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フェイスリフト(切開リフト)の麻酔|局所・静脈・全身の違いと選び方を解説

明るいクリニックのラウンジで穏やかにほほ笑む女性
目次

たるみをしっかり改善したいと考えて切開リフト(フェイスリフト)を検討し始めると、多くの方が施術内容とあわせて「麻酔はどうするのか」という点に不安を感じます。

皮膚を切開してSMAS(表在性筋膜:皮膚と表情筋の間にある膜状の組織)などの支持組織に働きかける手術だからこそ、「手術中に痛みはないのか」「局所麻酔で済むのか、それとも全身麻酔なのか」「麻酔そのものに危険はないのか」といった疑問が次々に浮かぶのは自然なことです。

麻酔は、切開リフトの安全性と快適さを支える重要な要素です。

どの麻酔を選ぶかによって、手術中の意識の有無や体への負担、術前に必要な準備が変わってきます。

一方で、麻酔の種類や選び方は施術範囲や体の状態によって異なるため、「これが一番」という単純な正解があるわけではありません。

そこで本記事では、切開リフトで用いられる麻酔の種類とそれぞれの違い、施術範囲や体質に応じた選び方、麻酔に伴うリスクとその管理、そして術前のカウンセリングで確認・準備しておきたいことまでを、美容外科の視点から整理して解説します。

麻酔への不安を具体的な知識に置き換え、安心して検討を進めるための材料としてお役立てください。

なお、本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたもので、効果やリスクの現れ方には個人差があります。

実際にどの麻酔が適しているかは、必ず医師の診察のうえで判断されます。

【記事執筆】福岡天神美容クリニック 院長 小林直樹

切開リフト(フェイスリフト)で麻酔が必要な理由

診察室で資料を示しながら説明する男性医師

切開リフトは、耳の周囲など傷跡が目立ちにくい位置を切開し、皮膚の下にあるSMASなどの支持組織を引き上げて固定し、余った皮膚を処理する手術です。

皮膚の表面だけでなく、皮下の組織を剥離(周囲から切り離す操作)して調整するため、糸を挿入する施術や照射による治療とは作用の仕組みが異なります。

こうした操作を安全に、かつ患者の負担を抑えて行うために、麻酔が欠かせません。

麻酔の役割は「痛みをなくすこと」だけではありません。

まずは、切開リフトがどのような手術で、そのなかで麻酔がどのような働きをしているのかを整理しておきましょう。

切開リフトはどのような手術か

切開リフトは、加齢によって生じる顔のたるみに対して、皮膚・皮下脂肪・SMASなどの支持組織・支持靭帯・骨格といった複数の要素が関わる変化のうち、主にSMASなどの支持組織へ外科的に働きかける施術です。

頬やフェイスラインの下垂の改善が期待できますが、作用する範囲は切開の範囲やSMAS・靭帯の処理方法によって異なり、目の下のくぼみや中顔面のボリューム低下などには、ほかの治療の併用が必要になることもあります。

皮膚を切開して深い層まで操作するため、手術時間は術式や範囲によって幅がありますが、ある程度まとまった時間がかかります。

この間、痛みや体の動きを抑え、安全に手術を進めるための土台となるのが麻酔です。

麻酔が果たす3つの役割

麻酔には、痛みを感じさせないことに加えて、複数の重要な役割があります。

第一に、手術中の痛みを遮断し、患者が苦痛なく手術を受けられるようにすること。

第二に、痛みによる体の動きを防ぎ、血管や神経など傷つけてはいけない組織を守りながら、医師が精密な操作に集中できる環境をつくること。

第三に、痛みや緊張による血圧の上昇・心臓への負担といった身体的ストレスをやわらげることです。

つまり麻酔は、患者の快適さと手術の安全性・精度の両方を支えています。

切開リフトのように皮下を剥離してSMASを操作する手術では、こうした麻酔の働きが特に重要になります。

切開リフトで使われる麻酔の種類

デスクで資料を手に説明する男性医師

切開リフトで用いられる麻酔には、いくつかの種類があります。

単独で使うこともあれば、複数を組み合わせて使うこともあり、クリニックや施術範囲によって選択は異なります。

ここでは、代表的な麻酔の種類と、それぞれの特徴を確認していきます。

表面麻酔と局所麻酔(注入麻酔)

