目元のヒアルロン酸注射やボトックス注射を受けたことがある方から、「そのときは気にならなくなったのに、時間が経つとまた同じ小じわが出てくる」というご相談をいただくことがあります。
あくまで一般的に語られる例で、感じ方には個人差がありますが、注入を繰り返すうちに「なぜ肌そのものは変わらないのだろう」と疑問を持つ方は少なくありません。
理由のひとつは、作用の仕組みの違いにあります。ヒアルロン酸は注入した部位に容積を加えて形を整える治療、ボトックスは筋肉の動きを抑えて表情によるしわを目立ちにくくする治療で、いずれも注入した薬剤が体内で分解・代謝されていくにつれて、もとの状態に近づいていきます。
目元の肌そのもののハリや質感の改善を目的とした治療ではないため、皮膚の状態が変わらないまま注入だけを続けている感覚になることがあるのです。
そこで選択肢に入るのが、ご自身の血液から抽出したPRP(多血小板血漿:血液中の血小板を高い割合で含む成分)を用いる治療です。当院ではPRP治療を、形を作る治療でも動きを止める治療でもなく、血小板に含まれる成分が組織の修復に関与する可能性に着目した治療として位置づけています。
ただし、目元の小じわに対する変化の大きさや持続期間は研究間で標準化されておらず、必ずしわが改善する治療としてご案内できるものではありません。診察のうえで適応を判断する選択肢のひとつとお考えください。詳しい施術内容は当院のPRP治療ページでもご確認いただけます。
そこで本記事では、目元の小じわがなぜできるのかという皮膚科学的な背景から、PRP治療が作用すると考えられている仕組み、ヒアルロン酸・ボトックスとの違い、研究で報告されている変化とその限界、リスクや慎重な判断が必要な方、費用の考え方、施術の流れ、日常のセルフケアまでを、医師の視点で整理して解説します。
【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹
目元の小じわとは|まずタイプを見分けることから始まる

ひとくちに目元の小じわといっても、成り立ちはひとつではありません。原因によって適した治療が変わるため、当院ではまず診察でしわのタイプを見分けることから始めます。ここでは代表的な3つの分類を整理します。
乾燥による浅い小じわ(ちりめんじわ)
角層(皮膚のいちばん外側にある薄い層)の水分が不足し、皮膚表面に細かい線が集まって見える状態です。目のまわりは皮脂腺が少なく乾燥しやすいため、この浅いタイプの小じわが出やすい部位です。保湿によって一時的に目立ちにくくなることもありますが、加齢によって真皮(表皮の下にある層で、コラーゲンやエラスチンが存在する肌の土台)の状態が変化していると、スキンケアだけでは変化を感じにくくなります。
表情の動きでできるしわ
笑ったり目を細めたりするときに、眼輪筋(目のまわりを取り囲む筋肉)が収縮して皮膚が寄ることでできるしわです。若い時期は表情を戻すと消えますが、皮膚の弾力が低下すると、無表情のときにも線が残るようになります。動きが主な要因である場合には、ボトックス注射のように筋肉の動きに働きかける治療が選択肢になります。
皮膚のたるみに伴うしわ
加齢や紫外線の影響でコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚が支えを失って余ることで生じるしわです。目の下の膨らみやくぼみ、フェイスラインの変化と一緒に進むことも多く、小じわ単独の治療では変化を感じにくい場合があります。
| 小じわのタイプ | 主な成り立ち | 治療の考え方 |
|---|---|---|
| 乾燥による浅い小じわ | 角層の水分不足、皮脂腺が少ない目元の構造 | 保湿などのセルフケアに加え、真皮の状態に働きかける治療を検討 |
| 表情の動きによるしわ | 眼輪筋の反復収縮と皮膚の弾力低下 | 筋肉の動きに作用する治療、皮膚の質感に作用する治療の使い分け・併用 |
| たるみに伴うしわ | コラーゲン・エラスチンの減少、支持組織の変化 | しわ単独ではなく、たるみそのものの改善を目的とした治療を含めて検討 |
これらは明確に分かれるものではなく、実際には複数が重なっていることがほとんどです。診察では、皮膚の厚みや動かしたときの状態を確認しながら、どの要因が大きいかを見きわめたうえで治療方針をご提案しています。
