ヒアルロン酸やボトックスを繰り返し受けてきた方の中には、「注入するたびに一時的に整うけれど、肌そのものは変わらない」と感じている方が少なくありません。
そうした方が次に目を向けるのが、「再生医療」という言葉でくくられる治療です。
しかし実際に調べ始めると、PRP療法、エクソソーム、幹細胞培養上清液、幹細胞治療といった名前が並び、どれも「肌の再生」「自己修復力」といった似た説明がされているため、何がどう違うのかが分からなくなります。
これらは同じ「再生医療」というくくりで語られることが多いものの、治療法としての特徴、体に入れるものの正体、由来、そして日本の法制度上の位置づけまで、それぞれ大きく異なります。
なお、エクソソームと幹細胞培養上清液は同じものではありません。
幹細胞培養上清液は幹細胞を培養したあとの培養液の上澄みであり、その中にタンパク質、成長因子、サイトカイン、細胞外小胞などが含まれます。
エクソソームは、そこに含まれうる細胞外小胞の一種です。
本記事では両者を区別しながら、PRP、エクソソームや幹細胞培養上清液、幹細胞治療について、使うものの違い、作用の考え方の違い、安全性やリスクの考え方の違い、そして日本での法的な扱いの違いを整理します。
そのうえで、美容目的で検討する際にご自身が何を基準に選べばよいのかを、医師の視点で解説します。
なお当院で行っているのは、自己血液由来の成分のみを用いるPRP療法です。施術内容は当院のPRP治療ページにまとめています。
本記事ではエクソソームや幹細胞治療についても、優劣を判定する目的ではなく、判断材料としての情報を中立的に整理します。
【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹
そもそも再生医療とは?PRP・エクソソーム・幹細胞が同じくくりで語られる理由

まず、なぜ性質の異なる3つの治療が「再生医療」という同じ言葉で語られるのかを整理します。
再生医療の基本的な考え方
再生医療とは、細胞や細胞が出す物質の働きを利用して、傷んだ組織そのものの修復や機能の回復を目指す医療の総称です。
これに対し、ヒアルロン酸は不足したボリュームを物理的に補い、ボトックスは筋肉の動きを抑えることでシワを目立たなくします。
どちらも変化が早く分かりやすい治療ですが、肌の土台である真皮(表皮の下にある層で、コラーゲンやエラスチンが存在する肌の土台)そのものの状態を変えることを目的とした治療ではありません。
再生医療と呼ばれる治療は、この土台側に働きかけることを目指す点で発想が異なります。
肌の老化はどこで起きているのか
加齢や紫外線の影響で、真皮のコラーゲンやエラスチンは少しずつ減少し、真皮そのものが薄くなっていきます。
同時に、コラーゲンやエラスチンを作り出す線維芽細胞(肌のハリを支える細胞)の働きが鈍り、皮膚へ栄養を届ける血流も低下します。
その結果、小ジワ、キメの乱れ、ハリの低下といった変化が現れます。
美容目的で用いられるこれらの治療では、線維芽細胞への働きかけや細胞間の情報伝達などを介して、皮膚組織の修復やコラーゲン産生に働きかけることが期待されています。
ただし、作用の仕組みも、それを支えるエビデンスの状況も、治療ごとに異なります。
「同じ目的」でも「使うもの」はまったく違う
目指す方向が似ているために混同されやすいのですが、実際に体へ入れるものは3つでまったく異なります。
PRPは自分の血液から取り出した血液成分であり、エクソソームや幹細胞培養上清液は細胞が培養液中に出した分泌物を含むものであり、幹細胞治療は細胞そのものを投与します。
使うものが違えば、必要とされる管理体制も、想定されるリスクも、法律上の扱いも変わります。
この「何を体に入れるのか」という一点が、3つを見分けるうえで最も分かりやすい軸になります。
PRP・エクソソーム・幹細胞の違いを一覧で比較

3つの違いを、使うもの・由来・法制度上の扱いという観点から整理します。