表面麻酔は、クリームやテープ状の麻酔薬を皮膚に塗布・貼付するもので、ごく浅い皮膚表面の感覚をやわらげます。

切開リフトでは、麻酔の注射針を刺すときのチクッとした痛みを軽減する補助的な目的で使われることがあります。

局所麻酔(注入麻酔)は、施術する部位の周囲に麻酔薬を注射で注入し、その範囲の感覚を一時的に遮断する方法です。

意識ははっきりと保たれるため、医師と会話をしながら手術を進められるのが特徴です。

切開リフトでは、後述する静脈麻酔などと組み合わせて用いられることが多く、手術中の痛みを抑える中心的な役割を担います。

静脈麻酔(静脈内鎮静法)

静脈麻酔は、点滴(静脈)から鎮静薬を投与し、うとうととした眠気のある状態をつくる方法で、静脈内鎮静法(セデーション)とも呼ばれます。

恐怖心や緊張をやわらげ、手術中の記憶が残りにくくなるのが特徴です。

全身麻酔とは異なり、自発呼吸を維持した状態で行われることが一般的ですが、鎮静の深さや使用する薬剤、体質によっては呼吸が弱くなったり気道がふさがれたりすることがあり、その場合は気道の確保や呼吸の補助が必要になります。

切開リフトでは、局所麻酔と静脈麻酔を併用することがよくあります。

局所麻酔で手術部位の痛みを抑えつつ、静脈麻酔で不安やストレスをやわらげることで、意識を完全に消失させなくても、患者がリラックスした状態で手術を受けられるようにする組み合わせです。

全身麻酔

全身麻酔は、吸入麻酔薬や静脈麻酔薬を用いて完全に意識を消失させ、痛みを感じない状態にする方法です。

呼吸を管理するために、気管挿管や声門上器具(のどに留置して気道を確保する器具)などによる気道確保を行い、専用の設備と管理体制のもとで実施されます。

手術範囲が広い場合や手術時間が長い場合、あるいは患者が「まったく意識のない状態で受けたい」と希望する場合などに選択されます。

手術中の痛みや意識を確実に遮断できる一方、麻酔後にのどの痛みや吐き気が生じることがあるなど、体への負担は局所麻酔に比べて大きくなります。

出血を抑える腫脹麻酔(tumescent)という工夫

切開リフトの局所麻酔では、腫脹麻酔(tumescent:チュメセント麻酔)と呼ばれる方法が用いられることがあります。

これは、局所麻酔薬を生理食塩水で薄め、血管を収縮させるエピネフリン(アドレナリン)などを加えた溶液を、手術する層に広く注入する方法です。

腫脹麻酔には、痛みをやわらげるだけでなく、エピネフリンの血管収縮作用によって手術中・術後の出血や内出血を抑える、注入した液体によって組織の層を分け、血管や神経など周囲の組織を確認しながら剥離操作を行いやすくする、といった目的があります。

出血を抑える工夫は、術後の腫れや内出血、ひいてはダウンタイムにも関わってきます。

ただし、こうした工夫を行ってもダウンタイムは生じ、その程度には個人差があります。

以下に、切開リフトで使われる主な麻酔の特徴を整理します。

麻酔の種類手術中の意識主な対象範囲特徴
表面麻酔(クリーム・テープ)ありごく浅い皮膚表面針を刺す痛みをやわらげる補助的な麻酔
局所麻酔(注入麻酔)あり施術する部位施術部位に麻酔薬を注入。会話ができる
腫脹麻酔(tumescent)あり手術する層(広範囲)薄めた局所麻酔薬+血管収縮薬。止血や組織保護にも働く
静脈麻酔(静脈内鎮静法)うとうととした状態全身点滴から鎮静薬。緊張をやわらげ記憶が残りにくい。自発呼吸を維持して行うのが一般的だが、呼吸抑制が起こることもある
全身麻酔なし全身意識を完全に消失。気道確保と呼吸管理を行う

