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切開リフトのリガメントとは?支持靭帯の役割と、リガメント法・SMAS法など術式による扱いの違いを解説

待合で頬骨の下からフェイスラインに指先を添えて微笑む女性
目次

切開リフト(フェイスリフト)について調べていると、「リガメント」「リガメント法」「リガメント処理」という言葉を目にすることがあります。

糸リフトやハイフを受けたことがある方の中には、切開リフトではリガメントをどのように扱うのかを知りたいと考えている方もいるかもしれません。

リガメント(支持靭帯)は、骨や深い層の筋膜などの動きにくい組織から、SMASなどの層を貫いて皮膚の裏側や表情筋に向かって伸び、顔の組織を決まった位置につなぎとめている線維性の組織です。

リガメントは組織を引き上げるときの固定点にもなるため、切開リフトでは、どの層をどこまではがし、どのリガメントを処理するかによって、組織の動かしやすさとリスクが変わります。

一方で、リガメントを処理する術式が、処理しない術式よりも仕上がりや持続性で一律に優れるという結論は、現在の医学文献では示されていません。

本記事では、リガメントの種類と位置、加齢によるたるみとの関係、切開リフトでのリガメントの扱い方、顔面神経との位置関係とリスク、糸リフト・ハイフとの違い、当院の施術内容と費用・リスクまでを順に解説します。

なお、ご自身のたるみにどの術式が適しているかは、たるみの状態や皮膚の質によって一人ひとり異なり、診察で判断します。

【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹

リガメント(支持靭帯)とは?顔の組織をつなぎとめる線維性の組織

診察室の棚にある顔の筋肉の模型を眺める白衣の男性医師

まず、リガメントがどのような組織で、顔のどの層にあるのかを整理します。

リガメントの定義

リガメントは英語で「retaining ligament」と呼ばれ、日本語では支持靭帯や保持靭帯と訳されます。

膝や足首の関節をつなぐ靭帯とは異なり、顔のリガメントは、骨や深い層の筋膜から、皮膚の裏側や表情筋に向かって伸びる、線維の束や膜状の組織です。

顔の軟部組織(皮膚・脂肪・筋肉・筋膜など、骨以外の組織)を本来の位置に支える役割があると考えられています。

リガメントの位置や太さには個人差があり、研究者によって分類や呼び方が異なるため、文献でも名称が統一されていない部分があります。

顔の多層構造とリガメントの位置関係

顔は、皮膚、皮下脂肪、SMASを含む表在性の筋膜と表情筋の複合体、深い層の筋膜、深部の脂肪、骨格が関わる多層構造をしています。

SMAS(表在性筋腱膜系:皮下脂肪の下にあり、表情筋を包み込むようにつながる膜状の組織)は、切開リフトで引き上げの中心となる層です。

各層の位置関係や厚みは、顔の部位によって異なります。

リガメントはこれらの層を縦方向に貫くように走り、深い層と、皮膚の裏側や表情筋などの浅い層をつないでいます。

リガメントの表層側の延長は、皮下脂肪をいくつかの区画に仕切る隔壁にもなっていると報告されています。

骨から伸びるリガメントと、筋膜から伸びるリガメント

顔のリガメントは、どこから伸びているかによって、大きく2種類に分けて説明されます。

ひとつは、頬骨や下あごの骨から皮膚へ伸びるリガメントで、骨皮膚靭帯と呼ばれることがあります。

もうひとつは、咬筋(こうきん:奥歯をかみしめるときに働く頬の筋肉)や耳下腺(じかせん:耳の前にある唾液をつくる組織)を覆う深い筋膜から伸びるリガメントです。

筋膜から伸びるリガメントは、骨から伸びるものに比べて膜状で、境界がはっきりしないことが多いとされています。

そのため、リガメントを「皮膚を骨に固定している組織」とだけ説明するのは単純化しすぎです。

実際には、骨と深い筋膜の両方から伸びるリガメントが、SMASを含む軟部組織と皮膚を支えていると考えられています。

切開リフトで知っておきたい顔の主なリガメントと役割

無地の背景の前で斜め横を向いて微笑む女性の横顔

ここでは、切開リフトに関係する主なリガメントの位置と、たるみの見え方との関係を紹介します。

頬骨のリガメント(頬骨皮膚靭帯)

