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切開リフト(フェイスリフト)の術前注意点|服薬・禁煙・検査・当日の準備を美容外科医が解説

クリニックの待合で椅子に座り微笑む女性
目次

糸リフトやハイフを何度か受けてきた方から、当院のカウンセリングで「同じ施術を繰り返すことに疑問を感じるようになった」というお悩みをうかがうことがあります。

あくまで一般的に語られる例であり感じ方には個人差がありますが、たるみの進行度によっては、糸で組織を支持する方法やエネルギーを届ける方法だけでは満足を保ちにくいと感じる方がいらっしゃるのも事実です。

なぜ効果の感じ方に差が出るのかというと、糸リフト・ハイフと切開リフトは、優劣で比べる治療ではなく、たるみへの働きかけの仕組みそのものが異なるためです。

切開リフトは、皮膚の下にあるSMAS(表在性筋腱膜系:顔の皮下に広がる線維性・筋性の支持組織。

表情筋や首の広頸筋などと連続しており、厚みや位置関係は顔の部位によって異なります)などの支持組織を、外科的に移動・固定できる手術です。

そして、この手術で決め手になるのは手術当日の技術だけではありません。

切開リフトは皮膚を切開して剥離を行う外科手術であり、血の止まりやすさ、傷の治り方、腫れや内出血の出方は、術前の体の状態に大きく左右されます。

そこで本記事では、切開リフトを受けると決めた方に向けて、術前に確認しておくべき健康状態と検査、服用中の薬やサプリメントの扱い、禁煙・飲酒の考え方、ヘアカラーやパーマの注意点、前日から当日までの準備、そして術前に理解しておくべきリスクと禁忌までを、美容外科の視点から順を追って解説します。

【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹

切開リフト(フェイスリフト)で術前の注意点が重要になる理由

明るい院内の廊下に立つ白衣の男性医師

切開リフトの術前注意は、「クリニック側の決まりごと」ではなく、手術の安全性と仕上がりに直結する医学的な理由があって設けられています。

まずは、なぜフェイスリフトの術前準備がここまで重視されるのかを、皮膚と組織の構造から整理します。

皮膚を剥離して支持組織を動かす手術だから

切開リフト(切開を伴うフェイスリフト)は、傷跡ができるだけ目立ちにくくなるよう、こめかみから耳の周囲、生え際に沿った位置を選んで切開し、皮膚と皮下組織を剥離したうえで、SMASなどの支持組織を引き上げて固定し、余った皮膚を処理する手術です。

傷跡の残り方には個人差があり、完全に見えなくなるわけではありません。

フェイスラインや頬の下垂の改善が期待できる一方で、体への負担は他のリフトアップ治療より大きくなります。

なお、当院でご案内しているFTB式SMASフェイスリフトは、抜糸のいらないSMAS切開リフトと、体内に吸収される糸を用いるFTBリフトを組み合わせたセットメニューで、FTBリフト2本が標準で含まれます。

固定バンドの代わりに糸を用いる設計のため、固定バンドとドレーンは使用せず、抜糸も行いません。

切開の範囲は、耳珠軟骨までのロングと、耳下までのエクストラロングの2種類から、状態とご希望を踏まえて選択します。

このように、術式によって術後の固定方法や抜糸の要否は変わります。

ご自身が受ける方法の具体的な内容と、費用に含まれる範囲については、診察時に個別にご説明します。

たるみは、皮膚の伸びだけでなく、脂肪区画の位置と容量の変化、SMASを含む支持組織のゆるみ、支持靭帯(リガメント:皮膚やSMASなどの軟部組織を骨や深部に固定している線維組織)の状態、加齢に伴う骨格の変化(体積の減少など)といった複数の要因が重なって生じます。

