糸リフトを何度か受けてきたものの「半年から1年で元に戻ってしまう」「以前ほど引き上がらなくなった気がする」と感じている方は少なくありません。
ハイフ(高密度焦点式超音波)を定期的に続けていても、フェイスラインや口元のたるみが思うように改善しないというお悩みもよく聞かれます。
こうしたとき、多くの方が次の選択肢として検討するのが切開リフト(フェイスリフト)です。
皮膚だけでなく、たるみの土台となるSMAS(表在性筋膜:皮膚と表情筋の間にある膜状の組織)まで直接引き上げる施術で、効果の持続には個人差があるものの、数年単位での持続が期待できる場合があります。
ただ、いざ切開リフトを調べ始めると「ロング」「エクストラロング」といった切開幅(切開の範囲)の選択肢が出てきて、どちらを選べばよいのか迷ってしまう方が多いのも事実です。
切開幅は、たるみの解消できる範囲・傷跡の位置・ダウンタイムのすべてに関わる重要な要素であり、ここを理解せずに施術を決めてしまうと「思っていた部位のたるみが取れなかった」というミスマッチが起こりかねません。
そこで本記事では、切開リフトの切開幅という観点から、ロングとエクストラロングの違い、それぞれが対応できるたるみの範囲、そして自分に合った切開幅をどう判断すればよいのかを、解剖学的な根拠とともに整理して解説します。
糸リフトとの長期的なコスト比較や、福岡天神美容クリニックでの切開幅の考え方についても触れていきます。
【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹
切開リフトの「切開幅」とは何か

切開リフトの切開幅とは、こめかみから耳の前、耳の後ろにかけてどの範囲まで皮膚を切開し、SMAS層を剥離(はくり:皮膚や組織を下の層から丁寧に剥がすこと)して引き上げるかという「施術範囲」を指します。
切開幅が変わると、引き上げられる組織の範囲が変わり、結果として改善できるたるみの部位も変わります。
まずは切開リフトそのものの仕組みと、なぜ切開幅が仕上がりを左右するのかを押さえておきましょう。
切開リフト(SMASフェイスリフト)の基本的な仕組み
切開リフトは、耳の前後の生え際に沿って皮膚を切開し、たるんだ皮膚とその下のSMAS層を引き上げて余分な皮膚を切除する外科的なリフトアップ手術です。
一般的にSMASフェイスリフトとも呼ばれ、加齢によって下垂した顔の組織を、土台ごと本来の位置に戻すイメージの施術です。
ポイントは、皮膚だけを引っ張るのではなく、SMAS層を同時に処理する点にあります。
皮膚のみを強く引っ張る方法では、皮膚に過度な張力(引っ張る力)がかかって不自然な突っ張りや傷跡の広がりにつながりやすく、しかも皮膚は伸びる性質があるため後戻りも早くなります。
SMASという「顔の土台」を引き上げることで、自然な表情を保ちながら、長期的なたるみの改善が期待できるのが切開リフトの特徴です(効果や持続期間には個人差があります)。
「切開幅」が仕上がりと解消範囲を左右する理由
たるみは顔全体で均一に進むわけではなく、目元・頬・ほうれい線・口元(マリオネットライン)・フェイスラインといった部位ごとに進行度が異なります。
切開幅を広げてSMASを剥離・引き上げる範囲を広くするほど、より下方(口元や顎のライン)までしっかりとアプローチできるようになります。
逆に言えば、口元のたるみが強い方に対して切開幅の狭い術式を選ぶと、頬の上部は持ち上がっても、肝心の口元の改善が不十分に終わることがあります。
切開幅は単に「大きく切るか小さく切るか」という話ではなく、「どこのたるみを、どこまで引き上げたいか」という治療デザインそのものに直結する選択なのです。
なぜ糸リフトやハイフでは物足りなくなるのか

切開幅の話に入る前に、そもそもなぜ糸リフトやハイフだけでは満足できないケースがあるのかを、顔の構造から理解しておくと、切開リフトという選択の意味が見えてきます。
たるみがどの層で起きているのかを知ることが、自分に必要な施術範囲を判断する第一歩になります。