使うものの違い:血液成分・細胞の分泌物・細胞そのもの
PRP(多血小板血漿:Platelet Rich Plasma/自分の血液から血小板を高濃度に取り出したもの)は、採血した自分の血液を遠心分離(血液を高速回転にかけて成分ごとに分ける技術)にかけ、血小板が多く含まれる層だけを抽出して用います。
エクソソームは、細胞から放出される直径100ナノメートル前後のごく小さな袋状の構造物で、細胞外小胞(さいぼうがいしょうほう:細胞が外に出す膜で包まれた微粒子)の一種です。
美容分野で「エクソソーム治療」として提供されているものの多くは、幹細胞を培養した液の上澄み、すなわち幹細胞培養上清液であり、その中に含まれるとされる成分を用いています。
幹細胞治療は、自分の脂肪などから採取した幹細胞(さまざまな細胞に変化する能力を持つ細胞)を培養し、細胞そのものを投与する治療です。
由来の違い:自分の体から採るか、他人の細胞に由来するか
PRPと自己脂肪由来の幹細胞治療は、いずれも自分の体から採取した材料を使う自己由来の治療です。
自己由来であることは、体が異物として認識しにくく、アレルギー反応のリスクが比較的低いと考えられる根拠になります。
一方、美容分野で提供されるエクソソーム・幹細胞培養上清液は、他人の細胞(他家細胞)を培養した液に由来するものが少なくありません。
由来が他家である場合、感染症の伝播や免疫反応をどう管理するかという観点が加わるため、原材料の管理と品質保証の考え方がより重要になります。
法制度上の扱いの違い
ここが3つを比べるうえで、もっとも見落とされやすい点です。
PRPや幹細胞治療のように、細胞や細胞加工物を用いる医療は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)の対象となり、リスクに応じた分類のうえで、あらかじめ再生医療等提供計画を国に届け出たうえで実施することが求められます。
一方、幹細胞培養上清液やエクソソームは、細胞そのものを含まないという整理から、現行法では同法の直接の規制対象外という扱いが続いてきました。
厚生労働省は令和6年7月31日付で、幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について、薬事承認を得た医薬品は存在せず、実施する医師の責任のもとで安全性に特に留意する必要がある旨の事務連絡を発出しています。
さらに、日本再生医療学会も同事務連絡を周知したうえで、細胞外小胞等の臨床応用に関するガイダンスを参照して安全な実施に努めるよう呼びかけています。
その後、再生医療等安全性確保法は令和7年5月31日に改正法が施行され、細胞の分泌物を用いる医療技術については、施行後2年を目途に法の適用のあり方を検討することが附則で定められました。
2026年7月には、厚生労働省の作業部会でエクソソームを法規制の対象とするかどうかの議論が始まっており、現時点では制度が動いている途中の領域だといえます。
3つの違いを一目で比較
ここまでの内容を表にまとめます。
| 比較項目 | PRP療法 | エクソソーム・幹細胞培養上清液 | 幹細胞治療 |
|---|---|---|---|
| 体に入れるもの | 自分の血液から抽出した血小板を多く含む成分 | 細胞が培養液中に放出した分泌物 | 培養した幹細胞そのもの |
| 主な由来 | 自己(本人の血液) | 他家由来のものが多い | 自己(本人の脂肪など)が中心 |
| 加工の工程 | 採血後に遠心分離するのみ | 細胞培養と上清の精製が必要 | 細胞を採取し培養施設で増やす |
| 施術までの期間 | 採血から当日中に実施できる場合がある | 製剤として用意されている場合が多い | 培養期間を要する |
| 再生医療等安全性確保法 | 対象となり提供計画の届出が必要 | 現行法では直接の対象外として扱われ、規制のあり方が検討中 | 対象となり、より上位の分類で審査が必要 |