切開リフトは、このうち支持組織に直接働きかけられる点が特徴です。

一方で、皮膚を剥離するということは、剥離された皮膚(皮弁)が周囲からの血流に頼る状態になるということでもあります。

皮弁の血流は、傷の治り方、傷跡の残り方、皮膚の色調の回復に関わります。

術前の注意事項の多くは、この血流と止血、そして創傷治癒を守るために設定されています。

出血・血腫を抑えることが術後経過を左右するから

フェイスリフトの術後合併症のなかで、比較的早期に起こりうるものとして血腫(皮膚の下に血液が溜まる状態)があります。

血腫が生じると、腫れが強くなるだけでなく、処置が必要になることもあります。

血が止まりにくい状態で手術に臨めば、術中の出血量が増え、術後の内出血や腫れも出やすくなります。

後述する抗血栓薬やサプリメントの扱い、飲酒に関する注意は、いずれもこの止血の問題に関わるものです。

顔面神経など重要な構造の近くで操作するから

顔の表情を動かす顔面神経の枝は、多くの領域ではSMASよりも深い層を走行していますが、部位によっては表層に近づく場所があります。

フェイスリフトではSMASを操作するため、術者はこうした神経の走行と危険部位を踏まえて、慎重に剥離と固定を進める必要があります。

術前に持病や既往歴、過去の手術歴が正確に共有されていれば、剥離範囲や術式の選択にその情報を反映できます。

逆に、伝えられていない情報があると、想定していなかった条件のもとで手術を進めることになります。

術前の問診が形式的な確認ではないのは、このためです。

なお、切開リフトの術式そのものや、フェイスリフトがSMASに働きかける仕組みについては、別の記事で詳しく解説しています。

術前カウンセリングで確認しておくべきこと

カウンセリングルームで向かい合って話す女性と男性医師

術前の準備は、カウンセリングの段階から始まっています。

当院では院長がカウンセリングを担当し、そのまま手術と術後の診察まで一貫して行いますが、どのクリニックで受ける場合でも、確認しておきたい項目は共通しています。

自分の状態に切開リフトが適しているか

フェイスリフトはすべてのたるみに一律に適応となる手術ではありません。

皮膚のゆるみが中心なのか、支持組織のゆるみが強いのか、脂肪の量が関与しているのかによって、適した方法は変わります。

たとえば、頬から顎下にかけて脂肪の量が多い場合には、小顔脂肪吸引との併用を検討することがあります。

また、耳前部を中心とした一般的な側方からのSMAS法は、下顔面やフェイスラインに作用しやすい一方で、目の下のくぼみや頬骨上部といった中央の中顔面については、十分に挙上できるとは限りません。

希望する変化によっては、この部分にヒアルロン酸や脂肪注入などのボリューム治療を併せて検討することがあります。

診察では、こうした作用範囲の限界も含めて説明を受け、期待する変化と実際に得られる変化のすり合わせを行っておくことが大切です。

希望と優先順位を具体的に伝える

「どこがどのように気になるのか」を具体的に伝えることは、術前準備の中でも重要な工程です。

フェイスラインのもたつきを最優先にしたいのか、首のたるみまで含めて考えたいのか、ほうれい線やマリオネットラインといった深いシワの印象を変えたいのかによって、切開範囲やSMASの処理方法は変わり、フェイスリフトで得られるリフトアップの方向や範囲も変わります。

言葉で伝えにくい場合は、気になっている状態を鏡で示しながら説明していただくと、認識のずれが起こりにくくなります。

リスク・ダウンタイム・費用を総合して判断する

手術を受けるかどうかの判断は、費用という一面だけで決められるものではありません。

手術に伴うリスク、ダウンタイムの長さ、仕事や生活への影響、将来的に追加の治療を検討する可能性まで含めて、総合的に考えることが後悔を減らすことにつながります。

切開リフトも効果が永久に続くものではなく、年月の経過とともに加齢による変化は進みます。

糸リフトやハイフを継続する場合と切開リフトを選ぶ場合とでは、通院の頻度やダウンタイムの生じ方が異なるため、ご自身の生活に合うかどうかという視点も含めて検討してください。

