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切開リフトと糸リフトは併用できる?糸リフト後の手術・残った糸の扱いと注意点を解説

クリニックのラウンジの窓辺に座って微笑む女性
目次

糸リフトを何度か受けてきて、そろそろ切開リフト(フェイスリフト手術)も考えたいと感じている方は少なくありません。

その一方で、「以前入れた糸が顔に残っていても手術はできるのか」「糸と切開を一緒に行うと何が違うのか」という疑問から、一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃいます。

糸リフトを繰り返す中で次の選択肢を考える方もいらっしゃいますが、その背景には、糸リフトと切開リフトでは組織への働きかけ方そのものが異なるという事情があります。

切開リフトは、皮膚の下にあるSMAS(表在性筋膜:皮膚と表情筋の間に広がる膜状の支持組織)などを直接移動・固定できる手術であり、糸リフトとは作用の仕組みが異なります。

さらに、切開リフトと糸リフトは対立する選択肢ではなく、同じ手術の中で組み合わせたり、時期をずらして組み合わせたりする「併用」という考え方もあります。

ただし、糸リフトの回数や種類、挿入部位、現在の炎症や硬さ、皮膚の余り、全身の状態などによっては、同時の併用や切開リフトそのものが適さない場合もあり、実際の可否と時期は過去の施術歴を確認したうえで医師が個別に判断します。

そこで本記事では、切開リフトと糸リフトの併用の意味、糸リフト後の手術の可否、残っている糸の扱い、移行のタイミング、ダウンタイムやリスク、費用の考え方までを、解剖学的な根拠とあわせて解説します。

【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹

切開リフトと糸リフトの併用とは

診察室の本棚の前に立つ白衣の男性医師

切開リフトと糸リフトの併用という言葉には、大きく分けて2つの意味があります。

1つは同じ手術の中で両方を組み合わせる方法で、もう1つは時期をずらして順番に受ける方法です。

どちらを指しているかによって、検討すべき内容や注意点が変わるため、まずはこの違いを整理しておきます。

同じ手術の中で組み合わせる「同時併用」

同時併用とは、切開リフトの手術の際に、糸リフト用の糸を用いたリフトアップを同時に行う方法です。

目的は主に2つあり、切開の範囲だけでは働きかけにくい部位を補助的に支えることと、手術で移動させた組織を術後に安定させることです。

たとえば耳の前から行う一般的な切開リフトは、フェイスラインや頬の下側に作用しやすい一方で、目の下や頬骨の上のあたりといった顔の中央部分には、切開範囲や術式によって十分に作用しないことがあります。

切開リフトにもこうした作用範囲の限界があるため、糸による支持を組み合わせるかどうかを症例ごとに診察で検討するのが、同時併用の基本的な考え方です。

時期をずらして組み合わせる「段階的な併用」

段階的な併用には、糸リフトを受けた後に切開リフトへ移るケースと、切開リフトを受けた後に糸リフトを追加するケースがあります。

実際のご相談で多いのは前者で、糸リフトを数回受けてきた方が、次の選択肢として切開リフトを検討されるケースです。

後者は、切開リフト後の経過の中で、部分的なたるみや加齢に伴う変化に対して、状態に応じて糸リフトを検討するケースです。

いずれの場合も、前の施術で組織にどのような変化が起きているかを確認することが、次の施術を計画する出発点になります。

併用の型タイミング主な目的検討される主なケース事前に確認したいこと
同時併用切開リフトの手術と同じ日切開範囲の補助、術後の組織の安定顔の中央まで含めてたるみが気になる場合など併用する糸の本数と部位、糸に伴うリスク
糸リフトから切開リフトへ糸リフトの後、一定の期間をあけて手術糸リフトとは異なる層への外科的な働きかけ糸リフトを繰り返しても満足を保ちにくいと感じる場合など過去の糸の種類、回数、時期、組織の状態
切開リフトから糸リフトへ切開リフト後、組織が落ち着いてから部分的なたるみへの追加の働きかけ術後の経過で気になる部位が出てきた場合など手術記録、傷の治り具合、術後の経過

当院のFTB式SMASフェイスリフトは同時併用の一つの形

福岡天神美容クリニックのFTB式SMASフェイスリフトは、抜糸のいらないSMAS切開リフトと、体内に吸収される糸を用いるFTBリフトを組み合わせたセットメニューです。

当院では、手術で移動・固定した組織の術後管理に関する考え方の一つとして、固定バンドの代わりにFTBリフトを併用する方法を採用しています。

この術式では、固定バンドやドレーン(術後にたまる血液や浸出液を排出する管)を使用せず、抜糸も行わない方法で手術を行っています。

ただし、固定バンドやドレーンを使用しない場合でも、血腫、漿液腫、腫れ、感染などのリスクがなくなるわけではなく、術後の受診の目安や対応については手術前に個別にご説明します。