なぜ目元に小じわができるのか|皮膚科学から見た背景

目元は顔のなかでも変化が出やすい部位として知られています。その背景には、目元特有の皮膚構造と、加齢に伴う真皮の変化が関係しています。
目元の皮膚は薄く、外的刺激の影響を受けやすい
まぶたや目の下の皮膚は顔のなかでもとくに薄く、皮脂腺も少ないため、乾燥や摩擦の影響を受けやすい部位です。メイクやクレンジングのたびに皮膚をこすることや、目をかく癖なども、繰り返されることで負担になります。また、まばたきによって一日に何度も伸び縮みを繰り返しているという点でも、他の部位とは条件が異なります。
真皮のコラーゲン・エラスチンの減少
真皮のなかでは、線維芽細胞(コラーゲンやエラスチンを作り出す、肌のハリを支える細胞)がコラーゲン線維とエラスチン線維を産生し、皮膚の弾力と厚みを支えています。加齢に伴い線維芽細胞のはたらきは緩やかになり、産生されるコラーゲンの量も変化していきます。その結果として真皮が薄くなり、表面の細かい凹凸が線として見えやすくなると考えられています。
紫外線と生活習慣の影響
紫外線のうち、とくにUVAは真皮にも到達し、コラーゲンやエラスチンの変性に関わることが知られています。加齢による変化に加えて、日常的な紫外線の蓄積、喫煙、睡眠不足なども皮膚の状態に関わる要因として挙げられます。目元の小じわは加齢だけの問題ではなく、こうした複数の要因が重なって現れるものと理解しておくことが大切です。
PRP治療が目元の小じわに作用すると考えられている仕組み

PRP治療は、ご自身の血液から抽出した成分を注入する治療です。ここでは、注入したPRPが目元の皮膚でどのようにはたらくと考えられているのかを整理します。以下は生物学的な作用の仮説にあたる部分であり、臨床で得られる変化の大きさとは分けて理解しておく必要があります。
血小板に含まれる成長因子のはたらき
血小板は、けがをしたときに出血を止めるだけの細胞ではありません。組織が傷ついたときに、修復に関わるさまざまなタンパク質を放出する役割を担っています。このタンパク質が成長因子と呼ばれるもので、代表的なものに次のような種類があります。
| 成長因子 | 基礎研究などで報告されている主な関与 |
|---|---|
| PDGF(血小板由来成長因子) | 細胞の増殖や組織の再構築への関与が報告されている |
| TGF-β(トランスフォーミング増殖因子β) | コラーゲンの産生や組織修復への関与が報告されている |
| VEGF(血管内皮増殖因子) | 新しい血管の形成への関与が報告されている |
| EGF(上皮成長因子) | 表皮の細胞の入れ替わりへの関与が報告されている |
これらはいずれも、もともとご自身の血小板に含まれている成分です。PRP治療は、この修復に関わる仕組みに着目した治療ですが、それぞれの成長因子が目元の皮膚でどの程度はたらき、見た目の変化にどうつながるかまでが一律に確認されているわけではありません。表の内容は細胞レベルでの関与として報告されているものであり、注入後の臨床効果を示すものではない点にご注意ください。
線維芽細胞の活性化とコラーゲン産生
注入されたPRPから成長因子が放出されると、真皮の線維芽細胞が刺激を受け、コラーゲンやエラスチンの産生が促されると考えられています。ヒアルロン酸のように注入したもの自体が容積として残るのではなく、皮膚の細胞や細胞外マトリックス(細胞のあいだを埋める線維や成分)への影響を通じて、時間をかけた質感の変化を目指す治療である点が、同じ注入という手技であっても異なるところです。
ただし、こうした生物学的な作用がすべての方で目に見える小じわの改善につながるとは限らず、臨床研究でも改善の程度にはばらつきが報告されています。
自己血液由来であることの意味
PRPは、採血したご自身の血液を遠心分離(血液を高速回転にかけて、成分ごとに分離する技術)にかけ、血小板が豊富に含まれる層を抽出して作製します。注入する主成分がご自身の血液に由来するため、ヒアルロン酸製剤などの異物を注入する治療と比べて、製剤そのものによる異物反応の懸念は相対的に小さいと考えられます。
ただし、これは「自己血だから安全」という意味ではありません。作製の過程では抗凝固剤を使用することがあり、施術時には消毒薬や麻酔薬も用います。採血、遠心分離、注入という各工程に伴って、アレルギー、感染、内出血、腫れ、痛み、しこり、期待した変化が得られないといった可能性は残ります。安全性を断定できる治療ではないという前提で、適応を慎重に判断することが必要です。