切開リフトは自由診療であり、公的医療保険は適用されません。

当院のFTB式SMASフェイスリフトの場合、手術は1回で、施術時間は60〜80分です。

抜糸は行わず、術後1週間後・1か月後・2か月後に経過観察のためご来院いただいています。

標準的な費用と、費用に含まれる項目・別料金となる項目は記事末尾の施術概要にまとめていますので、あわせてご確認ください。

追加する糸の本数や麻酔の種類によって総額が変わるため、診察時にお見積もりをご案内します。

カウンセリングの当日の流れと、その場で確認しておきたい項目については、別の記事にまとめています。

フェイスリフトの術前の健康評価と検査で確認していること

検査室の椅子に腰かけて待つ女性の横顔

切開リフトは麻酔を用いて行う外科手術であるため、術前には全身の状態を確認します。

美容医療は自由診療ですが、体への負担という点では一般的な外科手術と変わりません。

フェイスリフトを安全に行うための土台づくりが、この段階にあたります。

術前検査の主な項目と目的

クリニックや術式、麻酔の方法によって実施する検査は異なりますが、一般的に確認される項目とその目的は次のとおりです。

検査項目主に確認する内容手術との関係
血液一般検査貧血、感染や炎症を示す変化、白血球減少、血小板数など出血への耐性、止血機能、感染や血液疾患の兆候の確認
血液生化学検査肝機能、腎機能、血糖値など麻酔薬や内服薬の代謝、創傷治癒への影響
血液凝固機能検査血液が固まるまでの時間術中・術後の出血、血腫のリスク評価
感染症検査B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVなど標準予防策を前提としたうえで、周術期管理や曝露時対応の参考にする
心電図心臓のリズムと伝導の状態麻酔管理上の安全性の確認
胸部X線肺と心臓の大まかな状態全身麻酔を併用する場合などの評価

検査の結果によっては、手術の時期を調整したり、かかりつけ医への確認をお願いしたりすることがあります。

リスクを可能なかぎり小さくしたうえで臨むための手順です。

持病がある方が伝えておくべきこと

糖尿病、高血圧、心疾患、甲状腺疾患、自己免疫疾患などの持病がある場合は、病名だけでなく、現在の治療内容とコントロールの状態を伝えてください。

血糖のコントロールが不良な状態では、傷の治りや感染への抵抗力に影響が出ることがあります。

また、ケロイド体質(傷跡が盛り上がって広がりやすい体質)や、過去に傷跡が目立ちやすかった経験がある方も、その旨を必ず共有してください。

切開部位の設計や縫合方法、術後のケアの計画に反映します。

年齢と皮膚の状態による配慮

年齢が高くなるほど手術ができないというわけではありませんが、加齢に伴って皮膚の血流や傷の治りに影響が出やすくなる傾向があります。

剥離の範囲や皮弁の厚みの設計は、こうした個々の状態を踏まえて判断します。

また、若い年代であっても、皮膚のゆるみよりも脂肪の量が主な要因である場合など、切開リフト以外の方法が適していることもあります。

年齢だけで適応が決まるわけではないため、術前の診察で状態を確認したうえで方針を検討します。

どのような状態の方が切開リフトに向いているのかは、別の記事で判断の基準を整理しています。

服用中の薬・サプリメントの管理と報告

ダイニングテーブルで手帳とケースを手に取る女性

術前の注意事項のなかで、見落とされやすく、かつ影響が大きいのが薬とサプリメントの扱いです。

ここは自己判断で進めず、必ず医師の指示を受けてください。

血液を固まりにくくする薬は自己判断で中止しない

抗血小板薬や抗凝固薬、いわゆる血液をサラサラにする薬を服用したまま手術を受けると、術中・術後に血が止まりにくくなり、内出血や血腫のリスクが高まります。

医療機関では、薬剤の種類に応じて手術前の一定期間、休薬を検討することが一般的です。

ただし、これらの薬は心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、心房細動などの再発予防のために処方されているものです。

自己判断で中止すると、その病気自体のリスクが高まります。

心臓にステントが留置されている方や人工血管が入っている方などは、処方している主治医に手術の可否と休薬の可否を確認したうえで、その指示を美容外科の担当医に伝えてください。

休薬の要否と期間は、薬の種類、基礎疾患、手術の内容によって異なります。

「何日前にやめればよいか」を一律に決められるものではないという点を、まず押さえておいてください。

影響しうる薬とサプリメントの例

手術に影響しうるものは処方薬だけではありません。

市販薬や健康食品、サプリメントにも止血や麻酔に関わるものがあります。

種類具体例注意される理由
抗血小板薬・抗凝固薬アスピリン、クロピドグレル、ワルファリン、直接経口抗凝固薬など血液が固まりにくくなり、出血・血腫のリスクが高まる
解熱鎮痛薬(NSAIDs)市販の鎮痛薬に含まれる成分など血小板の働きに影響しうる
女性ホルモン製剤低用量ピル、ホルモン補充療法など血栓に関わるため取り扱いの確認が必要
血糖降下薬経口血糖降下薬、インスリンなど絶食時の低血糖や、薬剤ごとの周術期合併症を防ぐため調整が必要
サプリメントイチョウ葉エキス、EPA・DHA、高用量のビタミンE、ニンニク、朝鮮人参など止血能に影響しうると報告されている
漢方薬・健康食品生薬を含む製剤、日常的または高用量に摂取しているハーブ製品など成分により作用が重なる可能性がある