標準の内容にはFTBリフト2本が含まれており、たるみの状態やご希望によっては本数の追加を検討することもあります。

ただし、固定バンドや抜糸が不要であっても、手術である以上ダウンタイムは生じ、腫れや内出血の程度には個人差があります。

また、この方法が他の術式より優れていると一律にいえるものではなく、適応は切開範囲や皮膚と組織の状態によって異なりますので、診察でご説明しています。

併用すれば効果が上乗せされるとは限らない

切開リフトと糸リフトを併用すれば、その分だけ引き上げの効果が足し算で大きくなると考える方もいらっしゃいますが、そうとは限りません。

糸の本数を増やしても、皮膚の余りが大きい部位や、骨格の変化によるボリュームの低下がある部位では、糸だけで変化を補えないことがあります。

目の下のくぼみや頬のボリューム低下が目立つ場合は、ヒアルロン酸注射などの注入治療の併用が検討されることがあり、脂肪の量が多い場合は脂肪吸引の併用が検討されることもあります。

どの治療をどう組み合わせるかは、たるみの原因と部位を見きわめたうえで個別に判断するものであり、併用が常に最適というわけではありません。

切開リフトと糸リフトは組織への働きかけ方が異なる

窓辺でタブレットを持つ眼鏡の男性医師

併用を考えるうえでは、それぞれの施術が顔のどの組織に、どのように働きかけるのかを知っておくことが大切です。

ここでは、顔の構造とたるみが起こる仕組みを踏まえ、糸リフトと切開リフトそれぞれの特徴を解剖学的な視点から紹介します。

たるみは皮膚・脂肪・SMAS・支持靭帯・骨格の変化が重なって起こる

顔の軟部組織は、皮膚、皮下脂肪、SMAS、表情筋、深部の筋膜や脂肪などが複雑に連続して構成されており、SMASと表情筋の位置関係は顔の部位によって異なります。

加齢に伴うたるみは、皮膚の弾力やハリの低下、脂肪区画(顔の脂肪が小さな区画に分かれて存在する単位)の位置や容量の変化、SMASを含む支持組織のゆるみ、骨格の変化(体積の減少など)が重なって生じると考えられています。

これらの層をつなぎとめているのが、リガメント(支持靭帯:皮膚やSMASなどの軟部組織を骨や深部の組織に固定している線維性の組織)です。

頬骨の周囲や咬筋(噛むときに働く筋肉)の前縁などにあるリガメントの周辺で組織の支えが変化すると、頬の高さの低下や、ほうれい線、マリオネットラインの目立ちとして現れることがあります。

つまり、たるみは一つの層だけの問題ではなく、どの層の変化が大きいかは人によって異なり、フェイスラインの輪郭のゆるみ方にも個人差があります。

糸リフトは挿入した糸で組織を支持・牽引する施術

糸リフトは、コグと呼ばれるとげ状の突起が付いた特殊な糸を皮下に挿入し、組織に引っかけて物理的に支持・牽引する施術です。

糸を挿入する層は、糸の種類や術式、部位によって異なり、一律に浅い層だけに作用すると単純化できるものではありません。

使用される糸には、PDO(ポリジオキサノン)、PLLA(ポリ乳酸)、PCL(ポリカプロラクトン)など、時間の経過とともに体内で分解・吸収される素材が多く用いられています。

素材や太さによって体内で吸収されるまでの期間は異なり、糸の周囲では組織の反応によってコラーゲンの生成が促されるとする報告もあります。

メスを使わない切らない施術で、切開リフトと比べると一般にダウンタイムが短い傾向がある点は、糸リフトを検討する際の特徴の一つです。

たるみが軽度から中程度の場合には改善を目的とした選択肢となることがありますが、得られる変化には個人差があり、皮膚の余りやたるみの原因によっては十分な変化を得にくい場合があります。

当院の糸リフトについては持続の目安を1年から2年程度とご説明していますが、糸の種類や本数、肌の状態によって幅があり、個人差があります。

一方で、SMASなどの支持組織を剥離して移動させ、固定し直す施術ではないため、重度のたるみがある場合には、変化を維持しにくいと感じる方もいらっしゃいます。

切開リフトはSMASなどの支持組織を移動・固定する手術

切開リフトは、こめかみから耳の前、選択する範囲によっては耳の下にかけて、傷跡が目立ちにくい位置を切開して行う手術です。

皮膚の下を剥離してSMASにアクセスし、SMASなどの支持組織を引き上げる操作と固定を行ったうえで、余った皮膚を切除して縫合します。

皮膚だけを強く引っ張るのではなく、支持組織を直接移動・固定できる点が、糸リフトとのアプローチの違いであり、切開リフトの特徴です。

なお、顔の表情をつくる顔面神経の枝は、多くの部位でSMASより深い層を走行しますが、その走行や組織との位置関係は部位によって異なります。

そのため、SMASを扱う手術では、顔面神経の解剖を踏まえた慎重な剥離・固定操作が求められます。

切開リフトの効果は一般に長めと説明されることがありますが、手術後も加齢による組織の変化は続くため、効果が永久に続くわけではなく、持続の感じ方にも個人差があります。