なお、当院ではbFGFなどの成長因子製剤を添加しない方針をとっています。添加物を用いる方法について、想定以上の膨らみが生じる可能性が指摘されることがありますが、膨らみやしこりのリスクは添加物の有無だけで決まるものではなく、注入量、注入した層、体質など複数の要因が関わります。使用する器具や薬剤の詳細については、診察時にご説明します。
ヒアルロン酸・ボトックスとの違い|目元治療の使い分け

目元の治療では、PRP以外にもヒアルロン酸注射やボトックス注射といった選択肢があります。いずれも有効な治療であり、優劣で比べるものではありません。作用の仕組みが異なるため、どの悩みに向いているかが変わります。
ヒアルロン酸注射との作用機序の違い
ヒアルロン酸は、注入した部位に容積を加えることで、くぼみや溝を目立ちにくくする治療です。注入直後から形の変化がわかりやすい一方、成分は徐々に分解・吸収されていくため、状態を保つには繰り返しの注入が前提となります。目の下のくぼみのように、明らかに容積が不足している部位ではヒアルロン酸が適していることも多く、皮膚が薄い部位では注入の深さや量の調整が仕上がりを大きく左右します。
ボトックス注射との作用機序の違い
ボトックス注射は、筋肉の収縮に関わる神経の伝達に作用し、表情による皮膚の寄りを抑える治療です。目尻の笑いじわのように、動きが主な要因となっているしわに対して選択されます。効果は時間の経過とともに戻っていくため、こちらも定期的な施術が前提になります。皮膚そのものの質感に作用する治療ではないため、乾燥や真皮の変化による小じわには別のアプローチが必要になります。
治療の使い分けと併用の考え方
| 比較項目 | PRP治療 | ヒアルロン酸注射 | ボトックス注射 |
|---|---|---|---|
| 作用の仕組み | 成長因子が皮膚の細胞に影響し、質感などの変化を目指す(変化の程度は個人差が大きい) | 注入した成分が容積として形を整える | 筋肉の動きに作用し、表情によるしわを目立ちにくくする |
| 使用する成分 | ご自身の血液から抽出した成分 | 体外から注入する製剤 | 体外から注入する製剤 |
| 変化の現れ方 | 時間をかけて緩やかに変化する | 施術直後から形の変化がわかりやすい | 数日〜数週間で動きの変化が現れる |
| 向いている状態 | 皮膚の質感やハリの低下に伴う小じわ | くぼみや溝など容積の不足 | 表情の動きが主な要因のしわ |
| 施術後の考え方 | 経過を見ながら追加を検討する | 吸収に応じて繰り返し注入する | 効果の消退に応じて繰り返し注射する |
実際の診療では、どれかひとつを選ぶというより、状態に応じて組み合わせることも少なくありません。たとえば、目尻の動きによるしわにはボトックス、目の下のくぼみにはヒアルロン酸、皮膚の質感に対してはPRPというように、要因ごとに治療を割り当てる考え方です。当院の注入治療メニューもあわせてご確認いただくと、それぞれの位置づけがわかりやすくなります。
目元のPRP治療で報告されている変化と効果の確からしさ

PRP治療を検討される方から、もっとも多くいただくご質問が効果に関するものです。ここでは、報告されている変化と、その確からしさ、時期についての考え方を整理します。
報告されている変化
目元へのPRP治療については、肌の質感や細かなしわ、目周囲の色調などに変化がみられたとする研究があります。一方で、研究によって結果にはばらつきがあり、とくにしわや皮膚質感の客観的な改善が一貫して確認されているわけではありません。
当院でも、PRPを必ずしわを改善する治療としてではなく、皮膚の状態に応じて検討する選択肢のひとつとしてご説明しています。ヒアルロン酸のように施術直後に形が変わる治療ではないため、変化の実感には時間の幅があり、その程度は状態や年齢、生活習慣によって異なります。
研究報告から見た効果の確からしさ
美容目的で顔面や目のまわりに行うPRPについては、複数の研究をまとめたレビューが公表されています。そこでは、患者さんご自身の満足度は比較的高い一方で、しわや皮膚の質感に対する客観的な改善は研究間で結果が一致していないと整理されています。