糖尿病の治療薬は、種類によって術前の扱いが異なります。

とくにSGLT2阻害薬は、絶食や手術のストレスによって血糖値が著しく高くない状態でもケトアシドーシスを起こす可能性があるため、日本糖尿病学会の適正使用に関するRecommendationでは、予定手術では術前3日前からの休薬が示されています。

休薬の期間やインスリンの調整は自己判断せず、処方元の医師と手術を担当する医師の指示に従ってください。

サプリメントや健康食品のなかにも、止血や麻酔に影響する可能性があるものがあります。

ただし、どれをいつまで中止するかを患者さんご自身で判断する必要はありません。

摂取中の商品名と成分を申告していただき、中止の要否と期間は医師の指示に基づいて決めます。

健康のために続けているものほど「薬ではないから」と申告から漏れやすいので、術前には内服中・摂取中のものをすべて一覧にして持参してください。

お薬手帳がある方はそのまま持参いただくのが確実です。

サプリメントは商品名だけでは成分がわからないことがあるため、パッケージの写真を撮っておくと確認がスムーズです。

アレルギーと過去の麻酔経験も忘れずに

薬剤アレルギー、テープや消毒薬でかぶれた経験は必ず申告してください。

過去に麻酔で気分が悪くなった経験がある場合も重要な情報になります。

麻酔の種類や選び方、麻酔に伴うリスク、静脈麻酔や全身麻酔を併用する場合の絶飲食については、別の記事で詳しく解説しています。

フェイスリフトの禁煙・飲酒に関する術前の注意

木漏れ日の並木道を歩く女性の後ろ姿

喫煙と飲酒は、切開リフトの術前注意のなかでも、患者さんご自身で取り組める部分が大きく、かつ効果がはっきりしている項目です。

喫煙が創傷治癒に与える影響

喫煙は血管を収縮させ、組織に届く酸素の量を減らします。

皮膚を剥離するフェイスリフトでは、皮弁の血流が傷の治りと傷跡の質を左右するため、喫煙の影響が出やすい手術といえます。

喫煙者では創部の感染や治癒の遅れ、皮膚の壊死といった合併症の頻度が高まることが知られており、多くの美容外科で禁煙が求められるのはこのためです。

日本麻酔科学会の周術期禁煙ガイドラインおよび周術期禁煙プラクティカルガイドでも、禁煙の期間と効果の関係が整理されています。

禁煙から3週間程度で創部の合併症の発生が減少し、4週間以上の禁煙で術後の呼吸器合併症の頻度が低下すると報告されています。

そのため、可能であれば手術の4週間以上前から禁煙を始めることが望ましいとされています。

これらは一般的な外科手術を含めた知見ですが、手術までの期間が短い場合でも、気づいた時点から禁煙を始めることには意味があるとされています。

当院でも、手術が決まった時点からできるだけ早く禁煙を開始していただくようご案内しています。

加熱式たばこや電子たばこであれば問題ないということではなく、ニコチンを含む製品は同様に扱ってください。

受動喫煙も避けられるとより望ましい環境です。

飲酒を控える理由と期間の考え方

アルコールは血管を拡張させ、血流を増やします。

手術直前の飲酒は術中の出血や術後の腫れ、内出血を助長する可能性があるため、術前は控えていただきます。

また、日常的に多量の飲酒がある場合、肝機能や麻酔薬の代謝に影響することもあります。

控える期間は飲酒量や体質、麻酔の方法によって異なるため、具体的な日数は診察時の指示に従ってください。