比較項目糸リフト切開リフト
組織への働きかけ糸により組織を支持・牽引する(挿入層や固定方法は糸の種類・術式により異なる)SMASなどの支持組織を剥離・移動・固定し、余った皮膚を切除する
切開・傷跡針穴程度の小さな刺入部耳の周囲や生え際に沿った切開線
ダウンタイム比較的短い傾向糸リフトより長い傾向
持続の考え方糸の種類や状態により幅があり、繰り返し受ける方もいる一般に長めと説明されることがあるが永久ではない
主なリスク腫れ、内出血、ひきつれ、くぼみ、糸の触知や露出、感染など血腫、感染、神経障害、傷跡、脱毛、皮膚の血流障害など

両者の違いをより詳しく知りたい方は、解剖学的な視点から比較した記事もあわせてご覧ください。

糸リフトを受けた後でも切開リフトはできる?

自宅のソファでスマートフォンを見る女性

糸リフトの経験がある方からもっとも多くいただくのが、以前に糸を入れていても切開リフトを受けられるのかというご質問です。

多くの場合、糸リフトの経験があることだけを理由に切開リフトが受けられなくなるわけではなく、手術を検討することは可能です。

ただし、糸リフト後の組織には変化が起きていることがあり、それが手術の計画や難易度に関わるため、事前に知っておきたい点があります。

糸リフト後の組織に起こりうる変化

糸が体内で吸収された後も、糸が通っていた経路に沿って、線維化(組織が硬い線維に置き換わること)や癒着(本来は分かれている組織どうしがくっつくこと)が残ることがあります。

2025年に、吸収糸による糸リフトを2回以上受けた患者10例を対象とする後方視的な症例シリーズ(過去の症例をさかのぼってまとめた小規模な報告)が発表されています。

この報告では、術中に線維化や組織の変形、層どうしの癒着、SMASの動きにくさが観察され、手術操作が複雑になり手術時間が延びたとされています。

同じ報告では、10例中7例で皮膚の再配置が不十分な状態(皮膚の凹凸や余りが残るなど)やくぼみが見られ、1例で一時的な顔面神経の下顎縁枝の麻痺が生じたとされ、著者は糸による組織の変化がリフト効果よりも長く続く可能性を指摘しています。

ただし、これは比較対照群のない少数例の報告であり、1回だけの糸リフトや異なる種類の糸、すべての患者さんに同じ変化が起こることを示すものではありません。

糸リフトを繰り返した後の再手術全般については、切開リフトの回数をテーマにした記事でも取り上げています。

剥離の難しさと仕上がりへの影響

切開リフトでは、皮膚とSMASの間を丁寧に剥離して、それぞれを適切な方向へ移動させる必要があります。

糸の経路に沿って線維化や癒着があると、この層を分ける操作が難しくなり、剥離に時間がかかったり、皮膚の厚みを均一に保ちにくくなったりすることがあります。

その結果として、皮膚の収まりに凹凸が生じたり、術後の経過で左右差が目立ったりする可能性があるため、糸リフト歴のない場合とは異なる観点から慎重に検討する必要があります。