麻酔の種類や組み合わせはクリニックや施術範囲によって異なります。

実際にどの麻酔が用いられるかは、カウンセリングで確認しておくとよいでしょう。

局所麻酔・静脈麻酔・全身麻酔の使い分けと選び方

相談スペースで考えごとをする女性

「切開リフトの麻酔は局所か、全身か」という問いに一律の答えはありません。

どの麻酔を選ぶかは、施術範囲や手術時間、患者の不安の強さや希望、全身状態や持病など、複数の条件を踏まえて医師が判断します。

ここでは、麻酔を選ぶ際に考慮される主な視点を整理します。

施術範囲・手術時間による選択

切開リフトには、こめかみや頬の一部にとどめる比較的小さな範囲のものから、フェイスラインや首まで含む広い範囲のものまで幅があります。

範囲が狭く時間が短い施術では、局所麻酔や、局所麻酔と静脈麻酔の併用で対応できることが多い一方、広範囲で時間のかかる施術では、全身麻酔が選択肢になることもあります。

施術範囲は、たるみの状態や希望する仕上がりによって決まります。

そのため、麻酔の選択は施術内容の設計と切り離せず、両者をあわせて検討することになります。

不安の強さ・希望による選択

「手術中に意識があるのが怖い」「何をされているか分からない状態で受けたい」という希望の強さも、麻酔選びの大切な要素です。

意識を保ったまま受けることに抵抗がある場合は、静脈麻酔の併用や全身麻酔が検討されます。

反対に、体への負担をできるだけ抑えたい場合は、局所麻酔を中心とした方法が選ばれることもあります。

どちらが優れているというものではなく、安全に手術を行える範囲のなかで、患者の希望と体の状態のバランスをとって決めていきます。

全身状態・持病による選択

麻酔の選択には、患者の全身状態や持病が大きく関わります。

心臓や呼吸器、肝臓・腎臓などの持病がある方、アレルギー体質の方、高齢の方などでは、麻酔の種類や量に配慮が必要になり、場合によっては特定の麻酔を避けたり、より慎重な管理体制のもとで行ったりすることがあります。