PRPの作製方法、血小板の濃度、活性化の有無、注入する層や回数、評価の方法、追跡期間が研究ごとに大きく異なることが、その主な理由とされています。
つまり現時点では、目元の小じわに対する効果の大きさ、適切な施術回数、持続期間を一律の数値で示せる段階にはありません。当院がPRPを選択肢としてご提案するのは、こうした限界を前提としたうえで、皮膚の状態や他の治療との組み合わせを踏まえて適していると判断した場合です。判断の根拠となった主な文献は、記事末尾の参考リンクに掲載しています。
効果が現れる時期と持続についての考え方
PRP治療の効果があらわれる時期や持続期間については、断定的にお伝えできる基準がありません。美容目的の顔面へのPRPに関する研究では、追跡期間や評価方法が研究ごとに異なり、報告される経過にも幅があるとされています。
一般に、施術後しばらく経ってから緩やかに変化を感じる方が多いとご説明していますが、これは目安であり、すべての方に同じ経過をお約束するものではありません。
| 時期 | 一般的にご説明している経過の目安 |
|---|---|
| 施術直後〜数日 | 注入部位の腫れ、赤み、内出血が生じることがある |
| 数日〜1週間程度 | 腫れや赤みが軽快してくることがある |
| 1〜2週間以上 | 内出血や目元のむくみが続く場合がある |
| 数週間以降 | 皮膚の質感の変化を感じ始める方がいる |
| その後 | 変化の程度や続き方には大きな個人差があり、一律の目安は示せない |
この表はあくまで診察時にご説明している目安で、経過には個人差があり、効果を保証するものではありません。
複数回の施術についての考え方
一度の施術で満足される方もいれば、間隔をあけて複数回受けることを検討される方もいます。必要な回数は、皮膚の状態や目指す変化によって異なるため、初回の経過を確認したうえで追加の必要性を判断していくのが現実的です。回数を先に決めるのではなく、経過を見ながら相談していく治療とお考えください。
小じわ以外の目元の悩みとPRPの適応|クマ・くぼみとの見分け

目元のご相談では、小じわとクマ、くぼみ、たるみが同時に語られることがよくあります。しかし、これらは原因が異なり、PRPが適している場合とそうでない場合があります。
クマは原因によって適した治療が異なる
目の下のクマは、色素沈着によるもの、皮膚の薄さから血管が透けて見えるもの、眼窩脂肪(目のまわりにある脂肪)の突出とその下のくぼみによる影が原因のものなど、成り立ちが異なります。
皮膚が薄いことによる透けやすさが関係している場合には、肌の状態に作用するPRPが選択肢に入ることがありますが、脂肪の突出による影が主な要因であれば、脂肪そのものへの治療を検討したほうが改善を実感しやすいことがあります。原因の見分けについては、目の下のクマの原因と治療法の詳細もご参照ください。
たるみが主体の場合
皮膚のたるみや下垂が進んでいる状態では、注入治療だけで満足のいく変化を得ることは難しい場合があります。フェイスライン全体の下垂を伴うケースでは、糸によるリフト治療との併用を含めて検討することもあります。当院では、注入だけで対応しようとするのではなく、状態に応じて適した治療をお伝えするようにしています。
対応可能な部位
PRP治療は目元だけでなく、ほうれい線、ニキビ跡の凹凸、首のしわ、手の甲など、複数の部位に応用されています。部位によって皮膚の厚みや動きが異なるため、当院では注入する層や量を部位ごとに変えて対応しています。額のしわや凹みへの応用については、PRPはおでこのシワや凹みに効果ある?で詳しく解説しています。
目元のPRP治療で起こり得るリスク・副作用

再生医療であっても、注射を伴う医療行為である以上、リスクはあります。当院では、期待される変化と同じ比重でリスクをご説明したうえで、適応を判断しています。
内出血・腫れ・赤み
目元は皮膚が薄く血管が多いため、注射に伴う内出血が起こりやすい部位です。細い針を使用しても完全に防ぐことはできず、内出血が生じた場合はしばらく色として残ります。腫れや赤みは数日から1週間程度で軽快することがありますが、内出血や目元のむくみは2週間以上続く場合もあります。
皮膚の薄さ、注入量、施術時の状態、服用中のお薬などによって経過は異なります。結婚式や撮影、重要な会議などのご予定がある場合は、少なくとも2週間程度、可能であればそれ以上の余裕をもってご相談ください。