また、癒着がある部位では組織の境目がわかりにくくなるため、SMASより深い層を走る顔面神経への配慮がより重要になります。

こうした影響の程度は、糸を入れた部位や本数、回数、経過した期間、体質によって異なり、診察と手術中の所見で個別に判断することになります。

糸リフトの回数・時期・種類で考え方が変わる

同じ糸リフトの経験者でも、1回だけ受けた方と、何年にもわたって繰り返してきた方とでは、組織の状態が異なる可能性があります。

吸収されるまで時間がかかる素材の糸を使っている場合や、比較的最近に糸リフトを受けた場合は、糸がまだ組織の中に残っていることも想定されます。

そのため、切開リフトを検討する際には、いつ、どこで、どの種類の糸を、何本、どの部位に入れたのかという情報が、手術計画の精度を左右します。

記録が手元になくても、覚えている範囲の情報をお伝えいただくだけで、診察での判断材料になります。

糸リフトの効果が続かないと感じる原因そのものについては、別の記事で解説しています。

残っている糸は手術でどう扱うのか

クリニックの廊下を歩く白衣の男性医師

糸リフト後に切開リフトを受ける場合、残っている糸が手術の妨げにならないか、手術中に取り除いてもらえるのかを気にされる方も多くいらっしゃいます。

ここでは、糸の素材による前提の違いと、手術の中での一般的な考え方を整理します。

吸収される糸と吸収されない糸で前提が変わる

現在の糸リフトでは、時間の経過とともに体内で分解・吸収される糸が主に用いられています。

吸収される糸であれば、十分な期間がたっていれば完全に吸収されて糸自体は残っていないことが多いものの、前述のとおり糸の経路に沿った線維化が残っている場合があります。

一方で、体内で吸収されない素材の糸が用いられている場合もあり、こうした糸は長期間にわたって組織の中に残ります。

吸収されない糸が入っている可能性がある場合は、その位置や状態によって手術計画が変わることがあるため、特に正確な情報共有が大切です。

手術中に糸や線維化した組織に出会ったときの考え方

切開リフトの剥離範囲の中に糸や糸の周囲の硬い組織がある場合、手術の妨げになるものや、術後の違和感につながる可能性があるものについては、状態を見ながら処置を検討します。

ただし、糸は組織に絡んでいたり、細かく分かれていたりすることがあり、剥離範囲の外にある糸も含めて、すべてを取り除けるとは限りません。

無理に取り除こうとすると、周囲の組織や神経を傷つけるおそれがあるため、安全性とのバランスで判断することになります。

どこまで処置を行うかは、診察の段階で想定をお伝えしたうえで、手術中の所見によって最終的に判断します。

糸の状態想定される状況手術計画で確認すること
吸収途中の糸が残っている糸リフトから比較的時間がたっていない場合など糸の種類と挿入時期、腫れや炎症が落ち着いているか
糸は吸収され線維化が残っている糸リフトを繰り返してきた場合など剥離が難しくなる可能性、仕上がりへの影響
吸収されない糸が入っている過去に吸収されない素材の糸を用いた場合など糸の位置と状態、処置の必要性と範囲
糸が露出している、感染が疑われる糸の先端が皮膚から出ている、赤みや痛みが続く場合など先に炎症や感染への対応が必要か

糸が出てきた・触れる・痛むときは自分で処理しない

糸リフトの後、糸の先端が皮膚から出てきたり、皮膚の上から糸に触れたり、特定の部位に痛みが続いたりすることがあります。

2026年には、糸リフトの合併症に関する系統的レビュー・メタ解析(複数の研究結果を統合して分析する手法)が報告されています。

この解析では26研究2,827例を統合し、糸が見える・触れる状態が約10%、皮膚のくぼみまたは左右差が約7%、糸の露出が約5%、感染が約2%と報告されています。

ただし、使用された糸の素材や形状、挿入方法、患者背景、追跡期間、合併症の定義には研究間で大きな違いがあり、項目によっては報告した研究の数も限られます。

そのため、これらの数値を個々の施術で起こる確率としてそのまま当てはめることはできません。

糸が出てきたときに自分で引き抜いたり切ったりすると、感染や傷跡の原因になることがあるため、施術を受けたクリニックか、糸リフトに対応している医療機関にご相談ください。

赤みや腫れ、熱感、膿のような分泌物がある場合は感染症の可能性もあり、切開リフトを予定している場合は、先にその治療を優先することがあります。

糸リフトから切開リフトに移るタイミングと間隔

ダイニングテーブルで手帳を開く女性

糸リフトを受けた後、どのくらいの期間をあけてから切開リフトを受けるべきかは、多くの方が気にされる点です。

ここでは、間隔の考え方と、判断のために確認する項目、切開リフトの後に糸リフトを追加する場合の考え方を解説します。

一律の期間の基準は確立していない

糸リフトから切開リフトまでの間隔について、すべての方に当てはまる期間の基準は、現時点では確立していません。

糸の種類によって吸収までの期間が異なり、組織の反応にも個人差があるため、何か月あければよいと一律に言い切ることはできないのが実情です。

少なくとも、糸リフト直後の腫れや内出血、ひきつれ感といった症状が落ち着き、炎症や感染の兆候がないことを確認してから手術を計画するのが基本的な考え方です。

間隔を判断するときに確認する項目

切開リフトの時期を決める際には、糸リフトからの期間だけでなく、複数の項目をあわせて確認します。

確認項目確認する内容理由
前回の糸リフトの時期いつ受けたか、直近の施術からどのくらいたっているか糸が組織に残っている可能性を推定するため
糸の種類と本数素材、本数、挿入した部位吸収の見込みと、剥離範囲との重なりを確認するため
糸リフトの回数これまで何回受けたか線維化や癒着の可能性を推定するため
現在の症状痛み、ひきつれ、くぼみ、糸の露出、赤み炎症や感染への対応を優先すべきか判断するため
ほかの施術歴ハイフ、ヒアルロン酸、ボトックス、脂肪吸引などの時期と部位組織の状態や手術計画に関わるため
生活上の予定仕事や行事の予定、休みを取れる期間ダウンタイムを見込んだ日程を組むため

