方法によって異なる場合もあるため、詳細は担当医師にご確認ください。
SMASフェイスリフトを選ぶ際に知っておきたいこと
SMAS法は、SMAS層を直接剥離・固定する点で、ほかのたるみ治療と比較して深い層へのアプローチが可能な方法です。一方で、切開を伴う外科手術のため、他の方法と比べてダウンタイムや費用の負担が大きく、切開に伴う傷跡のリスクも伴います。必ず他の治療法との違いを医師と相談したうえで選択することが大切です。
SMASフェイスリフトのダウンタイムとリスク

手術を検討するうえで、ダウンタイムとリスクについて正確に知ることは欠かせません。SMASフェイスリフトは外科的な手術であるため、術後には一定の回復期間が必要です。
術後の経過と回復の目安
一般的に、SMASフェイスリフト後の経過はおおよそ以下のような流れをたどることが多いです。ただし、個人差がありますので、あくまで参考としてご覧ください。
術直後〜1週間は、腫れや内出血が生じやすい時期です。腫れのピークは術後3日目前後で、徐々に落ち着いていきます。1〜2週間後には腫れが引き始め、日常生活に戻れる方も増えてきます。1〜2ヶ月後には腫れが概ね解消されて自然な状態に近づき、変化を実感しやすくなります。そして術後2〜6ヶ月ほどかけて最終的な仕上がりが完成し、傷跡も時間の経過とともに薄くなっていきます。
傷跡を目立ちにくくするには術後の紫外線対策が重要です。傷に日光が当たると色素沈着が起きやすいため、外出時はしっかりとUVケアを行うことが推奨されます。
起こりうる副作用・合併症
SMASフェイスリフトに限らず、外科手術には副作用や合併症のリスクが伴います。術後には腫れ・内出血・痛み・むくみが生じる可能性があり、多くの場合は時間の経過とともに改善されます。傷跡については、耳周りのシワや髪の生え際に沿って切開を行うことで目立ちにくく設計されていますが、完全に消えるわけではありません。
稀ではありますが、顔面神経の一時的なダメージや、感覚の変化(しびれ・引きつり感など)が生じることもあります。また、左右差・引きつれ感・切開線周辺の一時的な発毛の変化なども報告されています。
そのほか、感染・血腫(術後の出血が組織内にたまる状態)・傷跡の盛り上がり(瘢痕肥厚)・ごくまれに永久的な神経障害などのリスクも報告されています。経過によっては再手術が必要になる場合もあります。これらのリスクについては、必ず術前の診察時に医師から詳しい説明を受けてください。
こうしたリスクは、医師の技術力と解剖学的な知識に大きく依存します。十分な経験を持つ医師が執刀することで、リスクを最小限に抑えやすくなります。
SMASフェイスリフトが向いている人・向いていない人

SMASフェイスリフトはすべての方に適切な施術とは限りません。自分に適応があるかどうかを事前に把握することで、カウンセリングがよりスムーズになります。
施術を検討したい方の特徴
次のようなお悩みや状況に当てはまる場合、SMASフェイスリフトが選択肢となり得ます。頬や顎まわりのたるみが顕著で、スキンケアや注入治療では変化が不十分と感じている方、ほうれい線・マリオネットラインなどたるみによる深いシワが気になる方、糸リフトを受けたことがあるが効果の持続に物足りなさを感じている方、長期的な変化の維持を希望する方などが挙げられます。年齢については、30代後半〜60代と幅広い方に適応がありますが、重要なのは年齢よりも「たるみの進行度」です。
慎重な検討が必要なケース
一方、次のような場合には施術を見送るか、担当医師と十分に相談することが重要です。
妊娠中・授乳中の方は、原則として施術をお受けいただけません。また、ケロイド体質の方は傷跡が盛り上がるリスクが高くなる可能性があるため、事前に医師へご相談ください。
重篤な持病(心疾患・高血圧・糖尿病など)がある方は、手術のリスクが高まる場合があります。血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬・抗血小板薬など)を服用中の方は、出血リスクへの配慮が必要です。喫煙習慣がある方は、創傷の治癒が遅れやすく傷跡の経過に影響することがあるため、術前からの禁煙が推奨されます。また、たるみの程度が軽度の方も、まずは医師のカウンセリングで現状の評価を受けることをおすすめします。
SMASフェイスリフトの施術の流れ

手術を受ける前に、どのような流れで施術が進むのかを把握しておくと、不安の軽減につながります。
カウンセリングから施術当日まで
まず医師による診察・カウンセリングが行われます。お顔の状態(たるみの程度・骨格・皮膚の状態など)を診察し、適切な施術プランをご提案します。リスクや費用についても丁寧な説明があります。「何が自分に必要か分からない」という方でも、医師と一緒に考えていただける時間が設けられています。
施術内容と費用に同意が得られたら、術前の準備(血液検査など、必要に応じた検査や薬の確認)を行います。手術当日の施術時間はおよそ60〜80分程度です。局所麻酔または静脈麻酔(うとうとした状態になる麻酔)を使用し、耳の前後の皮膚を切開してSMAS層を剥離・引き上げ、余分な皮膚を切除したのち縫合します。
術後の経過観察について
術後は1週間後・1ヶ月後・2ヶ月後に経過観察のためのご来院が必要です。術後の経過について気になることがあれば、LINEで医師に直接相談できる体制が整っているクリニックもあるため、遠方の方も安心して受診できます。
シャワー・洗顔・メイクは手術当日からOKというケースもありますが、術後の制限事項は施術内容やクリニックによって異なります。あらかじめカウンセリングで確認しておきましょう。固定バンドやドレーンを使用しない術式を採用しているクリニックでは、術後の圧迫感が少なく日常生活への早期復帰が可能な点も特徴です。
クリニック・医師選びのポイント