膨らみやしこりに関するリスク
注入治療では、注入した部位が想定以上に膨らんだり、硬さやしこりとして触れたりする可能性があります。これは添加物の有無だけで決まるものではなく、注入量、製剤の性質、注入した層、そして体質など複数の要因が関わると考えられています。
とくに目元は皮膚が薄く、わずかな量の違いが見た目に反映されやすい部位です。当院では一度に大量に注入せず、部位ごとに量と深さを調整する設計をとっていますが、それでもリスクをゼロにできるわけではありません。
痛み・その他の症状
注射に伴う痛みについては、必要に応じて麻酔クリームなどを用いて軽減をはかります。採血の際に気分が悪くなる方もいらっしゃいます。そのほか、注入部位の感染、色素沈着、一時的な感覚の変化、期待した変化が得られないといった可能性もあります。
| リスク・副作用 | 内容 |
|---|---|
| 内出血 | 目元は血管が多く生じやすい。消えるまでに日数を要する |
| 腫れ・赤み | 施術後に生じることがあり、落ち着くまでの期間に個人差がある |
| 膨らみ・しこり | 注入量、製剤、注入層、体質など複数の要因が関わる |
| 痛み | 注射時の痛み。麻酔クリーム等で軽減をはかる |
| 感染 | 頻度は低いが、注射を伴う治療である以上、可能性は残る |
| 効果が不十分 | 期待した変化が得られない場合がある |
受けられない方・慎重な判断が必要な方
適応の判断は、疾患名だけで一律に決まるものではありません。当院では次のように整理し、診察で個別に判断しています。
| 区分 | 該当する状態の例 |
|---|---|
| 原則として施術を見合わせる場合 | 妊娠中・授乳中の方、施術部位に感染や炎症がある場合、発熱や体調不良がある場合 |
| 主治医との連携・個別判断が必要な場合 | 抗凝固薬・抗血小板薬の服用中、出血傾向、血液疾患、悪性腫瘍の治療中または既往、膠原病などの自己免疫疾患、肝疾患、ケロイド体質 |
| 事前の申告が必要な場合 | 過去の注入治療歴、アレルギー歴、麻酔薬や消毒薬への反応、採血時に気分が悪くなった経験、服用中のお薬やサプリメント |
抗凝固薬や抗血小板薬を服用中の方は内出血が起こりやすくなるため、必ず事前にお申し出ください。服用中のお薬を自己判断で中止することは危険ですので、処方元の医師の指示を優先してください。
高齢の方や皮膚が薄くなっている方では、内出血や治りの経過に影響が出やすいことも踏まえて判断します。未成年の方については、年齢、治療の必要性、ご本人の理解、保護者の同意などを踏まえて個別に判断しますので、事前にお問い合わせください。
早めにご連絡いただきたい症状
施術後の腫れや内出血の多くは時間とともに軽快しますが、次のような症状がある場合は様子を見ずに当院へご連絡ください。痛み、赤み、腫れ、熱感が時間とともに強くなる場合、膿が出る場合や発熱がある場合、急に強い左右差や硬いしこり、著しい膨らみが生じた場合、そして見えにくさや強い眼痛など目そのものの異常を感じる場合です。夜間や休診日の連絡方法についても、施術前にご案内します。
コスト面で考える目元の治療|繰り返す注入とPRP

費用は治療を選ぶうえで避けて通れない要素です。当院では、1回あたりの金額だけでなく、続け方まで含めて考えることをおすすめしています。
通院回数と期間の累計で考える
ヒアルロン酸やボトックスは、成分が分解・代謝されるにつれて状態が戻っていくため、状態を保ちたい場合には定期的な施術が前提になります。数年単位で見ると、通院の回数や、そのたびに生じるダウンタイムの累計は無視できません。
一方でPRP治療は、変化の現れ方が緩やかで、効果の続き方にも個人差が大きいため、単純に「何年に1回」と置き換えて比較できるものではありません。それでも、注入を続けることを前提とした治療と、皮膚の質感や細かな凹凸への変化を目指して検討される治療では、時間軸での考え方が異なるという点は、判断材料になります。
形を補う治療との考え方の違い
PRP治療は、容積を補って形を整えることを目的とした治療ではありません。しわが目立つ部分そのものを埋めるのではなく、皮膚の質感に働きかけることを目指す点で、考え方が異なります。