頬骨の下縁付近から皮膚へ伸びるリガメントで、形成外科の文献では「マクレガーパッチ」と呼ばれてきた部分を含みます。

頬の高い位置の皮膚を支えており、頬の組織を上方へ動かそうとするときには、動きを制限する固定点になります。

頬骨のリガメントの近くには、目を閉じる筋肉や口元を引き上げる筋肉に向かう顔面神経の枝(頬骨枝)が通っています。

咬筋のリガメント(咬筋皮膚靭帯)

咬筋の前縁に沿って、上下に並ぶように存在するリガメントです。

頬の下部からフェイスラインにかけての組織を支えており、この部分の支えが弱まると、頬の組織が下がってジョウル(あご先の横にできるたるみ)の一因になると説明されています。

咬筋のリガメントの周囲は、顔面神経の枝が浅い位置に近づく部位を含むため、手術で注意が必要な領域とされています。

下顎のリガメント(下顎靭帯)

下あごの骨の前方、あご先から少し外側の位置で、骨から皮膚へ伸びるリガメントです。

皮膚を下あごの骨につなぎとめているため、その後方の組織が下がると、下顎靭帯の位置に段差ができ、ジョウルの前側の境目として見えやすくなります。

口角から下に伸びるマリオネットラインの見え方にも関わると考えられています。

目の周りのリガメント(眼輪筋保持靭帯など)

目の周りの筋肉(眼輪筋)を、眼窩(がんか:眼球が収まる骨のくぼみ)の縁の骨につなぎとめているリガメントです。

目の下から頬にかけての境目の見え方に関わると考えられており、主に下まぶたや中顔面の手術で扱われることが多い部位です。

耳の前から行う一般的な切開リフトでは、目の周りのリガメントを直接処理するとは限らず、目の下のたるみには別の手術が検討されることがあります。

耳の前・耳下腺周囲のリガメント(広頸筋耳介靭帯など)

耳の前から耳の下にかけては、耳下腺を覆う筋膜と皮膚をつなぐリガメントがあります。

また、広頸筋(こうけいきん:首の前面にある薄い筋肉)の上縁を、耳の周りの皮膚につなぐ膜状のリガメントも報告されています。

切開リフトでは、耳の前の切開線から皮膚やSMASをはがし始める部分にあたり、手術中に層を見分ける目印になるとされています。

主なリガメントの位置とたるみの見え方の整理

ここまで紹介したリガメントを、位置とたるみの見え方との関係で整理すると、次のようになります。

リガメント主な位置どこから伸びるかたるみの見え方との関係(考えられていること)
頬骨のリガメント頬骨の下縁付近骨頬の高い位置を支える。頬の組織を動かすときの固定点になる
咬筋のリガメント咬筋の前縁に沿った位置深い筋膜頬の下部を支える。支えが弱まるとジョウルの一因になる
下顎のリガメントあご先の少し外側骨ジョウルの前側の境目として見えやすい
目の周りのリガメント眼窩の縁骨目の下から頬にかけての境目の見え方に関わる
耳の前・耳下腺周囲のリガメント耳の前から耳の下深い筋膜(耳下腺周囲)、広頸筋の上縁(広頸筋耳介靭帯)切開リフトで剥離を始める部分の目印になる