術後についても、腫れが強い時期の飲酒は経過に影響しうるため、再開の時期は医師に確認することをおすすめします。

体調管理も術前準備のひとつ

風邪や発熱、口内炎、歯の炎症、皮膚のトラブルがある状態での手術は、感染のリスクを考えて延期を検討することがあります。

手術の直前に無理なダイエットや過度な運動を行うことも、体調を崩す原因になるため避けてください。

睡眠とバランスのよい食事を整えておくことは、手術当日の体調だけでなく術後の回復にも関わります。

喫煙が影響しやすい傷跡について、時期ごとの経過と目立ちにくくする方法は別の記事で解説しています。

ヘアカラー・パーマ・ヘアケアの術前注意

鏡の前で髪に手をあてる女性

切開リフト(フェイスリフト)は生え際や耳の周囲を切開するため、髪と頭皮に関する注意事項があります。

他の美容医療ではあまり意識されない項目なので、事前に確認しておきましょう。

毛染め・パーマは手術前に済ませておく

ヘアカラーやパーマの薬剤は頭皮に刺激を与えます。

手術直前に行うと、頭皮が敏感な状態のまま切開部位に接することになり、炎症や創部のトラブルにつながる可能性があります。

そのため、手術前にヘアカラーやパーマを予定している場合は、直前ではなく余裕をもって済ませておくことをおすすめします。

術後については、当院では美容院のご利用を術後2週間後からとご案内しています。

予定がある方は、カウンセリングの段階でスケジュールを相談しておくと調整しやすくなります。

なお、傷跡は紫外線が当たると色素沈着を起こしやすいため、術後は紫外線対策を続けていただきます。

屋外での予定が多い時期に手術を検討している場合は、この点も含めて日程をご相談ください。

手術当日の頭髪と皮膚の清潔

手術当日は、体と頭髪を清潔な状態にしてご来院ください。

前日にシャンプーを済ませ、整髪料は使用しない状態が望ましい形です。

清潔にしておくことは、術後の感染リスクを下げるという目的があります。

なお、切開部位や術後の圧迫の状況によっては、髪で傷跡の部分を自然にカバーできるかどうかが術後の過ごしやすさに影響します。

手術前に大きく髪を短くする予定がある場合は、事前にご相談ください。

なお、術後にいつからシャンプーやメイクが可能になるかは、状態と経過によって異なります。

ダウンタイムの経過については別の記事で詳しく解説しています。

フェイスリフト手術の前日から当日までの具体的な準備

寝室のベッドの上で服とバッグを整える女性

ここからは、手術が近づいてからの実務的な準備を時系列で整理します。

細かい指示はクリニックごとに異なるため、最終的には受診先の案内に従ってください。

時期別の準備スケジュール

時期主な準備内容
手術の1か月前〜禁煙を開始する。服用中の薬とサプリメントを一覧にして医師に相談する。術前検査を受ける
検査結果の確認後医師から指示された薬・サプリメントを、指示された期間に休薬する
手術が近づいたらクリニックから指定された期限までにヘアカラー・パーマを済ませる。医師から案内された時期から飲酒を控える。術後の休みと送迎の手配を確定する
手術の前日シャンプーと入浴を済ませる。麻酔の種類に応じた絶飲食の指示を確認する。十分な睡眠をとる
手術当日メイク・整髪料・アクセサリーを外して来院。前開きの服装。指示された持ち物を持参する