ただし、これは効果が大きいことを意味するものではなく、方向性の違いにすぎません。どちらが優れているかではなく、悩みの原因に合っているかどうかで選ぶものとお考えください。
自由診療であることと費用の考え方
PRP治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。費用は、注入する部位、使用するPRPの量、必要となる施術回数などによって異なり、診察の結果によっては再診や追加の施術に別途費用が生じる場合があります。当院では治療前に、予定する施術内容、使用量、費用の総額の見込み、追加費用が発生し得る条件をご説明したうえで、ご判断いただいています。
料金は改定される可能性があるため本記事には金額を記載していません。現在の料金は当院のPRP治療ページでご確認いただけます。なお、美容を目的とした自由診療は、原則として医療費控除の対象外とされています。判断に迷う場合は、所轄の税務署や税理士にご確認ください。
目元のPRP治療の流れ|カウンセリングから注入まで

当院のPRP治療は、診察から施術、アフターケアまでを院長が担当します。ここでは実際の流れをご説明します。
カウンセリングと診察
まず、気になっている部位と、これまでに受けた施術の内容をうかがいます。そのうえで皮膚の厚み、しわの状態、表情による動き、たるみの程度を確認し、PRPが適しているか、他の治療を組み合わせたほうがよいかを判断します。
当院ではカウンセラーではなく医師が診察からデザイン、施術までを担当しており、適応がないと判断した場合はその旨をお伝えします。
採血
腕から必要量の血液を採取します。健康診断などの採血と同様の手順で、所要時間も長くはかかりません。採血が苦手な方は、事前にお知らせいただければ体勢などを配慮します。
遠心分離によるPRPの抽出
採取した血液を遠心分離機にかけ、血小板が豊富に含まれる層を分離して抽出します。当院では、この工程を院内で行い、自己血液由来のPRPを作製する体制を整えています。抽出されるPRPの性状は、使用する機器や方法によって差が出ることが知られていますが、それが効果の優劣を意味するものではありません。
注入
麻酔クリームなどで痛みに配慮したうえで、細い針を用いて注入します。目元では、皮膚の薄さを考慮して注入する層と量を細かく調整し、一度に大量に入れない設計をとっています。所要時間は状態によって異なりますが、採血から注入までを含めても長時間拘束されるものではありません。
アフターケアとダウンタイム中の過ごし方
施術当日は、注入部位を強くこすらないようにしてください。メイクや洗顔の可否、入浴や運動、飲酒についての注意点は、当日の状態に合わせてご案内します。内出血が生じた場合、コンシーラーなどでカバーできることもありますが、程度や部位によっては目立つ期間が続きます。前述のとおり、経過中に痛みや腫れが強くなる、目そのものに異常を感じるといった場合は、様子を見ずにご連絡ください。
目元の状態を保ちやすくするためのセルフケア

PRP治療を受けたあとも、日常のケアは皮膚の状態に関わります。治療の効果を保証するものではありませんが、目元の負担を減らす習慣は、状態の維持を考えるうえで意味があります。
保湿と紫外線対策
目元は皮脂腺が少なく乾燥しやすいため、保湿は基本的なケアになります。また、紫外線は真皮のコラーゲンやエラスチンに影響を与えることが知られているため、日焼け止めやサングラス、帽子などによる対策を日常的に続けることが望ましいと考えられます。
摩擦を減らす
クレンジングのときに目元を強くこする、目をかく、アイメイクを落とす際に力を入れるといった習慣は、薄い目元の皮膚に繰り返し負担をかけます。落としにくいアイメイクには専用のリムーバーを使い、こすらずになじませて落とすようにしてください。
睡眠・栄養・喫煙
睡眠不足や喫煙は皮膚の状態に関わる要因として挙げられます。とくに喫煙は血流や創傷の治りに影響することが知られており、施術を受ける前後の時期には控えることをおすすめしています。栄養面では、極端な食事制限を避け、たんぱく質を含むバランスのとれた食事を意識することが基本になります。
福岡天神美容クリニックの目元PRP治療について

当院は小顔脂肪吸引とリフトアップを中心に診療を行っており、PRPをはじめとする注入治療にも継続的に取り組んできました。ここでは、目元のPRP治療における当院の考え方をご説明します。