リガメントの位置や数、太さには個人差があり、すべての方に同じ位置で同じように存在するわけではありません。

リガメントとたるみの関係|加齢で起こる変化

ドレッサーの前で手鏡を見ながら頬に指先を添える女性

次に、加齢によるたるみとリガメントの関係について、現在の考え方を紹介します。

リガメントとリガメントの間の組織が下がりやすくなる

顔の軟部組織には、リガメントで固定された部分と、比較的動きやすい部分が交互に並んでいます。

加齢によって、一部のリガメントやその周囲の支持組織がゆるみ、リガメントとリガメントの間にある組織が下がりやすくなると考えられています。

リガメントで固定された部分はあまり動かないため、下がった部分との境目に段差や溝が生じ、ジョウルや目の下の境目などとして見えやすくなるとされています。

加齢変化のすべてをリガメントで説明できるわけではない

リガメントがどの程度、どのように変化するかは、部位によって異なると考えられています。

文献でも、リガメントの加齢変化や、手術でリガメントを残すべきか処理すべきかについては、議論が続いています。

皮膚・脂肪・SMAS・骨の変化が重なって起こる

顔のたるみは、皮膚のハリの低下、脂肪の減少や位置の変化、SMASのゆるみ、骨格の変化が重なって起こります。

リガメントの変化はその一部であり、どの層の変化が中心かによって、検討される治療も異なります。

顔のたるみが起こる原因の全体像は、顔のたるみの原因と改善方法を解説した記事も参考にしてください。

切開リフトでリガメントはどう扱われるか

廊下の壁に掛かった顔の筋肉の図を見上げる女性

ここからは、切開リフトの手術で、リガメントがどのような意味を持つのかを解説します。

リガメントが引き上げの固定点になる理由

切開リフトでは、耳の周りの切開線から皮膚やSMASをはがし、組織を引き上げて固定し、余った皮膚を切除します。

このとき、リガメントで深い層につながれた部分は動きにくいため、リガメントより顔の中央側の組織を引き上げようとすると、リガメントが抵抗になります。

1989年の解剖学の報告では、頬骨と下あごのリガメントは皮膚を引き上げる操作の妨げになり、皮膚を大きく動かすにはその固定を解除する必要があると述べられています。

リガメントを処理する術式と、処理しない術式

切開リフトの術式は、どの層をはがすか、どこまで剥離範囲を広げるか、リガメントを処理するかどうかによって、いくつかの方法に分けて説明されます。

SMASを折りたたんで縫い縮める方法や、剥離範囲を耳の前の範囲にとどめてSMASを持ち上げる方法では、主にリガメントより耳側の範囲でSMASを動かします。

これに対して、SMASの下を顔の中央側まで剥離し、頬骨や咬筋のリガメントを切り離して組織を動かしやすくする方法もあり、エクステンデッドSMAS法やディーププレーン法などがこれにあたります。

なお、皮膚の下をはがす操作でもリガメントの皮膚側の付着の一部は切り離されるため、「リガメントを処理する」は、主にSMASの下の層でリガメントを切り離すことを指して使われます。