当日の服装と持ち物

手術当日は、頭からかぶらずに脱ぎ着できる前開きの服が適しています。

ボタンやファスナーで開閉できるシャツやカーディガンであれば、術後に顔まわりに触れずに着替えられます。

アクセサリー、コンタクトレンズ、ネイル(爪の色は術中のモニタリングに影響することがあります)は外し、メイクも落とした状態でご来院ください。

持ち物は、身分証明書、お薬手帳、帰宅時に使う帽子やマスク、髪をまとめるものなどが基本です。

帰宅方法と付き添いの手配

静脈麻酔や全身麻酔を併用する場合、当日は自分で車やバイクを運転して帰ることはできません。

タクシーやご家族の送迎など、帰宅方法を事前に決めておいてください。

また、術後は顔まわりに腫れと痛みが出ます。

翌日以降の予定を無理に入れず、少なくとも数日間は落ち着いて過ごせるようにスケジュールを空けておくことをおすすめします。

休みの長さは切開の範囲によっても変わります。

ロングとエクストラロングの違いと選び方は、別の記事で詳しく解説しています。

フェイスリフトのリスク・副作用と術前に確認する禁忌

診察室の窓辺に立ち外を眺める眼鏡の男性医師

術前の注意事項を守ることは、リスクをゼロにするためではなく、可能なかぎり小さくするために行うものです。

手術である以上、リスクを完全になくすことはできません。

この点を理解したうえで判断していただくことが、術前準備の最後の一歩になります。

切開リフトに伴う主なリスク・副作用

フェイスリフトで生じうる症状や合併症は、発生する頻度が種類によって大きく異なります。

まとめて「頻度は高くありません」と説明するのは正確ではないため、性質の違いを分けて理解しておいてください。

腫れ、内出血、痛み、皮膚の感覚が鈍くなる感覚鈍麻、傷跡の赤み、一時的な硬さやひきつれ感は、程度の差はあっても比較的生じやすい症状です。

多くは時間の経過とともに落ち着いていきますが、経過の速さには個人差があります。

血腫も、フェイスリフトで代表的な早期の合併症のひとつとして知られており、状態によっては処置が必要になります。

一方、皮膚の壊死、創傷治癒の遅れ、感染、長期間続く顔面神経の障害(一時的な麻痺や表情の動かしにくさは生じることがあり、多くは時間の経過とともに軽快するとされていますが、まれに長引くことがあります)、切開部周辺の脱毛や生え際の位置の変化、耳周囲の形の変化、漿液腫(皮下に液体が溜まる状態)、傷跡の肥厚やケロイドは、頻度としてはまれです。

ただし、起きた場合の影響が大きいため、あらかじめ理解しておく必要があります。

左右差や仕上がりの状態によっては、再手術を検討する場合もあります。

局所麻酔や静脈麻酔など麻酔に伴うリスクも別に生じます。

これらの多くは適切な術前評価と術中管理、術後のケアによって発生を抑えることが目指されますが、体質や治癒過程には個人差があり、結果を保証するものではありません。

術後に速やかに連絡が必要なサイン

術前の段階で、術後に緊急連絡が必要となる症状を知っておくと、判断に迷わずに済みます。

片側だけが急激に腫れてくる、痛みが急に強くなる、出血が続く、息苦しさがある、発熱や創部からの膿がみられるといった場合は、様子を見ずに、指定された緊急連絡先へ速やかにご連絡ください。

とくに急速に大きくなる片側の腫れは血腫の可能性があり、早期の対応が必要です。

「通常の腫れの範囲かもしれない」と自己判断せず、連絡先を手元に用意したうえで手術に臨んでください。

手術を慎重に検討する必要がある状態

妊娠中の方については、母体と胎児の双方への影響を考える必要があるため、緊急性のない美容目的の手術は原則として延期します。

授乳中の方は妊娠中とは事情が異なり、使用する麻酔薬や術後の鎮痛薬、授乳の状況を確認したうえで、個別に判断します。

そのほか、次のような場合も手術の可否や時期について慎重な判断が必要になります。

出血傾向のある方、抗血栓薬を中止できない方、糖尿病などのコントロールが不良な方、ケロイド体質の方、禁煙が難しい方、重い持病があり全身状態が安定していない方などです。

これらに該当する場合でも、状態によっては条件を整えたうえで検討できることがあります。

反対に、該当しない場合でも診察の結果によって手術をおすすめしないと判断することもあります。

適応の判断は、必ず診察のうえで行います。

術前の説明で確認しておきたいこと

同意書にサインをする前に、手術の範囲、切開のデザイン、麻酔の方法、想定されるダウンタイム、起こりうる合併症とその際の対応方針、抜糸や術後の通院スケジュールについて、納得できるまで確認してください。

合併症が起きた場合にどう対応するのかを具体的に説明できるかどうか、担当する医師の経歴や専門医資格、症例に関する情報が具体的に開示されているかどうかは、クリニックを選ぶうえでの客観的な判断材料になります。

医師の選び方については、確認すべき客観的な基準を別の記事で整理しています。

非切開治療の経験がある方が知っておきたい術前の違い

ラウンジのソファに並んで座る二人の女性

糸リフトやハイフを受けた経験がある方にとって、切開リフトの術前準備は「思っていたより本格的」と感じられることがあります。

この違いには理由があります。

準備の内容が異なる理由

糸リフトやハイフは、切開を伴わない、あるいは切開が最小限の治療で、体への負担が比較的小さいため、術前の制限も限定的です。

一方、切開リフトは外科手術であるため、全身の状態と止血機能を確認したうえで臨む必要があります。

どちらが優れているという話ではなく、たるみへの働きかけ方と体への負担が異なるということです。

項目糸リフト・ハイフなどの非切開治療切開リフト
組織への働きかけ糸により組織を支持・牽引する、またはエネルギーを組織に届ける(作用する層は術式・機種により異なる)SMASなどの支持組織を直接移動・固定し、余剰皮膚を処理する
術前検査実施しないか、簡易的な確認にとどまることが多い血液検査、感染症検査、心電図などを実施することが一般的
服薬・サプリメントの扱い確認は行うが制限は限定的なことが多い抗血栓薬などは医師の指示のもとで休薬を検討する
禁煙求められないこともある創傷治癒への影響から求められることが多い
当日の制限制限は少ないことが多い絶飲食、運転不可などの制限が生じる場合がある
ダウンタイム比較的短い傾向腫れ・内出血が生じ、生活への影響も大きくなる