顔のたるみは「皮膚・脂肪・SMAS」の三層構造で進む
顔のたるみは、大きく分けて皮膚・皮下脂肪・SMAS(およびその下の表情筋)という三つの層が、加齢とともに同時にゆるんで下垂することで起こります。
表層の皮膚はコラーゲンやエラスチンが減少して弾力を失い、たるみやシワとして現れます。
その下の皮下脂肪は、量が減ったり位置が下方へ移動したりすることで、ほうれい線やマリオネットラインを深くします。
そして最も深い層にあるSMASがゆるむと、顔全体の組織を支える力が弱まり、フェイスラインの輪郭がぼやけていきます。
つまり、表面的なシワやハリだけの問題ではなく、土台であるSMASのゆるみこそが、フェイスラインや口元のたるみの根本原因になっているケースが多いのです。
SMAS(表在性筋膜)とリガメント(支持靭帯)の役割
SMAS(表在性筋膜:皮膚と表情筋の間に広がる薄い膜状の組織)は、顔の皮膚や脂肪を下から支えるハンモックのような役割を担っています。
このSMASがしっかりしていれば顔の組織は本来の位置に保たれますが、加齢でゆるむと全体が下へ垂れ下がります。
さらに、顔にはリガメント(支持靭帯:皮膚やSMASを骨や深部組織につなぎ留めている線維性の組織)と呼ばれる「固定ポイント」が複数存在します。
リガメントは若いうちは組織をしっかり引き止めていますが、加齢とともにその固定が緩み、組織が下垂する原因の一つになります。
切開リフトでは、必要に応じてこのリガメントを処理しながらSMASを引き上げることで、土台から無理なくリフトアップを行います。
糸リフト・ハイフがアプローチできる層の限界
糸リフトは、溶ける糸やコグ(とげ状の突起)の付いた糸を皮下脂肪層に挿入し、組織を引っ掛けて引き上げる施術です。
手軽でダウンタイムが短い一方で、アプローチするのは主に皮下脂肪の層であり、土台であるSMASを直接引き上げているわけではありません。
そのため、たるみが強い方や皮膚のゆるみが大きい方では効果を感じにくく、持続期間も比較的短くなりやすい傾向があります。
ハイフは、超音波の熱エネルギーをSMASの深さに当てて引き締めを促す施術で、切らずに受けられる点が魅力です。
ただし熱による引き締め(コラーゲンの収縮)が中心であり、ゆるんで余ってしまった皮膚そのものを取り除くことはできません。
これらの施術が悪いというわけではなく、たるみの初期段階や予防的なケアには十分に役立ちます。
一方、すでに皮膚やSMASのゆるみが進行している場合には、物理的に組織を引き上げて余分な皮膚を切除できる切開リフトが選択肢に入ってきます。
糸リフト・ハイフ・切開リフトはそれぞれアプローチする層や特徴が異なるため、どの施術が適しているかは、たるみの状態や目的に応じて選ぶことが大切です。
ロングとエクストラロングの違い

切開リフトの切開幅には、施設によって呼び方や区分の違いはありますが、福岡天神美容クリニックでは「ロング」と「エクストラロング」という2つの範囲から選べる設計になっています。
この2つは切開と剥離の範囲、そして対応できるたるみの部位が明確に異なります。
ここではそれぞれの特徴を整理します。
ロング:耳珠軟骨までの切開で中顔面のたるみに対応
ロングは、切開・剥離の範囲を耳珠軟骨(じじゅなんこつ:耳の穴の前にある小さな出っ張りの軟骨)までとする切開幅です。
対応できるのは、主に目元から顔の中央(中顔面)にかけてのたるみです。
頬の上部から中央のもたつき、頬のたるみによってできる影、目元の下のゆるみなどが気になる方に適しています。
切開・剥離の範囲がエクストラロングより限定されるため、組織への負担が比較的少なく、腫れやダウンタイムを抑えやすいという側面もあります。
「口元はそれほど気にならないが、頬の中央のたるみをしっかり引き上げたい」という方に向いた範囲です。
エクストラロング:耳下までの切開で口元・マリオネットラインまで対応
エクストラロングは、切開・剥離の範囲を耳下まで広げる切開幅です。