SMASフェイスリフトは高度な技術を要する外科手術です。仕上がりの自然さや安全性に大きく影響するため、クリニック・医師選びは慎重に行いましょう。
確認すべき医師の実績と技術
まず確認したいのが、担当医師の手術実績と専門性です。美容外科や形成外科としての経験年数、フェイスリフト・リフトアップ手術の症例数などを事前に確認しておくことが大切です。顔面の解剖学に精通していることは、顔面神経損傷などのリスクを低減するうえで非常に重要です。
また、医師が診察からカウンセリング・施術まで一貫して担当してくれるかどうかも重要なポイントです。患者様の状態に応じた治療内容を率直に説明してくれる環境かどうかも見極めましょう。
カウンセリングで押さえておきたい質問
カウンセリングには積極的に疑問を持参することをおすすめします。「自分の状態に合った施術内容はどれか」「ダウンタイムはどのくらいになるか」「術後のリスクとして特に注意すべき点は何か」「術後のアフターケア体制はどうなっているか」といった点を確認しておくと、安心して施術に臨めます。
福岡天神美容クリニックのFTB式SMASフェイスリフトでは、患者様の状態に応じた治療提案を重視し、医師が診察から施術まで一貫して対応する体制をとっています。初めての方や迷っている方も、医師と一緒に考えていただける時間が確保されています。
SMASフェイスリフトに関するよくある質問

SMASフェイスリフトについて患者さまからよくいただく疑問をまとめました。施術を検討する際の参考にしてください。
Q:施術後、すぐに仕事に戻れますか?
腫れや内出血の程度には個人差があります。翌日から日常生活が可能な方もいますが、人前に出るお仕事の方は、術後1〜2週間程度を目安にスケジュールを調整しておくと安心です。
Q:糸リフトとどちらが向いていますか?
たるみの程度と希望するダウンタイムによって異なります。大きなたるみがあり長期的な変化の持続を希望する場合はSMASフェイスリフト、ダウンタイムを最小限に抑えたい場合や補助的なリフトアップを希望する場合は糸リフトが選択肢となります。どちらが適切かは、医師が診察のうえでご提案します。
Q:手術の傷跡はどうなりますか?
切開線は耳の周りや髪の生え際に沿って入れるため、時間の経過とともに目立ちにくくなる傾向があります。術後の紫外線対策と丁寧なケアにより、傷跡の落ち着きを早めることが期待できます。
Q:麻酔の種類は何ですか?
多くの場合、局所麻酔または静脈麻酔(軽い鎮静状態になる麻酔)で行います。麻酔の種類はクリニックや施術内容によって異なりますので、カウンセリング時に確認しておきましょう。
Q:施術後の後悔を防ぐために大切なことは?
術前に医師との十分な対話を行い、希望と現実的な効果のすり合わせをしっかりと行うことが重要です。信頼できる医師のもとで、リスクや術後経過について正確に理解したうえで施術を受けることが、満足度を高めるうえで欠かせません。気になることはカウンセリングの場で遠慮なく質問してみてください。
まとめ

SMASフェイスリフトは、顔の深い層であるSMAS層に直接アプローチすることで、たるみの改善が期待できる手術です。皮膚だけを引き上げる方法と比較して比較的後戻りしにくい傾向があり、自然で若々しい印象を維持しやすいとされている点が特徴です。ただし外科手術であるため、ダウンタイムや費用の負担が大きく、感染・血腫・神経障害などのリスクも伴います。効果には個人差があり、施術についての正しい理解と、経験豊富な医師のもとでの施術が不可欠です。
施術を検討されている方は、まず信頼できる医師のカウンセリングを受け、自分の状態や希望に合ったプランを相談することから始めてみてください。
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記事執筆:福岡天神美容クリニック 院長 小林 直樹
小顔・輪郭専門医として、ダウンタイムを最小限に抑えた施術に注力。糸リフト、脂肪吸引、切開リフトなどで「腫れにくさ」「自然な仕上がり」を追求してきました。
これまでに顔の脂肪吸引だけで累計4,500件以上、総症例数は1万件超を経験。2024年には年間脂肪吸引症例数 日本一を獲得するなど、豊富な実績に裏打ちされた確かな技術を持ちます。
また、二重整形やくまとり、眉下切開、たれ目形成などの目元治療、ヒアルロン酸・ボトックス注入などの若返り治療も得意分野。丁寧なカウンセリングと万全のアフターフォローで、患者様一人ひとりに寄り添った美容医療を提供しています。
「安心して任せられる美容医療」を信条に、理想の美しさと満足をお届けいたします。
【所属学会】
・日本美容外科学会(JSAS)
・アラガンボトックス認定医
・ジュビダームビスタ認定医