医師が診察から施術まで一貫して担当
当院では、院長がカウンセリング、診察、施術、アフターケアまでを一貫して担当します。カウンセラーが治療内容を決める体制ではなく、医師が皮膚の状態を直接確認したうえで適応を判断します。
院長は小顔脂肪吸引・リフトアップを中心に美容医療の診療にあたってきた経験にもとづき、目元のように繊細な部位の判断を行っています。院長の経歴については院長紹介ページをご覧ください。
診察と施術に時間をかける体制
目元の治療では、注入する層と量のわずかな違いが仕上がりに反映されます。そのため当院では、診察で状態を確認する時間と、施術そのものに充てる時間を確保したうえで予約をお受けしています。
部位別に最適化した注入設計
部位によって皮膚の厚みも動き方も異なるため、当院では注入する層と量を部位ごとに変えています。目元については一度に大量に注入せず、経過を見ながら追加の要否を判断する方針です。
他の美容医療との組み合わせ
たるみの程度によっては、PRP単独ではなく糸によるリフトや切開によるリフト、あるいは機器を用いた引き締め治療との組み合わせを検討することがあります。フェイスラインに脂肪の厚みが関係している場合には、小顔脂肪吸引を含めてご提案することもあります。
なお、機器を用いた治療のなかには、日本国内で医療機器としての承認を受けていないものがあります。当院で国内未承認の機器を使用する場合には、その機器が未承認であること、入手の経路、国内で同じ目的の承認を受けた医療機器があるかどうか、諸外国での使用状況や報告されているリスク、代替となる治療について、診察時に必ずご説明したうえで判断していただいています。また、複数の治療を組み合わせることで効果が上乗せされると保証するものではありません。
目元のPRP治療に関するよくある質問

診察時によくいただくご質問をまとめました。個別の適応については、診察のうえでご案内します。
PRP治療はなぜ再生医療と呼ばれるのですか
ご自身の血液から抽出した成分を用い、細胞のはたらきへの影響を通じて組織の状態の変化を目指す治療であるためです。美容目的で行われるPRPの皮膚への注入は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づく区分のなかで扱われることがあります。ただし、こうした制度上の枠組みは治療の効果を国が保証するものではなく、また「再生医療」という言葉が、失われた組織を確実に再生させることを意味するわけでもありません。
効果はいつから感じられますか
施術直後に形が変わる治療ではないため、変化を感じるまでには時間がかかります。時期や持続については研究間で報告に幅があり、一律の目安は確立していません。効果の程度を含めて個人差があります。
1回で終わりますか、複数回必要ですか
状態や目指す変化によって異なります。初回の経過を確認したうえで、追加の必要性を判断していく流れが現実的です。
ヒアルロン酸やボトックスとの併用はできますか
状態によっては併用を検討します。目尻の動きによるしわ、目の下のくぼみ、皮膚の質感というように、要因ごとに適した治療を割り当てる考え方です。診察のうえで順序や間隔をご提案します。
ダウンタイムはどのくらいですか
腫れや赤みは数日から1週間程度で軽快することがありますが、内出血やむくみは2週間以上続く場合もあります。大切なご予定がある場合は、少なくとも2週間程度の余裕をもったスケジュールをおすすめします。
しこりや不自然な膨らみは出ませんか
可能性がゼロとは言えません。注入量、製剤、注入する層、体質など複数の要因が関わります。当院では一度に大量に注入せず、目元では層と量を細かく調整する設計をとっていますが、リスクについては施術前に必ずご説明します。
採血が苦手ですが受けられますか
事前にお申し出いただければ、体勢などを配慮して採血を行います。気分が悪くなった場合はすぐに中止し、休んでいただける体制をとっています。
まとめ

目元のヒアルロン酸やボトックスを続けながら、肌そのものの変化を感じにくいと考えてきた方にとって、PRP治療は同じ注入治療の延長ではなく、作用する仕組みの異なる選択肢として位置づけられます。
目元の小じわは、乾燥、表情の動き、たるみといった複数の要因が重なって現れるもので、原因によって適した治療は変わります。