こうした判断のためにも、術前に体の状態を正確に伝えることが欠かせません。

麻酔の選び方は、手術の設計と体の状態、そして患者の希望を総合して決まるものだと理解しておきましょう。

切開リフトの麻酔にまつわる痛みはどれくらいか

明るい院内で安心した表情の女性

麻酔について調べる方の多くが気にするのが、「結局どのくらい痛いのか」という点です。

麻酔は痛みを抑えるためのものですが、麻酔そのものに伴う感覚や、麻酔が切れた後の痛みについて知っておくと、過度な不安を持たずに済みます。

ここでは麻酔と痛みの関係を整理します。

麻酔注射時の痛みと軽減の工夫

局所麻酔や腫脹麻酔では、麻酔薬を注射で注入する際に、チクッとした痛みや薬液が広がる感覚を覚えることがあります。

この痛みを軽くするために、事前に表面麻酔を併用する、細い針を使う、薬液をゆっくり注入するといった工夫が行われます。

静脈麻酔を併用する場合は、鎮静が効いた状態で注射を行うことで、注射時の感覚もやわらぎます。

手術中の感覚

麻酔が適切に効いていれば、手術中の痛みは抑えられます。

局所麻酔や腫脹麻酔で手術部位の感覚がやわらぎ、必要に応じて静脈麻酔や全身麻酔が加わることで、痛みはコントロールされます。

ただし、局所麻酔で意識を保っている場合は、引っ張られるような感覚や圧迫感、状況によっては痛みを感じることもあります。

感じ方には個人差があり、手術中に痛みや違和感がある場合は、状態を確認したうえで麻酔の追加などで対応します。

麻酔が切れた後の痛みへの対応

麻酔の効果が切れてくると、手術部位に痛みや張り、腫れを感じるようになります。

この時期の痛みは処方される痛み止めなどで対応するのが一般的で、時間の経過とともに徐々に落ち着いていきますが、その程度や続く期間には個人差があります。

術後の痛みの経過や具体的な軽減方法については、別記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

麻酔に伴う副作用・合併症とリスク

診察室で立って説明する眼鏡の男性医師

麻酔は安全性を高めるための医療行為ですが、どの麻酔にも一定のリスクや副作用が伴います。

頻度が高いものからきわめてまれなものまでありますが、あらかじめ知っておくことは、安心して手術に臨むうえでも、術前の説明を正しく理解するうえでも大切です。

ここでは、麻酔の種類ごとに主なリスクを整理します。

局所麻酔に伴うリスク

局所麻酔で注意すべきものの一つに、局所麻酔薬中毒があります。

これは、麻酔薬が過量に血管内へ入るなどした場合に、めまい、耳鳴り、口のしびれ、まれにけいれんや心臓・循環器への影響などが起こるものです。

頻度はまれですが、日本麻酔科学会が対応の指針を示すなど、医療現場で注意が払われています。

適切な用量管理によってリスクを抑えることが重要です。

また、麻酔薬に対するアレルギー反応がまれに起こることや、腫脹麻酔に含まれるエピネフリンの作用で一時的に動悸や血圧の上昇を感じることがあります。

静脈麻酔(鎮静)に伴うリスク

静脈麻酔では、鎮静薬の作用で呼吸が浅くなったり、血圧が下がったりすることがあります。

また、覚醒後に吐き気やふらつき、眠気が残ることもあります。

こうした変化に対応するため、静脈麻酔を行う際には、血圧・脈拍・血液中の酸素濃度などをモニターで監視し、必要に応じて処置を行う体制が求められます。

全身麻酔に伴うリスク

全身麻酔では、術後に吐き気・嘔吐が起こることや、気道確保のための挿管によってのどの痛みや声のかすれが生じることがあります。

これらの多くは数日のうちに落ち着くとされています。

きわめてまれな重篤な合併症として、麻酔薬などをきっかけに体温が急激に上昇する悪性高熱症があります。

日本麻酔科学会のガイドラインでは、その発症頻度は全身麻酔10万件あたり0.18〜3.9件と報告されており、きわめてまれですが、迅速な診断と治療が必要な合併症です。

このほか、アレルギー反応(アナフィラキシー)などのリスクもあります。

頻度はごくわずかですが、麻酔には生命に関わる重篤な合併症が生じる可能性もゼロではないため、全身麻酔は専用の設備と管理体制のもとで慎重に行われます。

以下に、麻酔の種類ごとの主なリスク・副作用をまとめます。

麻酔の種類主なリスク・副作用
局所麻酔・腫脹麻酔注射時の痛み、局所麻酔薬中毒(まれ)、アレルギー反応(まれ)、エピネフリンによる動悸・血圧上昇
静脈麻酔(鎮静)呼吸が浅くなる、血圧低下、吐き気・ふらつき、覚醒後の眠気
全身麻酔術後の吐き気・嘔吐、のどの痛み・声のかすれ、悪性高熱症(きわめてまれ)、アレルギー反応