対応範囲は、目元からほうれい線、そして口元(マリオネットライン:口角から顎にかけて下に伸びるたるみのライン)までと、中顔面から下顔面までを広くカバーします。
ほうれい線の深さ、口元の重たさ、フェイスラインの輪郭のぼやけなど、顔の下半分のたるみが気になる方に適した範囲です。
剥離する範囲が広くなる分、ロングと比べると組織への負担はやや大きくなりますが、その分だけ口元から顎ラインまで一度にしっかり引き上げられるのが利点です。
「糸リフトでは口元のたるみが取りきれなかった」という方が、エクストラロングを選ぶケースは少なくありません。
ロングとエクストラロングの比較表
2つの切開幅の違いを整理すると、次のようになります。
実際にどちらが適しているかは、たるみの位置と進行度によって変わります。
| 比較項目 | ロング | エクストラロング |
|---|---|---|
| 切開・剥離の範囲 | 耳珠軟骨まで | 耳下まで |
| 主な対応部位 | 目元〜顔の中央(中顔面)のたるみ | 目元〜ほうれい線〜口元(マリオネットライン)まで |
| 向いている方 | 頬の中央のたるみを引き上げたい方 | 口元・フェイスラインまで広く改善したい方 |
| 組織への負担・ダウンタイム | 比較的抑えやすい | 範囲が広い分やや大きくなる傾向 |
| 引き上げ範囲のイメージ | 中顔面中心 | 中顔面から下顔面まで |
切開幅が広いほど良い、というわけではありません。
重要なのは、自分のたるみがどこにあり、どこまで改善したいのかと、切開幅が対応する範囲を一致させることです。
切開幅はどう選ぶ?選び方の判断基準

ロングとエクストラロングのどちらを選ぶかは、見た目の好みではなく、医学的な評価に基づいて決めるべき部分です。
ここでは、医師がどのような観点から切開幅を判断しているのか、その基準を解説します。
最終的な判断は診察を経て医師と相談して決めるものですが、考え方を知っておくとカウンセリングでの理解が深まります。
たるみの「位置」と「進行度」で決まる
切開幅を選ぶうえで最も基本になるのが、たるみがどの位置にあり、どの程度進行しているかという評価です。
たるみが頬の中央付近にとどまっている場合はロングで対応できることが多く、ほうれい線より下、口元やマリオネットラインまでたるみが及んでいる場合はエクストラロングが必要になりやすい、という考え方が軸になります。
注意したいのは、鏡で自分を見たときの印象と、実際の組織の下垂範囲が必ずしも一致しないことです。
たとえば「ほうれい線が気になる」と感じていても、その原因が頬の脂肪の下垂にある場合と、口元のSMASのゆるみにある場合とでは、必要な切開幅が変わってきます。
だからこそ、医師による直接の診察が欠かせません。
骨格・脂肪のつき方・皮膚の状態を踏まえる
同じ年齢・同じ程度のたるみでも、骨格や脂肪のつき方、皮膚の厚みや弾力によって最適な切開幅は変わります。
頬骨の張り出し方、顎のラインの形、皮下脂肪の量と位置などを総合的に評価し、引き上げたときにどのような輪郭になるかを見極めたうえで切開幅を決めます。
たとえば皮膚のゆるみが大きく余剰皮膚が多い方では、しっかり皮膚を切除できる範囲が必要になり、結果としてエクストラロングが向くことがあります。
一方で、たるみは中顔面中心で皮膚の余りが限定的な方では、ロングでも十分に効果が得られる場合があります。
仕上がりには個人差があり、画一的に決められるものではありません。
引き上げ方向(ベクトル)の設計と切開幅の関係
切開リフトでは、組織をどの方向へ引き上げるか(引き上げベクトル)の設計が仕上がりを大きく左右します。
引き上げる方向が外側に寄りすぎると、頬骨が強調されたり、不自然に横へ広がった印象になったりすることがあります。
逆に、斜め上方向へ適切に引き上げると、自然なリフトアップにつながります。
切開幅は、この引き上げベクトルを実現するための前提条件でもあります。
口元まで自然な角度で引き上げたい場合には、それに見合った範囲の剥離が必要になり、エクストラロングが選択されることがあります。