| 薬事承認された医薬品 | 自己血液を加工して用いる医療技術 | 現時点で承認された医薬品はない | 医療技術として実施 |
| 費用の考え方 | 治療部位や使用量によって異なる | 製剤や投与方法によって幅がある | 細胞採取・培養などの工程を含むため費用が高くなる場合がある |
この表から読み取っていただきたいのは、優劣ではなく「性質がまったく違う」という点です。
同じ再生医療という言葉で語られていても、必要な管理体制も、確認すべき情報も異なります。
それぞれにメリットと制約があり、患者さんご自身の悩みと照らし合わせて選択肢を絞っていくことが、納得できる判断につながります。
PRP療法とは?自分の血液を使う再生医療の仕組み

PRP療法は、美容領域でも以前から用いられてきた再生医療の一つです。
血小板に含まれる成長因子が線維芽細胞に働きかける
血小板には、組織の修復に関わる複数の成長因子が含まれています。
代表的なものに、PDGF(血小板由来成長因子:細胞の増殖や修復を促すタンパク質)、TGF-β(形質転換増殖因子:組織の修復や線維の産生に関わる因子)、VEGF(血管内皮増殖因子:血管の新生に関わる因子)、EGF(上皮成長因子:皮膚表面の細胞の増殖に関わる因子)などがあります。
PRPを真皮に注入すると、これらの成長因子が放出され、線維芽細胞に働きかけて、コラーゲンやエラスチンの産生が促されると考えられています。
つまり、注入したものがそのままボリュームとして残るのではなく、自分の細胞の働きを通じて、時間をかけて肌の土台が整っていくことを目指す治療です。
ヒアルロン酸との作用の違いをさらに詳しく知りたい方は、PRP治療とヒアルロン酸の違いを比較した記事もあわせてご覧ください。
遠心分離による抽出と、濃度の考え方
PRPの質は、採血した血液からどれだけ効率よく血小板を回収できるかに左右されます。
遠心分離の条件や使用する機器によって、濃縮されるPRPに含まれる血小板の濃度や量には差が出ます。
ただし、血小板の濃度が高いほど美容上の変化が大きくなる、という関係が確立しているわけではありません。
濃度は治療内容を説明するうえでの一つの情報であり、それ自体が効果を保証する指標ではないという点は、あらかじめご理解ください。
美容領域での適応と限界
PRPは、浅い小ジワ、キメの乱れ、ハリの低下といった肌質の改善を目的とする悩みに対して提案されることのある治療です。
一方で、深く刻まれたシワや進行したたるみ、大きなボリューム不足の補正には、PRP単独では対応が難しい場合があります。
たるみが主な悩みである場合には、FTB式SMASフェイスリフトのように、皮膚の下の層から引き上げる外科的な治療が適することもあります。
また、ヒアルロン酸やボトックスは目的が異なるだけで、否定されるべき治療ではありません。
形を整えたいのか、肌の土台から見直したいのかによって、適した選択は変わります。
当院の注入治療の内容は注入治療のメニューページでご確認いただけます。
法制度上の位置づけ
自己の血液を加工して体内に投与するPRP療法は、再生医療等安全性確保法の枠組みで扱われる医療技術です。
美容目的で実施する場合も、リスクに応じた分類のもと、あらかじめ再生医療等提供計画を届け出たうえで実施することが求められます。
ただし、届出がなされていることは、法令に沿った手続きを踏んでいることを意味するものであり、国が治療効果を保証するものではありません。
この点は、クリニックの説明を受ける際に混同されやすいため、正確に理解しておく必要があります。
エクソソーム・幹細胞培養上清液とは?現在の位置づけ

近年、美容領域で急速に提供施設が増えているのが、エクソソームや幹細胞培養上清液を用いる治療です。
エクソソームとは何か
細胞は、周囲の細胞へ情報を伝えるために、膜で包まれた微小な袋を放出しています。
このうち、エクソソームと呼ばれるものの中には、タンパク質や核酸などが含まれており、細胞間の情報伝達を担うと考えられています。