いずれのリスクも、現れ方には個人差があります。

表に挙げたものがすべての方に起こるわけではなく、多くは適切な管理によって予防・対応が可能とされています。

麻酔のリスクを抑えるための安全管理

モダンな院内に立つ男性医師

麻酔に伴うリスクは、適切な管理体制によって抑えることができます。

麻酔を安全に行うために医療現場で何が行われているのかを知ることは、クリニックを選ぶ際の視点にもつながります。

ここでは、麻酔の安全管理を支える主な要素を紹介します。

術中モニタリングと救急対応体制

静脈麻酔や全身麻酔を行う際には、麻酔の深さや患者の状態に応じて、血圧・心電図・血液中の酸素濃度(SpO2)・呼吸などを監視します。

こうしたモニタリングによって、体の変化を早期に把握し、異常があればすぐに対応できるようにしています。

局所麻酔の場合も、手術の内容や麻酔薬の使用量、患者の全身状態に応じた観察と管理が必要です。

あわせて、万一の事態に備えた救急対応の体制が整っていることも、安全性を支える重要な条件です。

麻酔薬の適切な用量管理

局所麻酔薬中毒などのリスクを抑えるうえで、麻酔薬の量を適切に管理することは欠かせません。

安全性は麻酔薬の濃度だけで決まるものではなく、薄い濃度でも大量に注入すれば総投与量は多くなります。

使用する薬剤の種類や総投与量、体格・全身状態などを踏まえ、安全な範囲で用いることがリスク低減の基本です。

腫脹麻酔で局所麻酔薬を希釈して広い範囲に注入する場合も、こうした総量の管理を前提に行われます。

麻酔を担当する体制

どのような体制で麻酔を行うかも、安全性に関わります。

全身麻酔や深い鎮静を伴う場合には、麻酔の管理に習熟した医師が関与し、施術を行う医師とは別に全身状態を管理することが望まれます。

クリニックを選ぶ際には、どの麻酔をどのような体制で行うのか、合併症が起きた場合の対応方針が具体的に説明されるかどうかを確認するとよいでしょう。

術前の麻酔カウンセリングで確認・準備すべきこと

カウンセリングで向き合って話す女性と男性医師

麻酔を安全に受けるためには、患者自身が術前に正確な情報を伝え、必要な準備を整えることが欠かせません。

上位の解説記事でも見落とされがちなポイントですが、術前カウンセリングでの情報共有は、麻酔の選択と安全管理の土台になります。

ここでは、確認・準備しておきたいことを整理します。

医師に必ず伝えるべき情報

麻酔の種類や量を安全に判断するために、体の状態や過去の経験を正確に伝えることが重要です。

特に、持病や常用薬、アレルギー歴、過去の麻酔経験は、麻酔の可否や方法を左右する情報になります。

伝え忘れがないよう、あらかじめ整理しておきましょう。

伝えるべき項目具体的な内容の例
既往歴・持病心臓・血圧・呼吸器・肝臓・腎臓などの疾患
アレルギー歴薬・食物・消毒薬などへのアレルギー
服用中の薬・サプリ特に血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)など
過去の手術・麻酔麻酔でのトラブルや気分不良の経験の有無
妊娠・授乳妊娠中・授乳中、またはその可能性
生活習慣喫煙・飲酒の習慣