美容医療の情報では、リガメントを処理する切開リフトを「リガメント法」と呼ぶことがあります。

ただし、リガメント法は医学文献で統一された術式名ではなく、医療機関によって指す内容が異なる場合があります。

術式ごとの違いは、ディーププレーンリフトとSMAS法の違いを解説した記事でも詳しく紹介しています。

リガメントを処理する術式の利点と、注意が必要な点

2025年の総説では、リガメントを処理する術式は組織を大きく動かしやすく、頬の中央や首の上部の組織の位置を整えやすいとされています。

一方で、リガメントを残す術式は、体への負担を抑えやすい反面、たるみが強い場合には変化に限りがあると整理されています。

同じ総説では、リガメントの形や位置には個人差があるため、一人ひとりに合わせた手術計画が必要だとしています。

剥離する範囲や層、術式によって、合併症の種類や発生のしやすさ、腫れが落ち着くまでの経過は異なります。

リガメントを処理すれば長持ちするとは限らない

2026年に発表された系統的レビュー(複数の研究をまとめて評価する研究)は、SMASを扱う手技について17件の研究を検討しています。

このレビューでは、さまざまなSMASの手技で良好な結果が報告されていたとしています。

一方で、強いリガメントより内側まで剥離するディーププレーン型の手技が、中顔面の見た目や効果の持続期間を明らかに改善するとは示されていないと結論づけています。

この結論は、耳側の範囲にとどめる手技と比べた場合の評価です。

リガメントを処理するかどうかは術式の優劣ではなく、たるみの状態や皮膚の余り方、求める変化の範囲と、リスクとのバランスで選ばれるものです。

リガメントと顔面神経の位置関係|リガメント処理で注意されるリスク

目を細めて自然に笑う女性の顔

リガメントを処理するうえで、特に注意が必要とされるのが、顔面神経との位置関係です。

顔面神経の枝はリガメントの近くを通る

顔面神経は表情筋を動かす神経で、耳の前から顔の各部へ枝分かれしています。

顔面神経の枝は、多くの部位でSMASより深い層を走行しますが、部位によってSMASとの位置関係は変化し、顔の中央側に向かうにつれて浅い位置に近づく部分があります。

リガメントは顔面神経の枝の近くに位置することが多く、手術では神経の位置を推定する目印としても使われています。

ただし、リガメントと神経の位置関係にも個人差があります。

頬骨と咬筋のリガメントの間は、慎重な操作が必要とされる

22の顔の半側を調べた解剖研究では、頬骨のリガメントと咬筋の上部のリガメントの間を、顔面神経の頬骨枝のうち上側の枝が、深い層で通っていたと報告されています。

一方、下側の枝は咬筋の上部のリガメントの下を通るか、その下縁を貫き、リガメントのすぐ内側下方で浅い位置に出てくることが報告されています。

また、リガメントの分布や大きさ、密度には個人差があったとされています。

リガメントを処理する部位によっては、神経の近くでの操作が必要になるため、術式の選択と手術中の操作には解剖の理解と慎重さが求められます。

顔面神経への影響で起こりうる症状

顔面神経の枝に影響が及ぶと、口元や目元、眉などの動かしにくさや、表情の左右差が生じることがあります。

回復の程度や期間には個人差があり、回復に長い期間を要する場合や、症状が残る可能性もあります。

感覚の鈍さやしびれは、顔面神経とは別の、感覚を伝える神経が関わる症状で、切開リフト後のしびれを解説した記事で詳しく紹介しています。

そのほかに知っておきたいリスク

組織をはがす操作に伴うリスクとして、血腫(皮膚の下に血液がたまること)、漿液腫(しょうえきしゅ:皮膚の下に体液がたまること)、腫れや内出血、皮膚の血流障害、感染などがあります。

どのリスクが起こりやすいかは、剥離する範囲や層、術式によって異なり、持病や喫煙、服薬状況によっても変わります。

糸リフト・ハイフとリガメントの関係

自宅の書斎でノートパソコンを見ながら考える眼鏡の女性

糸リフトやハイフを検討したことがある方に向けて、リガメントへの働きかけという視点で違いを整理します。

糸リフトとリガメント

糸リフトは、皮膚の小さな穴から皮下の層に突起のある糸を通し、組織に引っかけて引き上げる治療です。

糸を入れる層や本数、方向は製品や術式によって異なりますが、リガメントによる固定を切り離す操作は通常含まれません。

切開を伴わないため、切開リフトに比べてダウンタイムが短い傾向がある一方、リガメントで固定された部分を越えて組織を大きく動かすことには限りがあると考えられています。

糸リフトと切開リフトの違いは、糸リフトと切開リフトの違いを解剖学的視点から解説した記事で詳しく紹介しています。

ハイフとリガメント

ハイフ(高密度焦点式超音波)は、皮膚を切らずに、皮膚の下の決まった深さに超音波の熱を集めて、組織の引き締めを目指す治療です。

照射する深さはカートリッジによって異なり、SMASに近い層を対象とするものもありますが、リガメントを切り離したり、組織を移動させたりする治療ではありません。

リガメントへの働きかけからみた治療の違い

切開リフト、糸リフト、ハイフの違いを、リガメントへの働きかけを中心に整理すると、次のようになります。

項目切開リフト糸リフトハイフ
主に働きかける層皮膚、皮下脂肪、SMAS(術式により範囲が異なる)皮下の層(製品・術式により異なる)皮膚の下の決まった深さ(カートリッジにより異なる)
リガメントへの働きかけ術式によって、処理する場合としない場合がある通常、固定を切り離す操作は含まれない切り離す操作は含まれない
余った皮膚の切除行う行わない行わない
ダウンタイムの傾向3つの中では長い傾向切開リフトより短い傾向3つの中では短い傾向
主なリスクの例腫れ、内出血、血腫、顔面神経への影響、傷跡など腫れ、ひきつれ、糸が触れる・見える、感染など赤み、痛み、やけど、神経への影響など