一方、幹細胞培養上清液は、幹細胞を培養したあとの培養液の上澄みそのものを指します。
その中には、タンパク質、成長因子、サイトカイン(細胞同士のやりとりに関わるタンパク質)、そして細胞外小胞など、複数の成分が含まれます。
つまり、エクソソームは幹細胞培養上清液に含まれうる成分の一種であり、両者は同義ではありません。
日本再生医療学会も、細胞外小胞・エクソソームと細胞培養上清を区別して整理しています。
美容分野で「エクソソーム治療」として案内されているものには、幹細胞培養上清液をそのまま用いるものと、そこから細胞外小胞を分けて用いるものがあり、内容は提供施設によって異なります。
いずれも「細胞そのものは入れず、細胞が出した成分を利用する」という発想の治療ですが、何をどこまで精製しているのかは治療ごとに確認が必要です。
現時点で確認されている制度上の状況
前述のとおり、厚生労働省は令和6年7月31日付の事務連絡で、幹細胞培養上清液やエクソソーム等を用いる医療について、諸外国を含めて有効性・安全性が示され薬事承認を得て製造販売されている医薬品は存在しないことを明示しています。
そのうえで、当該医療を行う場合には、実施する医師・歯科医師の責任のもと、特に安全性に留意する必要があるとしています。
また、同日付でエクソソーム試薬に係る監視指導についての事務連絡も発出されており、医薬品的な効果を標榜する製品の販売に対して注意が促されています。
現行の再生医療等安全性確保法では、細胞そのものを用いないという整理から直接の規制対象外とされてきましたが、その扱いは見直しの議論が進んでいる段階です。
厚生労働省の関連資料は再生医療等の安全性の確保等に関する法律のページで確認できます。
検討する際に確認しておきたいこと
エクソソームや幹細胞培養上清液を検討される場合、次のような点を医師に確認しておくと、判断材料が揃いやすくなります。
| 確認したい項目 | 確認の意図 |
|---|---|
| 使用する製剤の由来と原材料 | 自己由来か他家由来かによって、確認すべき安全管理の内容が変わるため |
| 感染症検査など品質管理の体制 | 他家由来の場合、原材料の安全性確認が特に重要になるため |
| 期待できることと分かっていないこと | 薬事承認された医薬品がない現状をどう説明されるかを確認するため |
| 副作用が生じた場合の対応 | 補償や連絡体制を事前に把握しておくため |
| 費用の総額と追加費用の有無 | 自由診療であり費用の設定が施設ごとに異なるため |
当院ではエクソソーム・幹細胞培養上清液を用いた治療は行っておらず、自己血液由来の成分のみを使うPRP療法に絞っています。
これはエクソソームを否定する趣旨ではなく、由来と工程が明確で、法令上の枠組みが定まっている方法を選んでいるという当院の方針です。
幹細胞治療とは?細胞そのものを用いる治療

幹細胞治療は非常に幅の広い言葉であり、用いる細胞の種類や採取部位、培養の有無、自己由来か他家由来か、投与方法によって内容が大きく変わります。
仕組みと工程
美容医療で行われる幹細胞治療の一例として、本人の脂肪などから間葉系幹細胞(骨や軟骨、脂肪などに変化しうる細胞)を採取し、細胞培養加工施設で培養したうえで本人に投与する方法があります。
細胞を採取してから投与できるようになるまでには、培養のための期間が必要です。
投与された幹細胞が周囲の細胞に働きかけることが期待されていますが、美容目的での有効性については研究の蓄積が続いている段階であり、確立した基準があるわけではありません。
法制度上の位置づけ
たとえば、培養した自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いる治療は、第二種再生医療等に分類される場合があります。
実際の分類は、使用する細胞の種類や加工方法、自己由来か他家由来か、投与方法などによって決まります。