血液をサラサラにする薬を服用している場合、出血のリスクとの関係で、手術前に休薬が必要になることがあります。

休薬の可否や期間は必ず医師の指示に従い、自己判断で中止しないことが大切です。

麻酔前の食事制限と当日の過ごし方

静脈麻酔や全身麻酔を行う場合、麻酔中の嘔吐や誤嚥(吐いたものが気管に入ること)を防ぐために、指示された時間から飲食を控える絶飲食が必要になります。

日本麻酔科学会も、安全のための術前の絶飲食について指針を示しています。

絶飲食の時間は、食事・乳製品・水などの内容によって異なり、患者ごとに指示も変わります。

自己判断で決めず、医療機関から指定された時間と内容を必ず守りましょう。

また、鎮静や全身麻酔を受けた後は、眠気やふらつき、判断力の低下が一時的に残ることがあるため、当日は車・バイク・自転車の運転を避けてください。

帰宅方法や付き添いの要否は、麻酔の方法や施設の方針によって異なるため、事前に確認し、医療機関の指示に従って手配しておくと安心です。

風邪や発熱など当日の体調不良も、麻酔の安全に関わるため、遠慮せず申告してください。

麻酔が切開リフトの仕上がり・ダウンタイムに関わる理由

窓辺に立ち前を向いてほほ笑む女性

麻酔は、手術中の痛みを抑えるだけでなく、術後の経過や仕上がりにも間接的に関わっています。

どのような麻酔管理が行われるかが、腫れや内出血の程度、そして手術の精度に影響しうる点を押さえておきましょう。

出血を抑える麻酔とダウンタイムの関係

前述の腫脹麻酔のように、エピネフリンの血管収縮作用を利用して手術中・術後の出血を抑える工夫は、術後の内出血や腫れの程度に関わってきます。

出血や組織へのダメージを抑えることは、ダウンタイムの経過にも影響しうる要素です。

ただし、こうした工夫を行っても、切開リフトである以上、腫れ・内出血・むくみといったダウンタイムは生じます。

腫れが強く出やすいのは手術直後から数日で、目立つ時期は数日から1〜2週間程度と幅があり、その後も硬さやむくみが数週間残ることがあります。

これらの経過や程度には個人差があり、軽く見積もらずに検討することが大切です。

適切な麻酔管理が手術の精度を支える

麻酔が十分に効き、患者が安定した状態を保てていることは、医師が精密な操作に集中できる環境につながります。

皮下を剥離してSMASなどの支持組織を扱う切開リフトでは、こうした環境が手術の質を支える一因となります。

麻酔は、単に痛みをなくすだけでなく、安全で精度の高い手術を成立させるための基盤だといえます。

切開リフトの術後経過やダウンタイムの詳細については、別記事もあわせてご確認ください。

麻酔・手術で慎重な検討が必要なケースと注意点

診察室で着席して説明する眼鏡の男性医師

切開リフトの麻酔を検討するうえでは、麻酔だけでなく手術全体のリスクも含めて、総合的に判断することが大切です。

特に、麻酔や手術に慎重な検討を要するケースを知っておくことは、安全な選択につながります。

麻酔や手術に注意が必要な方

心臓や呼吸器などの持病がある方、アレルギー体質の方、血液をサラサラにする薬を服用している方、糖尿病などのある方、妊娠中・授乳中の方などは、麻酔や手術にあたって慎重な検討や事前の調整が必要になります。

ケロイド体質の方は傷跡の面で、喫煙習慣のある方は傷の治りの面で、それぞれ注意が求められます。

また、高齢の方は皮膚の血流や傷の治りに影響が出やすいため、より慎重な判断が必要です。

これらに当てはまる場合でも一律に手術ができないわけではありませんが、医師との十分な相談が前提になります。

切開リフト自体のリスクも含めて総合的に検討する

麻酔のリスクだけでなく、切開リフトという手術そのもののリスクも理解しておく必要があります。

切開リフトでは、顔面神経への影響(顔面神経は皮膚やSMASよりも深い層を走行します)、皮膚の血流障害や創傷治癒の遅れ、耳の周囲の変形、傷跡、内出血や血腫、漿液腫(体液がたまること)、一時的な感覚の鈍麻、生え際や毛髪の変化、左右差、そして状態によっては再手術の可能性などが、起こりうるリスクとして挙げられます。