ハイフ(HIFU:高密度焦点式超音波)も、機器や設定によってはSMASを含む深さにエネルギーが届く場合があるため、受けた時期や部位をお伝えいただくと手術計画の参考になります。

切開リフトの後に糸リフトを追加する場合

切開リフトの後、経過の中で部分的なたるみが気になってきた場合に、糸リフトを追加するという選択肢もあります。

この場合は、手術による腫れや硬さが落ち着き、組織の状態が安定してから検討するのが一般的な考え方です。

手術で剥離した部位は、術後に組織の性質が変化していることがあるため、糸を入れる部位や層、本数は、手術の内容を踏まえて慎重に決める必要があります。

切開リフトを受けたクリニックとは別の医療機関で糸リフトを受ける場合は、手術を受けた時期や切開範囲をお伝えください。

併用した場合のダウンタイムと術後の過ごし方

窓辺でマグカップを持ってくつろぐ女性

切開リフトと糸リフトを同時に併用する場合も、段階的に受ける場合も、ダウンタイムの中心となるのは切開リフトの経過です。

ここでは、一般的な切開リフトの経過と当院の目安を分けて示したうえで、糸を併用した部位に特有の症状と、術後に気をつけたいことを解説します。

ダウンタイムの経過の目安

一般的な切開リフトでは、手術当日から数日にかけて腫れが強く出やすく、内出血もこの時期に現れることがあります。

腫れや内出血が人目に付きやすい時期は、一般に1週間から3週間程度と幅があり、その後もむくみや硬さが数週間から数か月かけて落ち着いていきます。

当院のFTB式SMASフェイスリフトでは、腫れのピークは3日目程度で、1か月から2か月かけて自然な状態に近づいていく、とご説明しています。

内出血については、術後数日のうちに現れることがあり、色が変化しながら2週間から3週間程度で落ち着くことが多いとお伝えしています。

これらはあくまで当院の目安であり、切開範囲や体質、併用した施術によって経過は異なります。

時期腫れ・むくみ内出血過ごし方の目安
手術当日から3日腫れが強く出やすい時期現れ始めることがある安静を心がけ、処方薬を指示どおりに使う
4日から2週間腫れが徐々に引き始める色が変化しながら薄くなっていく洗顔や入浴は指示された方法で行う
2週間から1か月むくみや硬さが残ることがある多くは落ち着いてくる強いマッサージや顔への圧迫を避ける
1か月から3か月硬さや感覚の鈍さが徐々に軽くなるほぼ目立たない経過観察の診察で状態を確認する
3か月から半年以降組織の状態が落ち着いてくる気になる症状があれば相談する

当院では抜糸のための通院は不要ですが、術後1週間後、1か月後、2か月後に経過観察のためにご来院いただいています。

メイクや仕事への復帰、人前に出る予定は、職種や腫れの程度、回復の早さによって異なるため、余裕を持って計画してください。

腫れや内出血の経過をより詳しく知りたい方は、ダウンタイムを解説した記事をご覧ください。

糸を併用した部位に特有の症状

糸を併用した部位では、切開リフトの経過とは別に、つっぱり感や引きつれ感、皮膚の小さなくぼみを感じることがあります。

大きく口を開けたときや表情を大きく動かしたときに違和感を覚える方もいらっしゃいますが、時間の経過とともに軽くなることが多いものの、経過には個人差があります。

ただし、くぼみや違和感が長く続く場合、糸が皮膚の上から触れる場合、赤みや痛みが強くなる場合は、自己判断で様子を見続けずにご相談ください。

予定日を待たずに連絡が必要な症状

次のような症状がある場合は、予定された診察日を待たずに、手術を受けた医療機関へ速やかにご連絡ください。

症状考えられること
片側だけ急に強く腫れる、張りが急速に強くなる血腫などの可能性
痛み止めを使っても強い痛みが続く、急に悪化する血腫や感染などの可能性
出血が止まりにくい、傷から血液や分泌物が多く出る出血や創部のトラブルの可能性
赤み、熱感、発熱、膿のような分泌物がある感染の可能性
口角が動かしにくいなど、顔の動きに明らかな左右差がある神経症状の可能性
息苦しさ、意識がぼんやりする、強いかゆみや発疹が出る麻酔や薬剤に関連する反応の可能性