切開幅とベクトル設計はセットで考えるものであり、経験豊富な医師ほど、この二つを連動させて治療をデザインします。
切開幅による傷跡・ダウンタイムの違い

切開幅を検討するうえで、多くの方が気にされるのが傷跡とダウンタイムです。
切開する範囲が変われば、傷の位置や回復までの期間にも違いが出ます。
ここでは傷跡のデザインの考え方と、ダウンタイムの目安を整理します。
なお、回復の経過には個人差があります。
切開線のデザインと傷跡の目立ちにくさ
切開リフトの傷跡は、耳の前後のシワや髪の生え際など、もともと目立ちにくい位置に沿ってデザインされます。
耳周りの自然なラインに切開線を隠すことで、時間の経過とともに傷が肌になじんでいきます。
目立ちにくくなっていくことが多いとされますが、傷跡の残り方や治癒の経過には個人差があります。
切開幅が広いエクストラロングでは切開線も長くなりますが、その多くは耳の後ろや髪の中に隠れる位置に設計されるため、正面から見て傷が目立つわけではありません。
傷跡の仕上がりは、切開線のデザインに加えて、剥離の丁寧さや縫合の技術にも左右されます。
傷跡の完成までには数ヶ月かかり、その間は紫外線対策など適切なケアを続けることが、きれいな治癒につながります。
切開幅とダウンタイム・リスクの関係
一般的に、剥離する範囲が広くなるほど、腫れや内出血といったダウンタイムの症状はやや出やすくなる傾向があります。
エクストラロングはロングよりも範囲が広いため、回復にかかる期間が長めになる可能性があります。
ただし、腫れや内出血の程度は術式や剥離の方法、術後の固定方法によっても大きく変わります。
切開リフトで考えられるリスク・副作用としては、腫れ、内出血、つっぱり感や違和感、左右差、まれに顔面神経への影響(一時的な動かしにくさやしびれ)、血腫、感染などが挙げられます。
顔面神経への影響は一時的なものが多いとされますが、まれに回復まで時間がかかる場合もあります。
これらの多くは時間の経過とともに落ち着いていきますが、施術を受ける際は、起こりうるリスクについて事前に医師から十分な説明を受けることが大切です。
なお、すべての方が切開リフトを受けられるわけではありません。
妊娠中・授乳中の方、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を服用している方、糖尿病など傷の治癒や感染に関わる基礎疾患のある方などは、施術が適さない場合や、事前の調整・主治医との相談が必要になる場合があります。
持病・服用中の薬・アレルギーがある方は、カウンセリングの際に必ず医師に申告し、適応の可否を含めて確認してください。
最終的な適応は医師の診察によって判断されます。
ダウンタイムの経過の目安
切開リフト後のダウンタイムの一般的な経過の目安は次のとおりです。
あくまで目安であり、回復のスピードには個人差があります。
| 時期 | 主な状態の目安 |
|---|---|
| 施術当日 | 腫れや軽い痛み、つっぱり感が出やすい時期 |
| 術後2〜3日 | 腫れや内出血のピークを迎えやすい時期 |
| 術後1週間 | 腫れが少しずつ落ち着き始める時期 |
| 術後2週間 | 内出血が引いてきて日常になじみやすくなる時期 |
| 術後1ヶ月 | 大きな腫れが落ち着き、自然な状態に近づく時期 |
| 術後3〜6ヶ月 | 傷跡の赤みが引き、仕上がりが完成に向かう時期 |
腫れのピークは術後3日目前後とされることが多く、1〜2ヶ月でかなり自然な状態に近づきます。
固定バンドやドレーン(術後にたまる血液や浸出液を排出する管)を使わない術式では、術後の圧迫感が少なく、日常生活への復帰がスムーズになりやすいという利点もあります。
切開リフトと糸リフトのコスト・効果を長期で比較する

切開リフトを検討する際、「糸リフトのほうが1回は安い」という点で迷う方が多くいます。
しかし、効果の持続期間まで含めて長期的に見ると、印象は変わってきます。