期待できる変化の範囲や経過は、術式、たるみの状態、皮膚の余り、併用する治療によって異なり、持続性を一律に比較することはできません。

切開リフトのリガメント処理について、カウンセリングで確認したいこと

受付カウンターでメモを手に質問する女性と笑顔のスタッフ

リガメントの扱いは、手術の内容とリスクに関わるため、カウンセリングで具体的に確認しておくと判断しやすくなります。

ご自身のたるみは、どの部位のどの層が中心か

頬の高い位置、フェイスライン、口元など、気になるたるみの部位によって、関わるリガメントや層は異なります。

まずは、ご自身のたるみが皮膚の余り、脂肪の位置の変化、SMASのゆるみのどれを中心に起きているのかを、医師と一緒に確認することが大切です。

剥離する層と範囲、リガメントを処理するかどうか

切開する範囲だけでなく、どの層をどこまではがすのか、リガメントを処理するのかどうかを確認しましょう。

処理する場合は、どのリガメントを、どのような目的で処理するのかを聞いておくと、期待できる変化の範囲を理解しやすくなります。

リガメントを処理する場合のリスクと術後の経過

顔面神経への影響を含むリスクと、その場合の経過や対応、腫れや内出血が落ち着いてくるまでの目安を確認しておきましょう。

術後に気になる症状が出たときの連絡方法と、診療時間外の対応も、あわせて確認しておくと安心です。

費用と、術式による違い

術式によって手術時間や費用が変わる場合があるため、見積書で総額と追加費用が生じる条件を確認してください。

カウンセリングで確認しておきたい項目の全体は、切開リフトのカウンセリングで聞くべきことを解説した記事で紹介しています。

当院の切開リフト(FTB式SMASフェイスリフト)の施術内容・費用・リスク

ロビーのベンチで見積書と電卓を確かめる女性

ここでは、当院(福岡天神美容クリニック)で行っている切開リフトについて、施術内容、費用、通院、主なリスクを紹介します。

適応の可否や具体的な施術内容は、診察を行ったうえで判断します。

施術内容

当院のFTB式SMASフェイスリフトは、SMAS切開リフトに、当院でFTBリフトと呼んでいる糸による補助的な処置を組み合わせたセットメニューです。

剥離する範囲は、たるみの状態や切開幅に応じて医師が判断し、診察時にご説明します。

切開幅は、耳珠軟骨(耳の穴の前にある小さな突起)までのLongと、耳下までのExlongの2種類から選択します。

切開幅ごとの主な対象部位は、Longが目元から顔の中央まで、Exlongが目元からほうれい線・口元(マリオネットライン)周辺までで、変化の程度には個人差があります。