夜間や休日の連絡方法は、手術前に必ず確認しておいてください。

自己判断で患部を圧迫したり、糸を抜いたりすることは避けてください。

術後に避けたいこと

術後のケアとして、しばらくは顔を強くもむマッサージや美顔器の使用、うつぶせ寝など、手術部位や糸を入れた部位に強い力がかかる行為は避けてください。

飲酒や激しい運動、長時間の入浴は血流が増えて腫れや内出血が強くなることがあるため、再開の時期は担当医の指示に従ってください。

喫煙は皮膚の血流を低下させ、傷の治りに影響することがあるため、合併症の予防の観点からも手術の前後は控えることが推奨されます。

歯科治療などで長時間大きく口を開ける予定がある場合は、糸を入れた部位への負担を考慮して、時期を事前にご相談ください。

リスク・副作用と慎重な判断が必要な方

診察室の椅子に座る眼鏡の男性医師

切開リフトと糸リフトを併用する場合は、切開リフトに伴うリスクに加えて、糸を用いることに伴うリスクもあわせて理解しておく必要があります。

いずれのリスクも、発生の頻度や程度には個人差があり、適切な対応によって軽快するものもあれば、追加の処置が必要になるものもあります。

切開リフトに伴う主なリスク

切開リフトでは、腫れ、痛み、内出血、傷跡といった経過に伴う症状のほか、血腫(皮膚の下に血液がたまること)、漿液腫(皮膚の下に体液がたまること)、感染が生じることがあります。

また、創傷治癒不良(傷の治りが遅れること)、皮膚壊死を含む皮膚の血流障害、肥厚性瘢痕やケロイド、感覚の鈍さが起こる可能性もあります。

顔面神経の障害による表情の動かしにくさや耳の周囲の形の変化はまれとされますが、麻酔に伴うリスクもあります。

左右差、切開線の周囲の脱毛や生え際の変化が生じたり、追加処置や再手術が必要になったりする可能性もあります。

糸リフトの経験がある方では、前述のとおり線維化や癒着によって剥離が難しくなることがあり、皮膚の凹凸や左右差など、仕上がりに関する課題についても個別に慎重な検討が必要です。

糸の併用に伴う主なリスク

糸を併用する場合は、糸を入れた部位のひきつれ感や違和感、皮膚のくぼみ、左右差、糸が皮膚の上から触れる状態が生じることがあります。

糸の露出や移動、感染、慢性的な炎症によって、糸の除去などの処置が必要になる可能性もあります。

こうしたリスクがあることを理解したうえで、糸の本数や部位を検討することが大切です。

切開リフトのデメリットとリスクの全体像については、別の記事で詳しくまとめています。

手術を受けられない場合や慎重な判断が必要な方

妊娠中の方、授乳中の方、出血しやすい体質の方、抗凝固薬や抗血小板薬など出血に影響する薬を使用している方は、手術の延期や、処方医を含めた事前の確認・調整が必要になる場合があります。

糖尿病など傷の治りや感染に影響する病気、心臓・肺・腎臓・肝臓の病気、コントロールされていない高血圧、麻酔薬や抗菌薬などへのアレルギーをお持ちの方、ケロイド体質の方、喫煙される方も、個別の評価が必要です。