いずれの分類であっても、再生医療等安全性確保法のもとで認定再生医療等委員会の審査を受け、再生医療等提供計画を届け出たうえで実施することが求められます。
また、細胞の培養を行う施設についても、法令に基づく届出や許可が求められます。
細胞の採取と培養という工程を含むため、費用が高くなる場合があります。
美容領域での位置づけ
美容目的での幹細胞治療は、提供している施設が限られており、費用や通院期間の負担が大きくなることがあります。
一方、PRPは採血から当日中に完了できる場合があり、工程が簡潔です。
どの治療が適するかは、悩みの内容と、どこまでの工程や負担を許容できるかによって変わります。
安全性・副作用の違いとリスクの考え方

3つの治療は、想定されるリスクの種類も、その管理方法も異なります。
上位で解説されている記事の多くは効果や適応に重点を置いていますが、検討時にはリスクの違いこそ確認しておきたい部分です。
PRPで想定される副作用
PRPは自己血液由来の成分を用いるため、異物反応やアレルギーのリスクは比較的低いとされています。
ただし、注入に伴い、内出血、腫れ、赤み、痛み、一時的なしびれ、注入部位の硬さといった症状が生じることがあります。
これらは注入や採血に対する一時的な炎症反応として起こることが多く、経過とともに落ち着いていくのが一般的です。
ダウンタイムの目安は数日から1週間程度ですが、感じ方や経過には個人差があります。
また、注入量や深さが適切でない場合には、膨らみすぎやしこりが生じる可能性があり、感染や効果が十分に得られない可能性もあります。
PRPの安全性については、PRP再生医療の安全性について解説した記事で詳しくまとめています。
他家由来の材料を用いる治療で考えるべきリスク
他人の細胞に由来する材料を用いる場合、原材料そのものの安全性をどう確認しているかが重要な論点になります。
感染症の伝播、免疫反応、製剤ごとの品質のばらつきといった観点は、自己由来の治療にはない検討事項です。
また、薬事承認された医薬品が存在しない現状では、製品ごとに含まれる成分や濃度が標準化されていない可能性も踏まえておく必要があります。
これらは治療を受けてはいけないという意味ではなく、説明を受ける際に確認すべき項目が増えるという意味です。
bFGFなどの添加物を加えるPRPについて
クリニックによっては、効果を高める目的でPRPにbFGF(線維芽細胞増殖因子:線維芽細胞の増殖を強く促すタンパク質)などを添加する方法がとられることがあります。
この方法については、膨らみすぎやしこりなどの合併症が報告されており、日本美容外科学会(JSAPS)の美容医療診療指針でも慎重な扱いが示されています。
当院では、自己血液由来の成分のみを用い、bFGFなどの添加物は使用していません。
添加物を使用するかどうかは仕上がりの傾向とリスクの両方に関わるため、どの治療を選ぶ場合でも事前に確認しておくことをおすすめします。
禁忌・慎重な判断が必要な場合
PRP治療には、受けられない場合や慎重な判断が必要になる場合があります。
妊娠中・授乳中の方、血液疾患のある方、注入部位に感染がある方、抗凝固薬を使用している方、重度の貧血がある方、悪性腫瘍の治療中の方、膠原病や肝疾患のある方、ケロイド体質の方などが該当することがあります。
持病や内服薬がある方は、カウンセリング時に必ず医師へお伝えください。
未成年の方が検討される場合は保護者の同意が必要です。
費用と選び方:どの治療を選ぶかを判断する基準

最後に、実際に検討される際の考え方を整理します。
単価ではなく、一定期間の積み上げで比べる
ヒアルロン酸は効果の持続期間が限られるため、状態を保つには定期的な再注入が必要になります。
1回あたりの費用が抑えられていても、繰り返せば通院回数もダウンタイムの回数も累積し、数年単位では総額が積み上がります。
一方、PRPは変化が現れるまでに時間を要しますが、肌の土台側に働きかけることを目指す治療です。