切開線は耳の周りのシワや髪の生え際など、目立ちにくい位置にデザインしますが、実際の切開線は皮膚の余り方や耳の形、過去の手術歴などによって一人ひとり異なります。

縫合には皮膚表面の抜糸を必要としない方法を用いていますが、創部の状態確認や術後の診察は必要です。

FTBリフトで使用する糸は、韓国のメーカーで開発され、韓国で承認を受けている、体内に吸収される糸です。

海外の報告では、糸リフトの合併症として、腫れ、皮膚のくぼみ、しびれなどの感覚の異常、糸が見える・触れる、感染、糸の露出などが挙げられています。

これは糸リフト全般の報告で、当院で使用する糸に限ったデータではありません。

必要本数の考え方、追加費用、期待される変化と固有のリスクは、診察時に個別にご説明します。

費用・施術時間・通院

項目内容(2026年10月12日確認)
施術名FTB式SMASフェイスリフト(FTBリフト2本が表示価格に含まれ、3本目以降を追加する場合は1本ごとに追加料金)
施術時間60分から80分(施術ページの表記)
手術と術後の診察手術は1回(抜糸なし)。術後1週間、1か月、2か月を目安に経過観察の来院あり
Long(耳珠軟骨まで)定価800,000円(税込880,000円)/モニター価格500,000円(税込550,000円)
Exlong(耳下まで)定価1,200,000円(税込1,320,000円)/モニター価格800,000円(税込880,000円)
FTBリフト追加(1本ごと)定価70,000円(税込77,000円)/モニター価格40,000円(税込44,000円)
麻酔(料金ページ掲載の別料金)笑気麻酔20,000円(税込22,000円)/静脈麻酔60,000円(税込66,000円)/表面麻酔5,000円(税込5,500円)。使用する麻酔の方法は診察で決定します
別途必要になりうる費用上記の麻酔料金、3本目以降のFTBリフト、同一のお悩みで2回目以降のカウンセリングを受ける場合の再診料15,000円。術前検査、処方薬、追加の処置、修正や再手術などの費用の扱いは治療内容により異なるため、診察時の見積書でご確認ください

手術を決める前に、診察時の見積書で、総額、追加費用が生じる条件、術後の診察や処方薬の費用を必ずご確認ください。

モニター価格は、施術前後に一定回数の写真撮影と通院が可能な方が対象です。

撮影した写真は、モザイクなどの一部加工をしたうえで、当院のホームページ、SNS、ポータルサイトなどで症例データとして利用します。

詳細な条件は院内でご案内します。

料金は改定される場合がありますので、最新の内容は切開リフト(FTB式SMASフェイスリフト)の施術ページでご確認ください。

切開リフトは自由診療であり、公的医療保険は適用されません。

当院の切開リフトは、固定バンドやドレーンを使用しない方法で行っていますが、この方法によって腫れや傷跡などの術後の変化がなくなるわけではありません。

主なリスク・副作用と受けられない場合

切開リフトの主なリスク・副作用には、腫れ、内出血、痛み、頭痛や頭皮のつっぱり感、硬さやひきつれ、しびれや感覚の鈍さ、傷跡の赤みや色素沈着、肥厚性瘢痕、左右差、血腫、漿液腫、感染、皮膚の血流障害や壊死、創傷治癒不良、脱毛や生え際の変化、耳周囲の形の変化、顔面神経の障害、麻酔に伴うリスク、再手術の可能性があります。

FTBリフト(糸による処置)では、糸の露出、感染、ひきつれ、異物感、皮膚のくぼみが生じることがあります。

妊娠中の方は、待機的な美容外科手術を控えることが一般的です。

授乳中の方は、麻酔や処方薬、授乳を再開する時期を含めて個別の確認が必要です。

出血しやすい体質の方、コントロールが不十分な糖尿病や高血圧などの持病がある方、ケロイド体質の方、喫煙される方は、施術を受けられない場合や、慎重な検討が必要な場合があります。

抗凝固薬・抗血小板薬を使用している方は、自己判断で中止せず、処方医と執刀医に相談してください。

アスピリンや一部の鎮痛薬(NSAIDs:一般的な解熱鎮痛薬の一群)、サプリメントも出血のリスクに影響する場合があるため、使用中のものはすべて申告してください。

効果のあらわれ方やダウンタイムの経過には個人差があり、結果を保証するものではありません。

すぐに医療機関へ連絡すべき症状

次のような症状は、血腫や感染、皮膚の血流障害など、早めの対応が必要な状態のサインである可能性があるため、手術を受けた医療機関が案内する緊急連絡先へ直ちに連絡してください。

症状考えられる状態の例
片側だけが急に強く腫れる、痛みが急に強くなる血腫など
首や顎の下が急に腫れて、息苦しさや飲み込みにくさがある血腫による気道の圧迫など
止まりにくい出血がある出血、血腫など
発熱、傷からの膿のような排液、赤みや熱感が広がる感染など
皮膚の色が白っぽい、紫色、黒っぽく変化する皮膚の血流障害など
急に顔が動かしにくくなる、目が閉じにくい顔面神経への影響など