ここでは具体的な金額ではなく、考え方のロジックとしてコストを比較します。
費用はクリニックや施術内容によって変動するため、実際の金額は各院でご確認ください。
1回あたりの費用と効果持続期間の考え方
糸リフトは1回あたりの費用が切開リフトより抑えられることが多い一方で、効果の持続期間は一般的に1〜2年程度とされます。
たるみの進行や生活習慣によっては、より早く戻りを感じる方もいます。
そのため、効果を維持するには定期的に施術を繰り返す必要が出てきます。
切開リフトは1回あたりの費用は糸リフトより高くなりますが、皮膚とSMASの両方にアプローチするため、効果は数年単位で持続するとされています。
1回の費用だけを比べるのではなく、「その効果が何年続くのか」を合わせて考えることが、適切な比較の出発点になります。
10年単位で見た「生涯コスト」の比較ロジック
仮に10年というスパンで考えてみましょう。
糸リフトを定期的に繰り返す場合、回数を重ねるごとに費用が積み上がり、そのたびにダウンタイムや通院の手間も発生します。
一方、切開リフトは1回の施術で長期間の効果が期待できるため、長い目で見ると施術回数そのものを減らせる可能性があります。
| 比較の観点 | 糸リフトを繰り返す場合 | 切開リフト |
|---|---|---|
| 1回あたりの費用 | 比較的抑えられる | 糸リフトより高め |
| 効果の持続期間 | おおむね1〜2年程度 | 数年単位で持続 |
| 10年間での施術回数の目安 | 複数回の繰り返しが必要になりやすい | 回数を抑えられる可能性がある |
| ダウンタイムの累計 | 施術ごとに繰り返し発生 | 1回分に集約しやすい |
| 通院・予約の累計回数 | 施術のたびに必要 | 1回の施術周期に集約しやすい |
このように、目先の1回の費用ではなく、効果の持続期間・ダウンタイムの累計・通院回数までを含めた「生涯コスト」という視点で比べると、印象が変わることがあります。
糸リフトと切開リフトはそれぞれ特徴が異なり、どちらが適しているかは、たるみの程度やライフスタイル、優先したいことによって変わります。
一概にどちらが良いとは言えないため、比較の軸を「1回の価格」だけに置くのではなく、「長期の総コスト」もあわせて検討することをおすすめします。
切開幅を活かす術式と併用治療

切開幅を選んだうえで、実際にどのようにSMASを処理し、必要に応じて他の施術を組み合わせるかも、仕上がりを左右します。
ここでは切開リフトの代表的なアプローチと、併用によってフェイスラインをさらに整える方法を解説します。
SMAS層へのアプローチ方法
切開リフトのSMAS処理にはいくつかの方法があります。
SMASを引き上げて固定するSMAS法、リガメントを処理しながら土台ごと引き上げる方法、深い層で組織を再配置する術式など、たるみの状態や目指す仕上がりによって使い分けられます。
いずれの方法でも共通するのは、皮膚を強く引っ張って整えるのではなく、SMASという土台を適切な方向へ引き上げることで、自然な表情を保ちながら長期的な効果を狙うという考え方です。
どの術式が適しているかは、切開幅と同様に、骨格や脂肪のつき方、たるみの範囲を踏まえて医師が判断します。
脂肪吸引・糸リフトとの併用でフェイスラインを整える
切開リフトは単独でも効果が高い施術ですが、必要に応じて他の施術と組み合わせることで、フェイスラインをよりシャープに整えられます。
たとえば、顎下や頬に余分な脂肪がついている場合は脂肪吸引を併用することで、引き上げと同時にもたつきを減らせます。
また、切開リフトと糸リフトを組み合わせるアプローチもあります。
SMASを切開リフトで土台から引き上げ、糸リフトで皮膚側の引き上げを補助することで、全体のバランスを整える狙いです。
こうした併用は、切開幅の選択と合わせて、一人ひとりのたるみの状態に応じてデザインされます。
福岡天神美容クリニックの切開リフト

ここまで切開幅の考え方を解説してきましたが、実際の施術は、切開幅の選択肢が用意されているか、そして誰がどのように担当するかによって、満足度が大きく変わります。