こうしたリスクや、腫れ・内出血などのダウンタイム、麻酔の負担までを含めて、手術を受けるかどうかを判断することが大切です。

切開リフトの仕組みやリスクをより詳しく知りたい方は、SMASフェイスリフトの仕組みを解説した記事もあわせてご覧ください。

福岡天神美容クリニックの麻酔と切開リフト(FTB式)への配慮

クリニックのエントランスで話す女性と男性医師

ここまで、切開リフトの麻酔について一般的な内容を解説してきました。

最後に、福岡天神美容クリニックでの切開リフトと、麻酔・術後管理に対する考え方をご紹介します。

院長が一貫して担当する診療体制

福岡天神美容クリニックでは、小顔脂肪吸引・リフトアップを専門に診療しており、院長がカウンセリングから手術、術後の診察までを担当します。

麻酔をどうするかを含め、施術内容や体の状態を踏まえた判断を、診察を通じて一貫して行う体制をとっています。

麻酔や手術に不安がある方は、カウンセリングの段階で疑問を相談し、納得したうえで検討を進めていただけます。

FTB式SMASフェイスリフトと麻酔・術後管理

当院の切開リフトは、SMASを引き上げるフェイスリフトを基本に、固定バンドや抜糸を必要としない設計を取り入れたFTB式SMASフェイスリフトです。

麻酔の種類や術後管理については、施術範囲やお一人おひとりの体の状態を踏まえて診察時にご説明します。

なお、すべてのクリニックが全身麻酔に対応しているわけではありません。

当院で実際に対応している麻酔方法や管理体制については、診察時にご確認ください。

こうした設計上の工夫を行っても、切開を伴う手術である以上、腫れや内出血などのダウンタイムは生じ、その程度には個人差があります。

効果やダウンタイムの現れ方を含め、結果を保証するものではありません。

麻酔の方法や費用、施術の詳細については、施術ページもあわせてご確認ください。

切開リフトの麻酔に関するよくある質問

受付カウンターで笑顔で対応するスタッフ

最後に、切開リフトの麻酔について特に多く寄せられる質問にお答えします。

実際の判断は診察のうえで行われますので、あくまで一般的な考え方としてご参照ください。

麻酔は全身麻酔と局所麻酔のどちらが安全ですか

どちらが一律に安全とはいえません。

局所麻酔は意識を保ったまま体への負担を抑えやすい一方、全身麻酔は痛みや意識を確実に遮断できます。

それぞれに異なるリスクがあり、施術範囲や体の状態、希望に応じて、より適した方法が選ばれます。

安全性は、麻酔の種類そのものよりも、適切な用量管理やモニタリングなどの管理体制によって支えられる面が大きいといえます。

麻酔の効果はどれくらい持続しますか

麻酔薬の種類や量によって異なりますが、局所麻酔の効果は手術後しばらく続き、その後徐々に切れていきます。

麻酔が切れると手術部位に痛みを感じ始めるため、痛み止めなどで対応します。

効果の持続時間や切れた後の痛みの感じ方には個人差があります。

麻酔中に意識はありますか。痛みや記憶は残りますか

麻酔の種類によります。

局所麻酔のみの場合は意識が保たれ、会話ができます。

静脈麻酔を併用するとうとうととした状態になり、手術中の記憶が残りにくくなります。

全身麻酔では意識が完全に消失します。

いずれの方法でも、麻酔が適切に効いていれば手術中の痛みは抑えられますが、局所麻酔で意識を保つ場合は引っ張られる感覚や圧迫感を覚えることがあり、痛みを感じるときは麻酔の追加などで対応します。

麻酔で気分が悪くなることはありますか

静脈麻酔や全身麻酔の後には、吐き気やふらつき、眠気が生じることがあります。

多くは時間の経過とともに落ち着きますが、症状が強い場合は処置で対応します。

過去に麻酔で気分が悪くなった経験がある方は、術前に必ず医師へ伝えてください。

持病や薬を服用中でも麻酔は受けられますか

持病や服用中の薬の内容によっては、麻酔の方法を調整したり、事前に休薬などの準備が必要になったりします。

一律に受けられない・受けられるとはいえないため、必ず術前に正確な情報を伝え、医師の判断を仰いでください。

特に血液をサラサラにする薬は、自己判断で中止しないことが大切です。

まとめ

明るい院内で前を向いて立つ女性

切開リフト(フェイスリフト)を検討するとき、麻酔への不安は多くの方が抱くものですが、麻酔の種類や役割を知ることで、その不安は具体的な判断材料へと変わっていきます。

切開リフトの麻酔には、表面麻酔や局所麻酔、静脈麻酔、全身麻酔などがあり、施術範囲や手術時間、不安の強さ、全身状態や持病に応じて、単独あるいは組み合わせで選ばれます。

大切なのは、「局所か全身か」という種類だけで安全性を判断せず、用量管理やモニタリングといった管理体制、そして術前の情報共有まで含めて総合的に考えることです。

どの麻酔にも一定のリスクや副作用はありますが、持病やアレルギー、常用薬などを正確に伝え、絶飲食などの準備を整えることで、リスクを抑えながら手術に臨みやすくなります。

麻酔の効果やダウンタイム、リスクの現れ方には個人差があり、切開リフトの結果を保証するものではありません。

だからこそ、麻酔の方法も手術の適応も、体の状態を確認したうえで医師が判断することが重要になります。

福岡天神美容クリニックでは、院長がカウンセリングから手術、術後の診察までを担当し、麻酔を含めた不安についても診察のなかで確認していきます。

まずは診察で、ご自身に合った方法があるかを相談することから始めてみてください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の施術や効果を保証するものではありません。

麻酔および切開リフトの効果・リスク・副作用・ダウンタイムの現れ方には個人差があります。

実際の麻酔方法や施術の適応は、医師の診察のうえで判断されます。

持病・アレルギー・服用中の薬がある方は、必ず事前に医師へお伝えください。

【参考・外部リンク】

  • 日本形成外科学会 https://www.jsprs.or.jp/
  • 日本美容外科学会(JSAPS) https://www.jsaps.com/
  • 日本麻酔科学会 https://anesth.or.jp/
  • 日本麻酔科学会「悪性高熱症管理ガイドライン2025」 https://anesth.or.jp/files/pdf/guideline_akuseikounetsu.pdf
  • 日本麻酔科学会「術前絶飲食ガイドライン」 https://anesth.or.jp/files/pdf/kangae2.pdf
  • 厚生労働省「医療広告ガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/koukoku_kisei/index.html

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