年齢を重ねると皮膚の血流や傷の治り方に影響が出やすくなるため、全身の状態をあわせて確認します。

ここに挙げた項目は代表例であり、服用中の薬やサプリメント、既往歴、アレルギー、妊娠や授乳の状況は、診察時に必ずお伝えください。

薬の中止や変更は自己判断で行わず、処方医にもご確認ください。

費用の考え方と長期的な治療計画

受付カウンターでファイルを渡すスタッフと女性

切開リフトと糸リフトのどちらを選ぶか、あるいは併用するかを考える際に、費用は大切な判断材料の一つです。

ただし、費用は1回あたりの金額だけでなく、今後の治療の組み立て方とあわせて考えることで、判断しやすくなります。

1回あたりの費用だけで比べない

糸リフトは、1回あたりの費用が切開リフトより抑えられることが多い一方で、状態を保つために一定の間隔で受け続ける方もいらっしゃいます。

切開リフトは、1回あたりの費用が高くなる傾向がありますが、それで治療が終わるとは限らず、術後の経過や加齢の変化に応じて、追加の治療を検討する場合もあります。

どちらの選択肢も、ダウンタイムの回数や通院の負担、将来の追加治療の可能性まで含めて比べることで、ご自身に合った計画が見えてきます。

比較の観点糸リフトを定期的に受ける場合切開リフトのみの場合切開リフトと糸を併用する場合
費用の構成1回あたりは比較的抑えやすいが、受ける回数に応じて積み重なる手術1回あたりの費用が大きい手術費用に糸の本数分が加わることがある
効果の考え方糸の種類や状態により幅がある一般に長めと説明されることがあるが永久ではない切開範囲の補助や組織の安定を目的とし、上乗せが保証されるものではない
ダウンタイム1回ごとは比較的短いが、受けるたびに生じる1回あたりは長め切開リフトの経過が中心となる
将来の追加治療繰り返す中で組織の状態を確認しながら検討経過に応じて注入治療や糸リフトを検討する場合がある同左
判断のポイントダウンタイムを抑えたいか、たるみの程度はどうか支持組織への外科的な働きかけが必要な状態か切開範囲だけでは補いにくい部位があるか

この表は、どれか一つの選択肢が費用面で有利であることを示すものではありません。

費用の相場や、クリニックによって費用に差が出る理由については、別の記事で解説しています。

見積もりで確認したいこと

費用を比べる際は、表示価格に含まれる範囲と、別途生じる可能性がある費用を分けて確認することが大切です。

糸リフトの本数を追加する場合、麻酔の種類、術前検査、処方薬、脂肪吸引などほかの施術を併用する場合には、表示価格とは別に費用がかかることがあります。

当院のFTB式SMASフェイスリフトの標準的な費用は、後述の「施術内容・費用・主なリスク」の項に、施術内容やリスクとあわせてまとめています。

福岡天神美容クリニックでの併用のご相談

相談ラウンジのソファで向き合って話す女性と男性医師

切開リフトと糸リフトの併用や、糸リフト後の切開リフトは、過去の施術歴や組織の状態によって検討すべき内容が大きく変わります。

当院では、こうしたご相談に対して、診察で状態を確認したうえで適応を判断しています。

院長がカウンセリングから術後の診察まで担当

当院ではカウンセラー制度を設けておらず、院長がカウンセリングから手術、術後の経過観察まで一貫して担当しています。

診察で確認した過去の施術歴や組織の状態を、執刀する医師がそのまま手術計画に反映できる体制です。

また、1日にお受けする手術の件数を限定して診療を行っています。

院長は、小顔脂肪吸引やフェイスリフトなど、リフトアップに関わる治療を中心に診療を行っています。

施術歴をふまえて適応を見きわめる

他院で受けた糸リフトのご相談も承っています。

糸リフトを繰り返してきた方には、施術歴と現在の状態を把握したうえで、切開リフトで期待できることと難しいこと、糸を併用するかどうかを含めて、率直にご説明します。

診察の結果、切開リフト以外の方法が向いていると判断した場合は、その旨をお伝えし、ほかの選択肢をご提案することもあります。

糸リフトによるリフトアップについては、当院の糸リフト(FTBリフト)のページでもご案内しています。

カウンセリングで伝えていただきたいこと

診察の際には、糸リフトを受けた時期、回数、糸の種類や本数、入れた部位をお伝えください。

ハイフや注入治療、脂肪吸引などほかの施術歴、現在気になっている症状、服用中の薬、アレルギーの有無もあわせてお知らせいただくと、より正確な判断につながります。

施術の説明書や記録が残っていれば、ご持参ください。

不安な点や手術への抵抗感も含めて、納得できるまで詳細をご確認いただいたうえで判断していただければと考えています。

カウンセリングのご予約は、WEBまたはLINEから承っています。

カウンセリング当日の流れについては、別の記事で詳しく解説しています。

FTB式SMASフェイスリフトの施術内容・費用・主なリスク

施術内容は、抜糸のいらないSMAS切開リフトと、体内に吸収される糸を用いるFTBリフトを組み合わせたもので、耳の周囲を切開して皮膚の下を剥離し、SMASなどの支持組織を引き上げたうえで、余った皮膚を処理して縫合します。

施術時間は60分から80分程度が目安ですが、切開範囲や糸リフト歴による癒着の有無などによって長くなる場合があります。

局所麻酔や点滴から鎮静薬を用いる静脈麻酔など、麻酔の方法は診察のうえで決定します。

抜糸のための通院は不要ですが、術後1週間後、1か月後、2か月後に経過観察のためにご来院いただきます。

標準的な費用は次のとおりで、掲載している金額は2026年9月時点のものです。

切開範囲モニター価格定価
ロング(耳珠軟骨まで)500,000円(税込550,000円)800,000円(税込880,000円)
エクストラロング(耳の下まで)800,000円(税込880,000円)1,200,000円(税込1,320,000円)
FTBリフト1本追加ごと40,000円(税込44,000円)70,000円(税込77,000円)