PRPはご自身の血小板に含まれる成分が皮膚の細胞に影響することに着目した治療で、容積を補うヒアルロン酸や、筋肉の動きに作用するボトックスとは目的が異なります。
ただし、目元の小じわに対する変化の大きさや持続期間は研究間で結果が一致しておらず、確立した基準を示せる段階にはありません。当院がPRPをご提案するのは、この限界を前提としたうえで適していると判断した場合に限られます。
また、目の下のくぼみや脂肪の突出、進行したたるみが主な要因である場合には、PRP単独では変化を得にくく、別の治療や併用の検討が必要になることもあります。
治療を選ぶときは、1回あたりの費用だけでなく、内出血や腫れといったリスク、ダウンタイム、将来の追加治療まで含めて総合的に判断することが、納得につながります。
効果があらわれる時期や持続期間、ダウンタイムには個人差があり、本記事の内容は結果を保証するものではありません。
福岡天神美容クリニックでは、院長が診察から施術、その後の経過確認までを担当し、目元の皮膚の状態を直接確認したうえで、PRP治療が適しているかどうかを見きわめます。
目元の小じわの改善を考えている方は、ご予約のうえ、まず診察でご自身の状態に合った方法があるかを相談することから始めてみてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、効果を保証するものではありません。効果の現れ方、持続期間、ダウンタイム、リスクの程度には個人差があります。治療の適応は診察のうえで医師が判断します。気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
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記事執筆:福岡天神美容クリニック 院長 小林 直樹
小顔・輪郭専門医として、ダウンタイムを最小限に抑えた施術に注力。糸リフト、脂肪吸引、切開リフトなどで「腫れにくさ」「自然な仕上がり」を追求してきました。
これまでに顔の脂肪吸引だけで累計4,500件以上、総症例数は1万件超を経験。2024年には年間脂肪吸引症例数 日本一を獲得するなど、豊富な実績に裏打ちされた確かな技術を持ちます。
また、二重整形やくまとり、眉下切開、たれ目形成などの目元治療、ヒアルロン酸・ボトックス注入などの若返り治療も得意分野。丁寧なカウンセリングと万全のアフターフォローで、患者様一人ひとりに寄り添った美容医療を提供しています。
「安心して任せられる美容医療」を信条に、理想の美しさと満足をお届けいたします。
【所属学会】
・日本美容外科学会(JSAS)
・アラガンボトックス認定医
・ジュビダームビスタ認定医
【参考・外部リンク】
一般社団法人 日本再生医療学会 https://www.jsrm.jp/
厚生労働省「再生医療等の安全性の確保等に関する法律について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000150542_00016.html
再生医療等の安全性の確保等に関する法律(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC0000000085
厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/koukoku_kisei/index.html
一般社団法人 日本美容外科学会(JSAPS) https://www.jsaps.com/
Platelet-Rich Plasma and Platelet-Rich Fibrin in Periorbital Esthetics: Systematic Review and Clinical Applications(PubMed) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42392651/
A systematic review of the safety and effectiveness of platelet-rich plasma (PRP) for skin aging(PubMed) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31628542/