短期の金額だけでなく、一定期間での通院回数、ダウンタイムの累計、得たい変化の質まで含めて比べると、印象が変わることがあります。
なお、これらはいずれも自由診療であり保険は適用されません。
費用は治療内容・部位・回数によって異なり、施設ごとの設定も異なります。
当院の標準的な費用は料金ページでご確認いただけます。
診察の結果、追加の処置が必要になる場合は、事前に費用をご説明します。
目的から逆算して選ぶ
治療名から入るのではなく、ご自身の悩みから逆算すると判断しやすくなります。
| ご自身の状態・希望 | 検討の方向性 |
|---|---|
| 浅い小ジワ・キメの乱れ・ハリの低下が気になる | 肌質側に働きかける治療が候補になる |
| 溝やくぼみを今すぐ目立たなくしたい | ボリュームを補う注入治療が候補になる |
| 表情の動きによるシワが気になる | 筋肉の動きに働きかける治療が候補になる |
| 輪郭のもたつき・進行したたるみが主な悩み | 外科的なリフト治療の適応を確認する |
| 異物を入れることに抵抗がある | 自己由来の材料を用いる治療から検討する |
いずれの場合も、診察のうえで医師が適応を判断します。
期待できることと難しいことの両方を説明されるかどうかは、クリニックを見極めるうえでの重要な手がかりになります。
カウンセリングで確認したい質問
再生医療という言葉は幅が広いため、次のように具体的に聞くと違いが明確になります。
「その治療で体に入るものは何ですか」「それは自分由来ですか、他人由来ですか」「再生医療等安全性確保法の対象になる治療ですか」「副作用が出た場合はどう対応しますか」「効果が出なかった場合はどう考えますか」といった質問です。
これらに具体的な回答が得られるかどうかは、説明の姿勢を判断する材料になります。
本記事の比較表も、カウンセリングの場で確認事項を整理するための材料として活用していただければと思います。
当院の考え方
福岡天神美容クリニックでは、PRPを「肌や組織が本来持つ回復力を引き出すことを目指す再生医療」と位置づけ、自己血液由来の成分のみを使用しています。
院長がカウンセリングから施術、アフターケアまで一貫して担当し、美容医療全体で1万件を超える診療経験に基づいて、部位ごとに皮膚の厚みや動きを考慮しながら注入量と深さを調整します。
一度に大量に注入する方法はとらず、膨らみすぎやしこりのリスクに配慮した設計を心がけています。
一日の施術件数を限定し、カウンセラー主導ではなく医師が診察から施術までを行う体制をとっています。
院長の経歴は院長紹介ページでご確認いただけます。
なお、変化の現れ方や感じ方には個人差が大きく、効果を保証するものではありません。
よくある質問

PRPとエクソソーム・幹細胞治療の違いについて、よく寄せられる質問にお答えします。
PRPとエクソソームはどちらが効果的ですか
現時点で、両者を同一条件で比較して優劣を示した確立した基準はありません。
体に入れるもの、由来、法制度上の扱いが異なるため、効果の大小ではなく性質の違いとして比較していただくのが適切です。
どちらが適するかは、悩みの内容と、どこまでの情報が確認できるかによって変わります。
エクソソームのほうが新しいので優れているのではないですか
新しい技術であることと、有効性・安全性が確立していることは別の問題です。
エクソソームや幹細胞培養上清液については、現時点で薬事承認を得た医薬品はなく、法規制のあり方についても検討が続いている段階です。
新しさではなく、由来・工程・管理体制がどこまで説明されるかで判断されることをおすすめします。
PRPとエクソソームを併用することはできますか
当院ではエクソソーム・幹細胞培養上清液を用いた治療を行っていないため、併用の可否についてお答えできる立場にありません。
併用を検討される場合は、実施しているクリニックで、それぞれのリスクと相互の影響について説明を受けてください。
PRPは何回受ける必要がありますか
肌の状態や目的によって異なり、複数回の施術が提案される場合があります。