上記の価格にはFTBリフト2本が含まれます。

FTBリフトを追加する場合や、麻酔の種類、術前検査、処方薬、脂肪吸引などほかの施術を併用する場合には、表示価格とは別に費用が生じることがあります。

モニター価格には適用条件があるため、条件の詳細と最新の料金は施術ページおよび料金ページでご確認いただき、ご自身の場合の総額は診察時にご確認ください。

主なリスクは、腫れ、痛み、内出血、傷跡、血腫、漿液腫、感染、創傷治癒不良、皮膚壊死を含む皮膚の血流障害、感覚の鈍さ、顔面神経の障害、耳周囲の変形、左右差、脱毛や生え際の変化、糸によるひきつれやくぼみ、麻酔に伴うリスク、再手術の可能性などです。

切開リフトは公的医療保険が適用されない自由診療です。

切開リフトと糸リフトの併用に関するよくある質問

待合の長椅子でパンフレットを持つ女性

診察でいただくことの多いご質問をまとめました。

個々の状態によって答えが変わる部分もありますので、一般的な考え方としてご覧ください。

何年も前に受けた糸リフトでも切開リフトに影響しますか

年数がたっていても影響がまったくないとは言い切れないため、受けた時期と回数は年数にかかわらずお伝えください。

組織の変化の考え方は「糸リフトを受けた後でも切開リフトはできる?」の項で解説しています。

切開リフトと糸リフトを同じ日に受けることはできますか

切開リフトの手術の中で糸を併用する方法があり、当院のFTB式SMASフェイスリフトもその一つです。

併用する糸の本数や部位は、たるみの状態を診察したうえで決めます。

手術のときに残っている糸はすべて取り除いてもらえますか

すべてを取り除けるとは限らず、どこまで処置するかは安全性とのバランスで判断します。

詳しくは「残っている糸は手術でどう扱うのか」の項をご覧ください。

糸の種類がわからなくても相談できますか

ご相談いただけます。

受けた時期やクリニック名、覚えている説明の内容など、わかる範囲の情報をお伝えいただければ、診察での判断材料になります。

切開リフトの後に糸リフトでメンテナンスはできますか

経過に応じて検討できる場合がありますので、まずは経過観察の際にご相談ください。

まとめ

明るいエントランスに立つ女性

糸リフトを受けてきた方にとって、切開リフトは糸リフトとの二者択一ではなく、組み合わせ方や順番まで含めて考えられる選択肢です。

切開リフトと糸リフトの併用には、同じ手術の中で組み合わせる方法と、時期をずらして受ける方法があり、どちらも目的を明確にしたうえで検討することが大切です。

糸リフトの経験があっても切開リフトを検討できる場合は多い一方で、糸の経路に残る線維化や癒着が剥離の難しさや仕上がりに関わることがあり、残っている糸もすべて取り除けるとは限りません。

だからこそ、糸を入れた時期や回数、種類を正確に共有し、炎症が落ち着いた時期を見きわめて計画することが、手術を安全に進めるための前提になります。

治療を選ぶ際は、1回あたりの費用だけでなく、ダウンタイムやリスク、将来の追加治療の可能性、手術で対応できる範囲まで含めて総合的に判断することをおすすめします。

切開リフトも効果が永久に続くものではなく、効果の現れ方や持続、ダウンタイムには個人差があり、結果を保証するものではありません。

福岡天神美容クリニックでは、院長がカウンセリングから手術、術後の診察まで担当し、他院で受けた糸リフトの経過も確認したうえで、切開リフトと糸リフトの併用が適しているかを見きわめます。

まずは診察で、これまでの施術歴を踏まえてご自身に合った方法を相談することから始めてみてください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、効果を保証するものではありません。

※効果の現れ方や持続、ダウンタイム、リスクの現れ方には個人差があり、記載した内容がすべての方に当てはまるものではありません。

※切開リフト(フェイスリフト手術)および糸リフトは、公的医療保険が適用されない自由診療です。

※本記事に記載したダウンタイムの経過は、当院のFTB式SMASフェイスリフトの術式と術後管理にもとづく院内の目安を含み、他の施設や他の術式に一般化できるものではありません。

※施術の適応および術後の指示は、診察のうえで医師が判断します。

※掲載した費用は2026年9月時点のもので、改定される場合があります。

※表示価格に含まれる範囲と別途生じる費用については、診察時にご確認ください。

【参考・外部リンク】

※学会および公的機関のリンクは、顔の解剖やフェイスリフトの一般的な情報、医療広告に関する情報源として案内するものであり、施術医の所属や資格を示すものではありません。

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