息苦しさや強い胸の痛み、ろれつが回らない、片側の手足が動かしにくいといった症状がある場合や、医療機関と連絡がつかない場合は、術後の経過と決めつけず、119番への救急要請を優先してください。

術後の経過観察と相談体制

当院では、院長の小林が執刀を担当します。

施術後の経過はLINEでもご相談いただけます。

急な腫れや出血など急ぎの症状があるときは、お電話(092-401-5012)でご連絡ください。

診療時間外の連絡方法は、手術前のご説明の際に必ずご確認ください。

切開リフトのリガメントに関するよくある質問

ソファでスマートフォンに文字を入力して微笑む女性

最後に、切開リフトとリガメントについて、よくある疑問にお答えします。

リガメントを処理すると、顔の支えがなくなってしまいませんか?

リガメントを処理する術式でも、処理するのは手術で動かす範囲の一部のリガメントで、顔のすべてのリガメントを切り離すわけではありません。

引き上げた組織は縫合などで固定し、治癒の過程で周囲の組織となじんでいきますが、術後の経過には個人差があります。

リガメント法を受ければ、ほうれい線は消えますか?

ほうれい線は、頬の組織の下垂だけでなく、皮膚の質、脂肪の量や位置、骨格、表情の癖などが関わって生じるため、どの術式でも消えると約束することはできません。

ほうれい線のどの部分にどこまで変化が期待できるかは、診察でご状態を確認したうえでご説明します。

マッサージでリガメントを鍛えることはできますか?

マッサージや顔の筋肉のトレーニングでリガメントを強くできることを示す医学的根拠は、確認されていません。

強い力で顔をこすると、皮膚への刺激になることがあるため、術後のマッサージは医師の指示に従ってください。

糸リフトを受けたことがあっても、切開リフトは受けられますか?

糸リフトを受けたことがある方でも、切開リフトを検討できる場合があります。

ただし、残っている糸の種類や位置、組織の状態によって手術の進め方が変わることがあるため、受けた時期や糸の種類を診察でお伝えください。

糸リフト後の切開リフトについては、切開リフトと糸リフトの併用を解説した記事で詳しく紹介しています。

まとめ

エレベーターから笑顔で歩き出す三つ編みの女性

リガメント(支持靭帯)は、骨や深い層の筋膜などから、SMASなどの層を貫いて皮膚の裏側や表情筋に向かって伸び、顔の組織を決まった位置につなぎとめている線維性の組織です。

頬骨、咬筋、下あご、目の周り、耳の前などに存在し、たるみが段差や境目として見えやすい位置に関わっていると考えられています。

切開リフトでは、リガメントが引き上げの固定点になるため、どの層をどこまではがし、どのリガメントを処理するかによって、組織の動かしやすさとリスクが変わります。

リガメントの近くには顔面神経の枝が通るため、リガメントを処理する場合は、神経への影響を含むリスクを理解しておく必要があります。

一方で、リガメントを処理する術式が、処理しない術式よりも仕上がりや持続性で一律に優れるという結論は示されておらず、術式はたるみの状態とリスクとのバランスで選ばれます。

糸リフトやハイフは、リガメントの固定を切り離す治療ではないため、切開リフトとは働きかけ方が異なります。

本記事の内容は一般的な目安であり、効果や経過を保証するものではありません。

当院では、切開リフト(FTB式SMASフェイスリフト)について、院長が直接カウンセリングを行い、執刀を担当しています。

ご自身のたるみにどのような術式が考えられるかを詳しく知りたい方は、剥離する範囲、費用、リスク、術後の対応を確認したうえでご判断いただけるよう、まずは診察でご相談ください。

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参考資料

本記事は、形成外科・美容外科領域の学会誌などに掲載された論文や公的機関の情報をもとに作成しています。

施術の適応、術式、費用、リスク、ダウンタイムは個別に異なるため、診察時に担当医へご確認ください。

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