回数と間隔の考え方については、PRP治療の回数について解説した記事をご参照ください。
適切な回数は診察のうえで判断します。
効果はどのくらい持続しますか
持続の感じ方には個人差が大きく、部位、肌の状態、施術回数、生活習慣によって異なります。
研究によって報告される経過にも幅があり、一般化できる基準は確立していません。
一定期間ののち、状態に応じてメンテナンスを検討します。
まとめ

PRP、エクソソームや幹細胞培養上清液、幹細胞治療は、いずれも「再生医療」という言葉でくくられて語られますが、体に入れるものはそれぞれ血液成分、細胞の分泌物を含むもの、細胞そのものであり、由来も工程もまったく異なります。
さらに、PRPと幹細胞治療は再生医療等安全性確保法の枠組みで提供計画の届出が求められる一方、エクソソーム・幹細胞培養上清液は現行法では直接の対象外として扱われ、規制のあり方が現在も検討されている段階にあります。
薬事承認を得た医薬品が存在しない点についても、厚生労働省が事務連絡で明示しています。
この違いは優劣ではなく、確認すべき情報の種類が異なるということです。
治療名の新しさや説明のイメージではなく、「体に入るものは何か」「それはどこから来たものか」「どのような枠組みで管理されているか」という3点から比べていただくと、ご自身にとって納得できる選択がしやすくなります。
福岡天神美容クリニックでは、自己血液由来の成分のみを用いるPRP療法に絞り、院長が診察から施術まで一貫して担当しています。
効果や経過には個人差があり、効果を保証するものではありませんが、ご自身の悩みに本当に適した治療かどうかを含めて、まずは当院のPRP治療ページをご覧いただき、カウンセリングでご相談ください。
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記事執筆:福岡天神美容クリニック 院長 小林 直樹
小顔・輪郭専門医として、ダウンタイムを最小限に抑えた施術に注力。糸リフト、脂肪吸引、切開リフトなどで「腫れにくさ」「自然な仕上がり」を追求してきました。
これまでに顔の脂肪吸引だけで累計4,500件以上、総症例数は1万件超を経験。2024年には年間脂肪吸引症例数 日本一を獲得するなど、豊富な実績に裏打ちされた確かな技術を持ちます。
また、二重整形やくまとり、眉下切開、たれ目形成などの目元治療、ヒアルロン酸・ボトックス注入などの若返り治療も得意分野。丁寧なカウンセリングと万全のアフターフォローで、患者様一人ひとりに寄り添った美容医療を提供しています。
「安心して任せられる美容医療」を信条に、理想の美しさと満足をお届けいたします。
【所属学会】
・日本美容外科学会(JSAS)
・アラガンボトックス認定医
・ジュビダームビスタ認定医
【当院のPRP治療について】
治療内容:ご自身の血液を採取し、遠心分離によって血小板を多く含む成分(PRP)を抽出して、目の下、ほうれい線、ニキビ跡、首、手の甲などに注入します。自己血液由来の成分のみを使用し、bFGFなどの添加物は使用しません。
費用:自由診療(公的医療保険は適用されません)。注入する部位・量・回数によって費用が異なります。標準的な費用は料金ページに掲載しています。診察の結果、追加の処置が必要になる場合は、施術前に費用をご説明します。
主なリスク・副作用:内出血、腫れ、赤み、痛み、一時的なしびれ、注入部位の硬さ、膨らみすぎ、しこり、感染、期待した変化が得られない可能性があります。ダウンタイムの目安は数日から1週間程度ですが、症状や経過には個人差があります。
受けられない場合・慎重な判断が必要な場合:妊娠中・授乳中の方、血液疾患のある方、注入部位に感染がある方、抗凝固薬を使用している方、重度の貧血がある方、悪性腫瘍の治療中の方、膠原病や肝疾患のある方、ケロイド体質の方。未成年の方は保護者の同意が必要です。適応の可否は診察のうえで医師が判断します。