過去の施術歴は必ず共有する

これまでに受けた糸リフトやハイフ、ヒアルロン酸注入などの施術歴は、時期と内容をできるかぎり正確に伝えてください。

挿入された糸が残っている場合や、過去の施術による組織の変化がある場合、剥離の進め方に配慮が必要になることがあります。

他院で受けた施術についても遠慮なく共有していただいて構いません。

情報が多いほど、安全に手術を進めるための判断材料が増えます。

糸リフトと切開リフトの違いを、効果や持続の観点から比較した記事もあわせてご覧ください。

術前の不安との向き合い方

リビングのソファでノートに書き込む女性

手術を控えた不安は、多くの方が経験されるものです。

不安があること自体は自然な反応ですが、その不安が「情報不足からくるもの」であれば、術前の準備で減らすことができます。

不安の正体を分けて考える

術前の不安は、大きく分けると「手術と痛みそのものへの不安」「仕上がりへの不安」「ダウンタイム中の生活への不安」に分けられます。

それぞれ対処の方法が異なります。

手術と痛みへの不安は、麻酔の方法や手術の流れを具体的に知ることで軽くなることがあります。

仕上がりへの不安は、期待する効果と実際に得られる変化のすり合わせをカウンセリングで丁寧に行うことが対処になります。

生活への不安は、休みの日数や周囲への伝え方を事前に決めておくことで、かなりの部分が解消されます。

疑問はメモにして持参する

診察の場では、聞こうと思っていたことを忘れてしまいがちです。

気になることが浮かんだ時点でメモに残し、カウンセリングや術前診察に持参してください。

当院では院長がカウンセリングから手術、術後の診察まで担当するため、一度お伝えいただいたお悩みや希望は、その後の診察にも引き継がれます。

「こんなことを聞いてよいのだろうか」という内容ほど、判断に関わる情報であることがあります。

痛みがどの程度なのかが気がかりで踏み出せないという方は、手術中と術後の痛みの経過をまとめた記事もご参照ください。

切開リフト(フェイスリフト)の術前注意に関するよくある質問

クリニックの受付カウンターに立つ制服姿のスタッフ

術前の準備について、当院のカウンセリングで実際にいただくことの多いご質問をまとめました。

回答は一般的な目安であり、実際の指示は状態や術式によって異なります。

予約から手術まではどのくらい期間を空けるべきですか

禁煙の期間、術前検査の実施と結果の確認、必要な休薬の期間を考えると、少なくとも数週間の余裕をもって予約されることをおすすめします。

喫煙されている方は、より早い段階から準備を始めていただくほうが安心です。

日程の調整は診察時にご相談ください。

常用しているサプリメントは申告が必要ですか

必要です。

イチョウ葉エキスやEPA・DHA、高用量のビタミンEなどは止血に影響しうると報告されています。

医薬品ではないため申告から漏れやすい項目ですが、術前の問診では摂取中のものをすべてお知らせください。

生理と重なっても手術は受けられますか

生理そのものが手術の禁忌になるわけではありませんが、体調や貧血の状態、ご本人の過ごしやすさを考えて日程を調整することもあります。

気になる場合は予約の段階でご相談ください。

術前に洗顔やスキンケアで気をつけることはありますか

前日までは普段どおりのスキンケアで問題ありません。

当日はメイクをせず、洗顔で肌を清潔にした状態でご来院ください。

強いピーリングやレーザー治療など、肌に刺激の強い施術を手術直前に受けることは避けてください。

抜糸や術後の通院はいつ頃になりますか

抜糸の要否は術式によって変わり、当院のFTB式SMASフェイスリフトでは抜糸を行いません。

経過観察は術後1週間後・1か月後・2か月後にご来院いただいています。

他院で受ける場合は通院の回数と時期が異なりますので、術前に確認して仕事や予定の調整に組み込んでおいてください。

術前の説明で不安が消えない場合はどうすればよいですか

不安が残る状態で日程を確定する必要はありません。

疑問点を整理して再度ご相談いただくか、他の医療機関でセカンドオピニオンを受けることも選択肢のひとつです。

納得したうえで臨むことが、術後の受け止め方にも関わります。

抜糸を行わない当院の方法については、仕組みと特徴を別の記事にまとめています。

まとめ

明るいクリニックのエントランスで前を向いて立つ女性

糸リフトやハイフを重ねるなかで切開リフトを検討するに至った方にとって、術前の注意事項は「手術を受けるための条件」というより、手術の安全性と経過をご自身の側から支えるための準備といえます。