福岡天神美容クリニックの切開リフト(FTB式SMASフェイスリフト)の特徴を紹介します。
ロング・エクストラロングから選べる2つの切開幅
福岡天神美容クリニックの切開リフトでは、本記事で解説してきたロング(耳珠軟骨まで)とエクストラロング(耳下まで)の2つの切開幅から選べる設計になっています。
目元から顔の中央のたるみを中心に整えたい方はロング、ほうれい線や口元(マリオネットライン)まで広く改善したい方はエクストラロングというように、たるみの範囲に応じて施術範囲を調整できます。
どちらの切開幅が適しているかは、お悩みの状態とご要望を踏まえ、仕上がりと効果のバランスを重視して医師が丁寧に説明します。
施術の詳細や対応範囲については、FTB式SMASフェイスリフトのページで確認できます。
固定バンド・抜糸不要で負担を抑える術式
福岡天神美容クリニックの切開リフトは、固定バンドやドレーンを使用せず、抜糸も不要とする方法で行われます。
剥離の方法や術式は、組織への負担に配慮して構成されており、術後の圧迫感や不快感の軽減を目的としています。
ただし、腫れ・内出血・痛みの程度や出方には個人差があります。
固定バンドを使用しないため術後の見た目の負担が少なく、洗顔やメイクなどの再開時期には個人差はあるものの、日常生活に戻りやすい設計です。
抜糸のための通院が不要なため、スケジュールを組みやすい点も特徴の一つです。
なお、施術の方法や使用する処置は、患者様の状態に応じて医師が判断します。
院長が一貫して担当するカウンセリングと執刀
福岡天神美容クリニックでは、カウンセラー制度を設けず、医師によるカウンセリングを行っています。
切開幅の選択のように、たるみの評価と治療デザインが密接に関わる施術では、診察・カウンセリングから手術、その後の経過観察までを同じ医師が一貫して担当することに大きな意味があります。
院長はこれまで数多くの小顔・リフトアップ手術を担当してきた経験を持ち、顔の解剖を踏まえて一人ひとりの骨格や脂肪のつき方に合わせたデザインを行います。
画一的な対応ではなく、一日の手術件数を限定し、診察から施術、経過観察まで一貫して対応する体制を整えています。
切開リフトのように精度が求められる施術では、こうした体制も医師選びの一つの判断材料になります。
切開リフトの施術の流れ

切開幅を決めたあと、実際の施術がどのように進むのかを知っておくと、当日のイメージがしやすくなります。
福岡天神美容クリニックでの一般的な流れは次のとおりです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 診察・カウンセリング | 医師がたるみの状態を診察し、切開幅(ロング/エクストラロング)を含む治療方針を説明 |
| お会計 | 施術内容の確認とお手続き |
| 施術 | 麻酔のうえ、選択した切開幅でSMASフェイスリフトを実施(施術時間の目安は60〜80分) |
| 経過観察 | 1週間後・1か月後・2か月後などに来院し、経過を確認 |
抜糸が不要なため、抜糸のための通院は組み込まれていません。
経過観察では腫れや傷の状態を確認し、必要に応じてケアのアドバイスを行います。
施術前には、起こりうるリスクや術後の過ごし方についても説明を受けたうえで施術に進みます。
切開リフトの切開幅に関するよくある質問

最後に、切開幅に関してよく寄せられる質問にお答えします。
個別の判断は診察によって変わるため、詳しくはカウンセリングでご相談ください。
ロングとエクストラロングは自分で選べますか
ご希望を伝えることはできますが、最終的には医師がたるみの位置や進行度、骨格や皮膚の状態を診察したうえで、適した切開幅を提案します。
ご要望と医学的な評価をすり合わせて決めていくのが基本です。
希望する仕上がりがある場合は、カウンセリングで具体的に伝えるとよいでしょう。
切開幅が広いほど効果は高いのですか
一概にそうとは言えません。