切開リフトは皮膚を剥離してSMASなどの支持組織に働きかける外科手術であり、皮弁の血流と止血、創傷治癒が経過を左右します。

禁煙、飲酒の制限、薬とサプリメントの扱い、術前検査は、いずれもこの点に理由があって設けられているものです。

とりわけ抗血栓薬などの薬剤は、自己判断での中止が別の危険につながるため、処方元の医師と手術を担当する医師の双方の指示のもとで扱う必要があります。

手術を受けるかを判断する際は、費用という一面だけでなく、リスク、ダウンタイム、生活への影響、将来的に追加の治療を検討する可能性まで含めて総合的に考えることが、後悔を減らすことにつながります。

切開リフトも効果が永久に続くものではなく、腫れや内出血、傷の治り方、効果の感じ方には個人差があり、結果を保証するものではありません。

福岡天神美容クリニックでは、院長がカウンセリングから手術、術後の診察まで担当し、術前の健康状態や過去の施術歴を確認したうえで適応を見きわめます。

まずは診察でご相談ください。

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【施術概要】

施術名:FTB式SMASフェイスリフト(切開リフト)

施術内容:抜糸のいらないSMAS切開リフトと、体内に吸収される糸を用いるFTBリフトを組み合わせたセットメニューです。

耳の周囲を切開して皮膚と皮下組織を剥離し、SMASなどの支持組織を引き上げて固定したうえで、余剰皮膚を処理します。

固定バンドの代わりにFTBリフトを用いるため、固定バンドとドレーンは使用しません。

切開の範囲は、耳珠軟骨までのロングと、耳下までのエクストラロングから選択します。

施術時間は60〜80分です。

治療回数・期間:手術は1回です。

抜糸は行いません。

術後1週間後・1か月後・2か月後に経過観察のご来院をお願いしています。

主なリスク・副作用:腫れ(術後2〜4週間でより自然になり、最終的な状態が落ち着くのは術後2〜3か月から6か月後が目安です)、頭痛や頭皮のツッパリ感(1〜2週間程度生じることがあります)、内出血(術後2〜3日後から生じ、2〜3週間程度で落ち着きます)、傷跡(1か月以降に赤みが引き、落ち着くまで半年程度かかります。

紫外線で色素沈着しやすいため紫外線対策が必要です)、感覚鈍麻、一時的な硬さやひきつれ感、血腫。

まれに、皮膚の壊死、感染、創傷治癒の遅れ、顔面神経の障害、脱毛や生え際の位置の変化、耳周囲の形の変化、漿液腫、傷跡の肥厚やケロイド。

麻酔に伴うリスクもあります。

状態によっては再手術を検討する場合があります。

経過には個人差があり、結果を保証するものではありません。

費用(税込):自由診療のため公的医療保険は適用されません。

ロング(FTBリフト2本込み):880,000円

エクストラロング(FTBリフト2本込み):1,320,000円

FTBリフトを追加する場合:1本につき66,000円

麻酔(別料金):表面麻酔 3,300円/笑気麻酔 16,500円/静脈麻酔 66,000円

上記のほか、条件を満たす場合に適用されるモニター価格を設けています。

同一のお悩みについて2回目以降のカウンセリングを受ける場合、再診料15,000円をいただくことがあります。

料金は本記事の公開時点のものです。

最新の料金は当院の料金ページでもご確認いただけます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、効果を保証するものではありません。

効果・リスク・ダウンタイム・回復の経過には個人差があります。

記載している術前の注意事項は一般的な目安であり、実際の休薬の可否や期間、検査の内容、生活上の制限は、患者さんの状態・持病・麻酔の方法によって異なります。

服用中の薬は自己判断で中止せず、必ず処方元の医師および手術を担当する医師の指示に従ってください。

適応の判断は診察のうえで行います。

【参考・外部リンク】

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