切開幅は「対応できるたるみの範囲」を決めるものであり、たるみが中顔面中心の方にとってはロングで十分な効果が得られることもあります。
大切なのは、自分のたるみの範囲と切開幅の対応範囲を一致させることです。
範囲を超えて広く切開しても、必ずしも満足度が上がるわけではありません。
切開幅によって傷跡の目立ちやすさは変わりますか
エクストラロングのほうが切開線は長くなりますが、その多くは耳の後ろや髪の中など目立ちにくい位置にデザインされます。
傷跡の目立ちにくさは切開幅だけでなく、切開線のデザインや縫合の技術、術後のケアにも左右されます。
傷跡の赤みは数ヶ月かけて徐々に引いていきます。
糸リフトの経験がありますが、切開リフトは受けられますか
糸リフトの経験がある方でも切開リフトを検討することは可能です。
糸リフトを繰り返しても効果が物足りなくなってきた方が、より持続的な改善を求めて切開リフトを検討するケースもあります。
過去の施術歴は仕上がりに影響することがあるため、カウンセリングで必ず医師に伝えてください。
ダウンタイムはどのくらい見ておけばよいですか
腫れのピークは術後3日目前後で、1〜2ヶ月でかなり自然な状態に近づくのが一般的な目安です。
固定バンドやドレーンを使わない術式では日常生活への復帰が早まりやすい傾向がありますが、回復のスピードには個人差があります。
大切な予定がある場合は、余裕をもったスケジュールを組むことをおすすめします。
何歳くらいから受ける方が多いですか
30代後半から50代以降の方が多い傾向にありますが、早めにたるみを改善したい30代の方や、さらに若々しい印象を目指す60代の方にも適応があります。
年齢そのものよりも、たるみの進行度が施術を検討する目安になります。
まとめ

切開リフトの切開幅は、ロングとエクストラロングのどちらが優れているかという話ではなく、「自分のたるみがどこにあり、どこまで改善したいか」に合わせて選ぶものです。
中顔面のたるみが中心ならロング、ほうれい線や口元まで含めて整えたいならエクストラロング、という対応範囲を理解したうえで、骨格や皮膚の状態を踏まえた医師の診断を受けることが、ミスマッチのない施術への近道になります。
糸リフトやハイフで物足りなさを感じている方は、長期的なコストと効果の持続性まで含めて、切開リフトという選択肢を一度検討してみる価値があります。
切開幅の選び方を含めた具体的な治療デザインについては、福岡天神美容クリニックのFTB式SMASフェイスリフトのページもあわせてご覧ください。
なお、本記事で解説した内容は一般的な情報であり、効果やダウンタイム、リスクには個人差があります。
実際の施術にあたっては、医師による診察を受け、起こりうるリスクや副作用について十分な説明を受けたうえでご判断ください。
美容医療の安全性に関する情報は、日本美容外科学会(JSAPS)や日本形成外科学会などの学会情報、ならびに厚生労働省の医療広告ガイドラインも参考になります。
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記事執筆:福岡天神美容クリニック 院長 小林 直樹
小顔・輪郭専門医として、ダウンタイムを最小限に抑えた施術に注力。糸リフト、脂肪吸引、切開リフトなどで「腫れにくさ」「自然な仕上がり」を追求してきました。
これまでに顔の脂肪吸引だけで累計4,500件以上、総症例数は1万件超を経験。2024年には年間脂肪吸引症例数 日本一を獲得するなど、豊富な実績に裏打ちされた確かな技術を持ちます。
また、二重整形やくまとり、眉下切開、たれ目形成などの目元治療、ヒアルロン酸・ボトックス注入などの若返り治療も得意分野。丁寧なカウンセリングと万全のアフターフォローで、患者様一人ひとりに寄り添った美容医療を提供しています。
「安心して任せられる美容医療」を信条に、理想の美しさと満足をお届けいたします。
【所属学会】
・日本美容外科学会(JSAS)
・アラガンボトックス認定医
・ジュビダームビスタ認定医






